会長挨拶
電子情報通信学会
エレクトロニクスソサイエティ会長
川西 哲也(早稲田大学)

電子情報通信学会 エレクトロニクスソサイエティ会長
川西 哲也(早稲田大学)

エレクトロニクスソサイエティのメンバーになって四半世紀が立ちましたが、入会した当時はこのような役職をお受けする立場になることは想像もしていませんでした。これまでの私の所属先で最も長かったのが17年でしたので、比較すると電子情報通信学会が一番長い付き合いということになります。会長に就任するにあたり、電子情報通信学会、エレクトロニクスソサイエティは自分にとってどのような存在であったのか考えてみました。

たくさんの出会いと研究の場を与えてくれたことに感謝しています。他方、もっとこうなればよいのにという思いをすることもあり、いわゆる愚痴をこぼしたことも多々あります。皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。愛憎入り交じるという感じでしょうか。

私自身は、学会は空気のような存在であることに気づきました。空気は、身の回りあるのがあたりまえで、なくてはならないにもかかわらず、なくなってしまうことを想像することすらありません。それどころか、空気の温度や質にいろいろと文句も言いたくなります。しかし、学会と空気と大きく違うところがあります。それは、学会は私たちが作り上げているものということです。そういう意味では空気というよりはファミリーといった感じなのかもしれません。是非、愛情を持ちつつ文句もたくさん言っていただければと思います。問題があればご指摘いただくとともに、今学会が持っている機能で生かせるものは積極的に使っていただきたいと思います。

会長の任期は一年で私の力量からしても、やれることは限られていますが、少しでも皆さんで作り上げていく雰囲気作りに貢献できればと考えています。次世代にどのような学会を残していくべきなのかという視点を持ちながら、変えていくべきところはこれまでの慣習にとらわれずに変えていくべきでしょう。今の学会を使いこなしつつ、未来を担う次世代のための学会を作り上げていくための議論を始めませんか?