「福祉情報工学研究会」設立趣旨

ヒューマン・コミュニケーション・グループでは、このほど、障害者や高齢者の情報・通信関連の諸課題に取り組む先端的情報・通信技術や科学をはじめ、認知科学、言語処理、HIなど関連諸研究に従事する研究開発者が一同に会し、発表、討論する場を提供することを目的とする第二種研究会「福祉情報工学研究会」を設立いたしました。

国内だけでも視覚障害者が約30万人、聴覚障害者が約35万人、肢体不自由者が約170万人、盲聾者約3万人など約300万人の身体障害者がおり、高齢社会の進展とともに中途障害者も増加しつつあります。また、50歳で約25%、75歳で約75%の人たちが何らかの障害を持つともいわれています。

一方、情報通信技術の高度化が進む中で、残念ながら、この多くの障害者・高齢者が情報弱者として取り残されつつあります。一方、このような状況に中で、この問題に対処すべく、多くの研究者や機関が先進技術を駆使して障害者、高齢者対応の情報・通信技術の研究開発に取り組んでいます。

この研究開発・実用化には、障害者・高齢者自身やサポートするボランティアなどが求める機能や性能を明確にし、その視点から結果を評価することと、それを実現する為の、先端技術を活かした方法論が必要であることはいうまでもありません。そこでは、それぞれについて十分な検討がなされるとともに相互に十分に整合の取れたものでなければ、真に効果を上げることはできません。

このような状況に鑑み、今回本研究会を設立した次第です。

本研究会は、関連分野の諸学会や研究会とも積極的に提携し、この分野の交流の輪を広めると共に、研究開発活動の発展に寄与して行きたいと考えております。

皆様の研究発表と討論への積極的参加をお願いいたします。

平成11年11月 福祉情報工学研究会

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