大会企画一覧


2009年ソサイエティ大会

シンポジウム企画「メタマテリアルアンテナ」

  • 日時: 2009年9月15日(火) 10:30-16:50
  • 場所: 新潟大学(新潟市)
  • オーガナイザ:榊原久二男 (名工大)
  • 発表件数:11件
  • 参加者:約100名

提案趣旨

伝送線路内の伝搬定数を制御可能なメタマテリアル技術が脚光を浴びている.その一方で,メタマテリアルの実用化への検討が進められており,その有力な候補がアンテナである.メタマテリアル技術をアンテナに適用することで,アンテナの小形化や指向性の設計自由度が向上するといった,アンテナの普遍的な課題が解決できることが期待されている.しかし,実用化においては,損失の問題や,動作周波数帯域幅が狭いことが課題となっている.本シンポジウムでは,メタマテリアル技術のアンテナへの応用に関する論文を多方面から集め,その実用性について議論する.非常にホットなトピックスでもあり,多くの聴講者が期待できる.

開催報告

メタマテリアルアンテナの特徴である,アンテナの小型化,低姿勢化,指向性設計自由度の拡大,アンテナ間相互結合の低減など,幅広い種類のメタマテリアルの研究成果の発表があり,日本国内においてもメタマテリアル技術に関する研究の広がりが感じられた.同時進行のAP関連セッション数を最小限に抑えた企画上の戦略も功を奏し,夕方の最後の発表が終了するまで,100名を超える数の聴講者の参加があった.各々の発表に対して質問が相次ぎ,討議が白熱した.研究成果とともに,議論によって課題も明らかになり,発表者・聴講者の両者にとって有意義な情報提供ができたと考える.以上より,本シンポジウムの目的は十分に達成されたと考える.

2009年総合大会

パネルセッション「移動伝搬研究の新しい流れと今後の技術分野」

  • 日時: 2009年3月17日(火) 13:00-17:00
  • 場所: 愛媛大学 (松山市)
  • 提案者: 岩井 誠人 (同志社大)
  • コーディネータ: 堀 俊和 (福井大)
  • 発表件数: 5件
  • 参加者: 50名程度

提案趣旨

セルラ移動通信,屋内無線通信環境,などを含む移動通信環境における電波伝搬について,現象解明やフェージング対策技術などの研究が旧くから継続的に進められ,多くの成果が得られている.これまでの電波伝搬の解析は,フィールド実験結果のフィッティングやレイトレーシングが代表的な手法であった.これに対して,近年,新しいアプローチにより伝搬現象を捉えようという試みが幾つかなされている.また,従来の伝搬研究は,その結果が主に通信回線のエリア設計や通信品質評価などに用いられてきたが,最近,電波を用いたセキュリティやユビキタス通信への応用など,電波伝搬特性を活用した新しい技術への展開が図られている.本パネルでは,このような移動通信における電波伝搬研究の新しい流れと今後期待される新たな技術分野について,将来の展望を議論する.

パネラー

(1) 新しい伝搬解析のアプローチ

  • 市坪(九工大):スケールモデルによる伝搬解析
  • 大宮(北大):FDTDによる伝搬解析
  • 高田(東工大):時空間サウンダによる伝搬解析

(2) 新しい伝搬応用技術

  • 岩井(同志社大):無線伝搬路特性を活用したセキュリティ技術
  • 山田(新潟大):電波伝搬と位置推定

開催報告

新しいアプローチの伝搬解析手法の検討を進める3名のパネラー,および,移動通信伝搬をこれまでの通信以外の分野への応用を検討する2名のパネラーに講演およびパネルディスカッションを依頼した.それぞれ新しい考え方・応用分野を披露し,大変興味ある内容であった.これらに対して参加者から多くの質問が寄せられ,熱心な討議が行われた.これら発表・議論を通して今後の移動伝搬に関する研究を進めるという観点で参加者に有意義な情報を提供できたと考える.以上より,本パネルの目的は十分に達成されたと考える.

シンポジウム企画「人体周辺の電波利用に関する最新技術動向」

  • 日時: 2009年3月18日(水) 9:00-16:50
  • 場所: 愛媛大学 (松山市)
  • オーガナイザ: 前山 利幸 (拓殖大学)

提案趣旨

人体通信を含む人体周辺の電波利用技術は,多方面に渡る.ユビキタス医療では,体内センサーからのテレメタリングのため,電磁波を利用した体内・外通信とそのネットワークであるボディエリアネットワーク(BAN)の標準化が進んでいる.ユビキタスネットワーク社会では,人体周辺での電磁波利用がますます増えることが想定され,新しい通信システムである人体通信の実用化が進むと共に,人体に対する電磁波の影響について検討が進んでいる.そこで,アンテナ工学,環境電磁工学,医用工学,人間工学の研究・開発の観点から人体周辺の電波利用に関する現在の技術動向をご紹介頂くとともに,技術課題と将来への展望について議論を行う.

開催報告

各研究会より招待講演を頂き,聴講は午前約50名,午後30名と概ね盛況であった.人体周辺で電波利用が検討されているさまざまな方式に関する発表の他,UWB-BAN の標準化に必要な伝播モデルなど,議論の範囲は広く,当該分野の研究者に研究動向を伝えることができ,有意義なシンポジウムであったと考える.


Last-modified: 2012-05-01 (火) 05:10:16