IEEE 1999 International Symposium on EMC 参加報告
(通信ソサイエティ ニューズレター第19号より転載)

 
(1)主催:IEEE EMC Society
(2)開催日:1999年8月2日〜6日
(3)会場:ワシントン州コンベンション&トレイドセンター
(4)セッション数:オーラルセッション(4つの特別セッションを含む)[24],
オープンフォーラム(ポスターセッションに相当する)[4],ワークショップ[10]
(5)論文数:
 オーラルセッション[149](米国85,イタリア12,ドイツ10,日本8,
カナダ5,英国4,シンガポール3,スウェーデン3,他),オープンフォーラム[47]
(米国17,日本9,ドイツ5,フランス3,他)
(6)参加国:上記の他,韓国,ベルギー,香港,インド,クロアチア,中国,
マレーシア,オランダ,スロベニア,スペイン,フィンランド,ブラジル,
ポーランド,台湾,イスラエル,メキシコ
(7)展示出展件数:139件,実験デモ:24件
 
(8)主なトピックス
 IEEEのEMCシンポジウムは毎年8月に開催され,学術発表ばかりでなく,EMC規格やEMC基礎に関連するワークショップ,EMC関係の実験デモ等も企画されている.また,EMC関連の多数の企業が製品を展示しており,EMCビジネスに関する交渉も活発である.さらに,ANSI(米国規格協会),IEEE等のEMC規格に関する各種会議も開催されており,EMCに関する全てのことが一同に集まっている.今年は,ワシントン州の州都であり,飛行機メーカで有名なボーイング社があるシアトルで開催された.

 参加登録者数は約1850名であり,昨年の参加者数2600名には及ばなかった.また,発表論文数はオーラルセッションとオープンセッション合わせて196件であり,昨年の220件より若干下回った.日本からの発表件数も,両方のセッション合わせて17件であり,昨年の23件より少なくなっている.昨年はデンバーで開催され,神田氏(NIST)のご尽力により,日本からの寄与が非常に多かったため,上記のような結果になったと考える.

 今年のトピックは,Reverberation Chamberに関する発表が非常に多く,Best Paper Awardもこれに関する論文が獲得したことである.また,コンピュータモデリングに関する論文も例年通り多かったが,今年は,4つの典型的な問題をPEEC,FDTD,MoM等の手法で計算した結果を発表する特別セッションを設けたのが特徴的であった.

 Awards Luncheonでは,EMC '99 Tokyo シンポジウムのときに開催されたIEEE EMCS Board of Directorでの活動に対する感謝状が,芳野先生に授与された.また,IEEE Transactions on EMCのエディタに対する長年の功績で,NISTの神田氏がLawrence G. Cumming Awardを受賞した.

(執筆者:徳田 正満 九州工業大学)