「第23回電気接点国際会議の開催」

       機構デバイス研究専門委員会 委員長
       曽根秀昭 (東北大学情報シナジーセンター)
 
 機構デバイス(EMD)研究専門委員会の新任委
員長に私が命ぜられてすぐの6月6日〜9日に仙
台で,第23回電気接点国際会議ICEC2006/Sendai
が本ソサイエティの主催で催され,本稿が掲載さ
れる頃には盛会のうちに終了しているはずであ
る。ICECは各国持ち回りで隔年で開催され,日
本では1994年の第17回から12年ぶりになる。
EMD研究専門委員会で日本開催を話題にしてか
ら約6年間にわたって,組織委員会(高木相委員
長),運営委員会(井上浩委員長)およびこの間
のEMD研究専門委員会で多くの委員が準備に力
を尽くされてきた。
  電気的接触は何世紀にもわたる古い技術分野
であるが,接触不良という言葉が一般にも知られ,
動かない家電製品は叩いてみるし,ときおり社会
ニュースにも事故の原因として登場するように,
多くの課題が残されている。一方,コネクタやソ
ケット,スイッチなどのデバイスはエレクトロニ
クスシステムの構築において性能と信頼性を支
える基盤技術である。この分野の研究開発では,
我が国はアクティビティと水準ともに世界をリ
ードしている。毎月催されるEMD研究会をはじ
め,継電器・コンタクトテクノロジ研究会などに
多様な技術者・研究者が集い,産学協同で研究報
告し議論していることに因るところが大きい。
  EMD研究専門委員会では,この卓越した活動
を世界に発信するとともに,グローバルな研究開
発に貢献したいと考えて,2001年から毎年1回の
研究会を国際セッションIS-EMDとして催してき
た。通例の研究会のスタイルのまま,大学などを
会場に,参加登録料をとらずに,気軽に国際的に
研究交流できる場を作りたいと考えた。英文論文
誌特集号も連係させている。近年では国際的に定
着して,2日間の日程に組むのが難しいほどの発
表申込みが多くの国から寄せられる。世界の研究
者・技術者から広く認知されて高い評価を得てお
り,本学会の国際的活動の中で,有効な成果をあ
げている成功事例である。IS-EMDでは電気接点
に限らず光接続デバイスなども扱っているが,今
回の国際会議はIS-EMDを兼ねることとした。
  冒頭で盛会と書いたのは,論文募集と参加登録
のいずれも,予想を大きくこえていることに基づ
いている。本学会における毎月の着実な活動が背
景にあると考えている。

著者略歴:
昭和55年東北大院・工・通信・修士修了、平成13年から
東北大・情報シナジーセンター教授.ほかに,NICT東北
リサーチセンター長など。計測応用,ネットワーク運用管
理,電磁ノイズなどの研究に従事。本学会で,ネットワー
ク運用ガイドライン検討WG主査(平成15年〜),