若者よ、世界に出よう!
アナザースカイでの成長〜スイス研究留学記〜

徳島大学 上手洋子Yoko Uwate

はじめに

私は2024年8月下旬から2025年3月下旬まで7か月間,スイス・チューリッヒ州にあるチューリッヒ応用科学大(ZHAW: Zürcher Hochschule für Angewandte Wissenschaften)で研究活動を行いました.利用した制度は私が所属する徳島大の「若手教員海外派遣支援事業」です.私にとって今回が三度目の海外留学でしたが,本稿では,留学を考えている若手研究者の参考になるよう,準備段階から現地での研究生活,得られた経験について紹介します.

留学準備

2.1 事前準備

海外留学するにあたって,場所選びは非常に難しい問題の一つだと思います.私はこれまで,二度の海外留学の経験がありますが,どちらもスイス・チューリッヒにあるチューリッヒ大とETH(Eidgenössische Technische Hochschule Zürich,スイス連邦工科大チューリッヒ校)の合同研究機関であるニューロ情報研究所(Institute of Neuroinformatics, UZH/ETH)のStoop教授の研究グループで研究活動を行いました.

今回の場所選びで難しかったのは,Stoop教授が退官されて研究グループがなくなってしまったこと,また円安でした.円安のため欧米での生活費は高額になると推測できました.そのため,アジア地域(韓国,台湾,マレーシアなど)での留学先を検討しました.しかし,今回の海外留学の目的は,新しい研究テーマへの挑戦でした.そのため,難しいかもしれないけれど自分が一番やってみたい研究テーマができる国に行こう! と立ち返りました.それが私にとってはやはりスイスでした.

スイスでは脳情報やニューロモルフィックについての研究が盛んに行われており,私もその研究に挑戦しようと思いました.以前の研究グループはもうなかったので,Stoop教授の研究グループで以前留学したときに共に研究活動を行っていた,Ott教授が現在在職しているチューリッヒ応用科学大を留学先と決めました.その後は,Ott教授にメールで状況を説明し,招待状などの作成をお願いしました.

次にアパートを決める必要がありました.今回の滞在は7か月間でしたので,家具付きのアパートメントホテルにすることにしました.インターネットで幾つかの会社のホームページから気になる部屋があればコンタクトをして,交渉を行いました.最初の何部屋かは,退居者との時期が合わず借りられなかったのですが,出国間近になって,チューリッヒ市内の長期滞在者用のアパートメントホテルを借りることができました(図1).私が利用したアパートの管理会社とは,アプリで入居方法の連絡や家賃の入金を行うことができたので非常にスムーズでした.(入居後もお湯が出ないとか,電球が切れたなどのトラブルがありましたが,アプリのチャット機能ですぐに対応してくれました.)

図1 家具付きアパートの部屋の様子

図1 家具付きアパートの部屋の様子