テラヘルツ帯(0.1-100 THz)電磁波領域は光と電波の狭間にあって、発生・検出が 容易でなかったため、あまり利用されてこなかった。近年のフェムト秒レーザー技術の進歩 やエレクトロニクス素子の高周波化に伴い、未利用周波数帯であるテラヘルツ帯を積極的に利用しようとするテラヘルツ波応用技術分野の研究が内外で活発になってきている。従って当該技術分野を開拓するための討論の場を提供することが非常に重要になっている。研究情報、意見の交換、討論を行うことを 目的として時限研究専門委員会を設置する。委員会、研究会、関連する団体との共催研究会や共催講演会を開催し、また、関連する国際会議の開催に貢献するなど、この分野の発展を図る。

 ヨーロッパでは、数年前からTera-Bridge などのプロジェクトが推進されており、数100億円規模の研究分野となっている。米国では、ARO/MURI、NSF、DOEなどの基礎科学技術予算に加えて、DARPAも多くのプロジェクトをスタートさせており、テラヘルツ研究が活発に推進されている。一方、国内での全体的なプロジェクトはなく、体制において遅れをとっている。その様な中、平成15年度任意団体として”テラヘルツテクノロジーフォーラム”が設立され、テラヘルツ研究の基盤整備が始まった。しかしながら、当該研究分野の開拓には、関係学会における活動が不可欠であり、電子情報通信学会は、テラヘルツ応用分野の研究活動に最も適している。即ち、本時限研究専門員会はテラヘルツエレクトロニクスの発展に不可欠であり、関係者からの期待も大きく、是非とも委員会の設置をご承認いただきたい。

・テラヘルツ電磁波の発生・検出及び制御に関する材料・デバイス・システム開発
・テラヘルツ電磁波を利用した分析機器・センシング技術・イメージング装置の開発
・テラヘルツ電磁波を利用した電子材料・バイオ・化学物質の評価・分析
・テラヘルツ周波数帯において動作するデバイス・システム開発とその応用
・テラヘルツ帯信号伝送・通信応用基盤技術の開発と新規通信応用分野の開拓
・テラヘルツ電磁波に係わる宇宙/地球観測技術の開発と応用