概要 現在,論文検索や商品検索といった専門的なコンテンツの検索に特化したサービスが広く利用されている. しかし,これらの検索サービスにおいて,検索結果を属性に応じて再ランキングしたり, 別の検索結果を統合的に再ランキングしたりといった事は現状のサービスでは困難である. また,異なるサービス間での検索結果を統合的に扱うことも困難である. 我々はこれまでにユーザの直接的なインタラクションによりウェブ検索結果を再ランキングする仕組みを提案してきた. 本稿ではフォルダを用いたユーザのインタラクションを用いることで, ウェブサービス・クエリ横断に検索結果を統合的に分類・再ランキングするシステムを提案する. また,プロトタイプシステムをブラウザの拡張機能として実際に実装することによってその有効性を検証する. Keywords: 再ランキング,クエリ横断,サービス横断,サーチとインタラクション 質疑応答議事録 会場からの「新しい検索エンジンを追加するにはどういう作業が必要となるか」という質問に対し, 「現状では,検索エンジンに対応するパーサを手動で用意する必要がある. 今後の課題として,パーサの自動生成を考えている」という回答であった. また,「各サービスを利用するにあたって, まずそれぞれのサービスにアクセスし,検索結果を統合するときにはじめて, インタラクションするという戦略を導入したのはなぜか?メタサーチを導入しなかった理由は何か?」という質問に対し, 「いつもどおりに行っている検索スタイルの延長として,必要なときに検索結果を統合することを考えた. 必要なときに必要なだけ組み合わせることができたらいいというスタンス」という回答であった. 「文字列だけでなく,数値を強調したり,削除したりすることは可能か?」という質問に対し, 「対応している.ただ,インタフェースとしてみたときにわかりやすさという点では微妙. また,大小関係の扱いに関しては,何らかのヒューリスティクスの導入が必要と考えている」という回答であった. また,実験の評価方法に関して, 「ユーザ評価のみなのか?この手の研究は何を基準に評価すればいいのか?」という質問に対し, 「いろいろな発見ができること,目的達成時間が短いこと,といった指標を考えているところ」という回答であった. 「こういったサービスは,Web上のどういったところを活用しているのか?」という質問に対し, 「ユーザの検索結果を自由にマネジメントできることを目指している.ユーザの操作履歴を共有することによって,新たな展開が可能」という回答であった.
概要 本稿では内容ベースフィルタリングと協調フィルタリングとを特異値分解を用いて組み合わせたハイブリッド推薦方式を提案する. 提案方式では,まず,特異値分解を用いた協調フィルタリングを応用して, 推薦対象文書の集合からユーザの評価パターンが類似した文書を1つに縮約した文書集合を作る. 次に,縮約した文書集合に対して,特異値分解を用いた内容ベースフィルタリングを適用して類似した単語を1つに縮約した単語の集合を作る. その後に,縮約した単語の集合を使い,内容ベースフィルタリングによって推薦対象文書全体から未評価文書の推薦処理を行う. 技術文書推薦サービスのデータを用いて評価実験を行ったところ, 従来の特異値分解を用いた内容ベースフィルタリングおよび協調フィルタリングの各方式より提案方式の方が平均適合率, 平均絶対誤差,適合率0のユーザ数の指標で良い結果であった. Keywords: 情報推薦,内容ベースフィルタリング,協調フィルタリング,特異値分解,LSI(Latent Semantic Indexing) 質疑応答議事録 「提案方式によってデータスパースの問題はどの程度解決したのか?」という質問に対し, 「現時点ではまだ考察していない.今後の課題としたい」という回答であった. 「MAEとは何か?どうやって計るのか?その定義を教えてほしい」という質問に対し, 「正解のあるデータに対し,予測値と正解値の平均絶対誤差をとった」という回答であった.
概要 近年,インターネットの普及を背景に,ブログやレビューなど,Web上で個人の日記や意見を気軽に書き込むことができる環境が整ってきている. 本研究では,このように個人が発信するWeb上での自由記述情報を用いることで,製品などに対する評価解析を行うためのシステム構築を目指す. また本研究では,文章中の語句どうしの関係を可視化するテキストマイニング手法HK Graphを用いることで, 対象商品に対するレビュー内容を視覚的に把握できるシステムの開発を行う. 本稿では,Webユーザレビューから抽出された語句に対し,評価を表す語句として”評価項目”,”評価語”を自動で抽出し, 抽出された評価語句に基づいて,レビューによる評価内容の時系列変化・類似性を視覚的に把握する手法を提案する. Keywords: HK Graph,ユーザレビュー解析,テキストマイニング,時系列変化,評価項目,評価語 質疑応答議事録 「共起度の意味は?」という質問に対し, 「同じ語句が同じ文書中にどのくらいの頻度で現れているかを示している」という回答であった. 「抽出しやすい評価語・抽出しにくい評価語というのはあったのか?」という質問に対し, 「偏りがった.デザインに関しては抽出しやすかったが,一般的に名詞の抽出は難しかった」という回答であった. また,この回答に関連して, 「評価語はまんべんなく取れたほうがいいのでは?」という質問もあったが,それに対しては, 「データ解析の支援が目的なので,評価語の抽出精度は100%に近くなくてもいい」という回答であった. 評価項目と評価語の自動抽出に関し,「評価語についてはあらかじめ登録された辞書を用いてもいいのでは?」という質問に対し, 「そういう方法もあるが, 特定の評価項目に対しては,特定の評価語が対応していることがある.そういう対応関係を自動抽出したかった」という回答であった. 「月ごと,機種ごとにどの程度のデータがあったのか?」という質問に対し, 「データには偏りがある」という回答のみであり,数値などの具体的なデータはなかった. また,この回答に対し, 「各月,各機種に対するレビューの偏りが解釈に与える影響を考えたほうがいい」というコメントがあった.
概要 本稿では,意思決定において多角的な視点からのデータ分析と,相補/非相補的な意思決定方略に対応できる, 関連バランス制御機能を備えたキーワードマップを提案する. キーワードマップは,オブジェクト(キーワード)間の関連度に応じて, キーワードを2次元平面上に配置する汎用的な情報可視化システムであり, ユーザ意図を強調するマップの編集機能が備わっている. しかしながら,従来システムは,キーワード間の関連性に複数の属性が含まれている場合でも, 関連度はそれらを包含し1種類の属性とみなすため,1つの視点からしかデータ分析できない. そのため意思決定支援へ応用する場合に,データを様々な視点から分析できない問題と, 任意の属性を重要視するなどの意思決定方略を支援できない問題がある. 本稿では,関連度を複数の重み付き属性値の線形結合と再定義し, ユーザがそれらの重みを制御することが可能な関連バランス調整機能をキーワードマップに導入する. 属性の重み付け設定に応じたユーザのマップの解釈の仕方の違いを検証する被験者実験と, 意思決定方略に応じた提案システムの使われ方の違いを検証する被験者実験を行った結果, 提案システムは多角的な視点をユーザに提供し,また相補/非相補的な意思決定方略に対応可能であることを示す. Keywords: 意思決定支援,情報可視化,インタラクティブ情報検索 質疑応答議事録 関連バランス制御機能に関し,「属性を画面右側に表示することに何か理由があるのか? 表示すべき属性が多いとき画面が煩雑になってしまうのでは?」という質問に対し, 「意思方略決定という面では,3〜5の属性にするのが良い. 属性はユーザがいじりやすい位置に置いた. 内在している意図を編集という作業を通して,マップに反映させるのが重要」という回答であった. 「属性を極大化したり,極小化したりするだけでなく,もっと中間的な操作はないのか?」という質問に対し, 過去の意思決定研究では,非相補的な方略が多いが,最初の段階としては,全体を概観できるようにしたかった. 実際,そういう傾向の被験者もいた」という回答であった. 被験者へのアンケート調査に関して, 「娯楽度や満足度といったものを被験者にはどういう風に質問したのか?設問の作り方は?」という質問に対し, 「単純に聞いた」という回答であった.
概要 マップベースインタフェース(MBI)は,仮想環境におけるナビゲーションにおいて,特に仮想環境が大規模なときによく使われてきた. その電子マップ自体の有効性はこれまで多くの実験によって示されてきた. しかし,アバタ制御方式はいろいろ存在するにもかかわらず,それらの比較研究はほとんどなされていない. そこで本論文は,仮想美術館を対象にして,異なるアバタ制御方式を組み込んだ3種類のMBIを実装し, それらを実験的に比較評価した. Keywords:アバタ制御,マップベースインタフェース,ナビゲーションインタフェース,評価,仮想環境 質疑応答議事録 「アバタ操作にはコントローラ等の使用も考えられるが,マウス操作を選択した理由は?」という質問に対し, 「本研究では,MBI上での操作の特徴を調査することを目的としている. コントローラ操作ではユーザ視点の操作になるため,マウス操作を選択した」との回答であった. 「システムのインタフェースとインテリジェンスを同時に評価した場合, 評価結果がインテリジェンスの質に影響されることがあるため,分けて評価する必要がある. この研究では,インタフェースとインテリジェンスのどちらを評価しているのか?」という質問に対し, 「本研究では,インタフェースの操作性を比較している」との回答であった. 「3種類の操作方式を選択した理由と,各方式の計算量等の違いはあるのか教えて欲しい. また,各方式をベストな状態で比較するべきではないか?」という質問に対し, 「選択段階で比較的操作性の良いと考えられる3方式に絞り込んだ. また,今回,計算量等までは比較していない.今後改善していきたい」との回答であった.
概要 我々はパノラマ写真上に各被写体の名前をテキストアノテーションとして簡単に追加できるツールを開発した. そのテキストアノテーションを利用することにより,写真に含まれる被写体レベルで検索できるより深い検索システムを実現した. 221個のパノラマからなるキャンパスガイドシステム「FITパノラマ」を開発し,Web上に公開した. 本稿はこのシステムを実験とアンケートにより評価した. その結果,従来の階層マップより検索システムを用いた閲覧法のほうが,学内及び学外の双方の被験者にとって有用であることが確かめられた. Keywords:パノラマ,アノテーション,検索,ガイドシステム,実験,アンケート調査,システム評価 質疑応答議事録 「この研究の主張は,階層マップとパノラマ検索の併用が良いということか?」という質問に対し, 「今回行った被写体の検索課題では,パノラマ検索が有効であったが,マップ・検索それぞれの良さがある. 今後は様々な課題で検討したい」との回答であった. 「学内者と学外者では支援する内容が異なるため,学内・学外者を分けて実験を行った方が良いのではないか?」という質問に対し, 「今後検討したい」との回答であった. 「検索システムを使用する場合,学内者と学外者で到達時間に差がなかった理由は?」という質問に対し, 「検索すると様々な検索結果が出力されるため,学内者でも探すのに時間がかかり,学外者との差がなくなったと考えられる」との回答であった.
概要 仮想環境のためのナビゲーションインタフェースの大部分は, コンテンツクリエーターによって配置された視点から一つを選択したときに自動視点アニメーションを実行する. この視点アニメーションの評価に関する研究はほとんど行われてきていないので, 現存のナビゲーションインタフェースは視点移動の軌道や速度の異なる様々な視点アニメーションを生成する. そこで本稿では,規模の異なる2種類の仮想環境における実験を通して, 視点アニメーションのパラメータがユーザの快適性に与える影響を検討している. Keyword:視点アニメーション,ナビゲーションインタフェース,仮想環境,実験的評価 質疑応答議事録 「Google Mapなどの実写の地図がWeb上で使えるようになり, 現実世界の移動のメタファ(現実世界の距離感や時間感覚)が今後必要と思われる」とのコメントがあった. 「移動前に見えている範囲や上昇・移動の速度等,仮想環境でユーザが快適に感じる要因は何か?」という質問に対し, 小規模環境では予め周りが見えており,大規模環境では予め周りが見えていないといった違いがある. また,小規模環境では目的地が見えているのに移動速度が遅いとストレスを感じ, 上昇距離が大きいと景色が目まぐるしく変わるので好まれないといった事象が観察された」との回答であった. 「移動距離の30%の高度が好まれる理由は何か?」という質問に対し,「現在調査中であり, 今後,詳細な調査が必要だと考えている」との回答であった. 「消費者の視点から調査する場合,小規模環境と大規模環境でユーザが求めるモノが何かを考えて実験すると良いのではないか? 例えば,ユーザが楽しみや躍動感等を得られたか?といった点も考察に加えると良いと思われる」とのコメントがあった. 「平面移動だけでなく上昇移動も扱っているため,大規模環境を対象にしていると思われるが, なぜ,小規模環境と比較したのか?」という質問に対し,「小規模環境での移動速度, 移動時間等の心地良い速度なども調査するため」との回答であった.
概要 本研究では,ブログを著者の行動や嗜好を反映した記録媒体とみなし, 生活上で重要なイベント(ライフイベント)を判定することにより, ライフイベントを体験した本人に役に立つ情報を提供することや, 類似した嗜好を持つ人に有用な情報を推薦することを目指す. この目標を達成するためには,ライフイベントに関連した未来の予定, 昔の出来事,宣伝等を排除する必要がある. また,体験の主体(体験主)が,本人であるか,家族であるか,他人(芸能人等)であるかによって, 提供する情報の有用性が変わるため,体験の主体を判定する必要がある. 本稿では,6つのライフイベントキーワードによって検索した6,000件のブログを対象とし, 体験の事実性(体験性)と体験主の情報を付与した実験データを作成した. また,χ2乗検定により,判定に有効な文末表現や共起語を明らかにし,体験性の自動判定器を実現した. Keyword:ライフイベント,ブログ,χ2乗検定,体験性,文末表現 質疑応答議事録 「1つのブログ記事中に現在と過去の内容を同時に含んでいる場合,過去情報も考慮しなくて良いのか?」という質問に対し, 「結婚などのキーワードの場合,複数の時間帯の内容を含んでいる確率は低い. また,仮にあったとしても結婚などのイベントでは,最近の情報がユーザにとって有用だと考えた. そのため,複数の時間があれば最近の情報を判定するようにしている」との回答であった. 「”最近の情報”が有用な情報を含むと考える理由は?」という質問に対し, 「ユーザの状況によっては未来の情報が有用な場合も考えられる. しかし,結婚等のキーワードでは,過去情報よりも最近の体験の方がユーザにとって有用な情報が含まれている可能性が高いと考えている」との回答であった. 「ライフイベント判定の結果,一致しないのはどのような場合か?」という質問に対し, 「ブログを書いた時点から1ヶ月程前を”最近”と判定する基準としたが, それ以前のものも有用な情報とした判定者がいた. これらの不一致は,判定者間の協議に基づき,就職や退職の最近の判定は, 4月前後以降に起きたライフイベントとして再定義し,判定作業をやり直した」との回答であった. 「”最近”の定義とは?」という質問に対し, 「3年前の記事でも,1ヶ月ぐらいを振り返って書いていれば最近と考えた」との回答であった. 「6月は結婚,3〜4月は就職などのイベントが集中する. そのため,シーズンに着目して情報を収集しては?」という質問に対し, 「シーズン依存性は研究を進める上で重要な指標だと考えている」との回答であった.
概要 2004年より企業の財務情報開示がEDINETでの電子開示が強制適用となり、HTMLおよびPDFでの公開が始まった. しかし、財務データの加工・再利用のためには負担が大きい.このため、 2008年3月よりEDINETではXBRLという財務情報のXML化が始まった. 財務分析において会計士・税理士・アナリスト・投資家・経営者等によって分析方法や用いる指標が異なるのが 現実であるが、既存の財務分析手法はユーザの特性を考慮しておらず、すべて同一のものを用いている. したがって、既存のシステムでは作業種別や観点の異なる複数のユーザに対して適応することは 難しいのが現状である.本研究ではXBRLを利用し、ユーザ特性を考慮した財務分析システムの構築を行った. keyword: XBRL,財務分析,XML,ユーザ適応 質疑応答議事録 「Ajaxをどのように使用しているのか?」との質問に対し, 「クライアント側でデータを呼び出し,データを加工(レンダリング)して表示するため, サーバーとクライアントで処理を分散することができる」との回答であった. 「この研究のターゲットユーザは?」との質問に対し,「ユーザとして会計士・投資家・経営者・アナリストなどを対象にしている. また,ユーザごとに欲しい情報が異なるため,それぞれのユーザモデルを構築したいと考えている」との回答であった. 「多様な要求を持つユーザに気付きを与えるような仕組みを導入すると面白い研究になる」とのコメントがあった. 「XBRLを用いる利点は?」との質問に対し,「金融庁のEDINETでは,企業の財務データがhtml等の形式で発表されている. そのため,情報分析者はバイトを雇ってクセルや他の電子媒体に書き写している. XBRLにすることで簡単にデータを取り込むことができる」との回答であった. 「XBRLにデータがアップされるのか?」という質問に対し,「1年後には全企業の情報がアップされる予定である」との回答であった. 「既にサービスを開始しているヨーロッパのデータは使えないのか?」との質問に対し, 「海外の異なる会計基準のXBRLデータには本システムは現在対応していないため,海外のデータを使うのは困難である」との回答であった.
概要 デザイン作業とは,造形だけでなくデザインコンセプトの立案までを含む. デザイナーは効率的な造形作業を行うために重要なデザインコンセプト立案作業に多くの労力を費やしている. しかし、その作業を支援するシステムは少ない. そこで,本研究ではデザインコンセプト立案作業の初期段階である既存製品のポジショニングマップ作成作業の支援を行うシステムの開発を目的とした. 具体的には,目標とする製品キーワードと感性ワードを用いてWEB上から既存製品の画像を収集し, それらの画像と共に関連する製品キーワードや感性ワードをデザイナーに提示するシステムを構築した. Keyword:デザインコンセプト立案,支援システム,画像検索,感性ワード,ポジショニングマップ 質疑応答議事録 「スポーティーで検索するとなぜ時計のみ検索されているのか?」という質問に対し, 『「スポーティー」と「時計」でアンド検索を行った』との回答であった. 「上手く検索できなかった事例があれば教えて欲しい」との質問に対し,「自動車の場合, 「スポーティー」などの感性キーワードの他に,「外観」などのキーワードを追加する必要があった. 製品カテゴリによって感性キーワードと相性のよい対象というものがある. 本研究では,ターゲットユーザを企業に所属するデザイナーとしており, 時計や自動車などを対象としている」との回答であった. 工業デザインをしている参加者から,「従来の検索プロセスでは,必要な情報を絞り込み, 不要な情報を排除してしまう.しかし,デザイナーにとっては,類似した画像やワードをまとめて表示し, 排除するのではなく,画面の隅に残しておくと助かる」とのコメントがあった. 「商品のスペックデータベースはあるが,感性キーワードなどは記録されていない. そのため,工業製品に限らず非常に汎用性の高い研究ではないか」と思うとのコメントがあった.
概要 道に迷った時、周辺の地理に詳しい人に携帯電話で道を尋ねるという手段を取ることがあるが, 音声によるコミュニケーションのみで位置を特定することは困難である. そこで,相手の位置を正確かつ簡単に取得し,円滑な道案内ができるように地図検索機能とGPS位置情報を活用した遠隔支援ツールでの位置特定の手法を提案し, 実際に道に迷った人の現在地を特定できるか実証実験を行った. 実験の結果,本研究で作成した遠隔支援ツールで取得した位置情報から現在地を特定することができ, 移動の様子から次に向かう方向を特定しやすく円滑に道案内を開始することが可能であった. Keyword:Google Maps API,GPS,位置情報,地図検索,遠隔支援 質疑応答議事録 「ひとナビなど,既存のサービスと比べた場合のメリット・デメリットは?」 との質問に対し,「既存のサービスは有料でしかも今すぐに使える状態でない 場合が多いが,本システムは携帯で Webサイトに接続するだけですぐに利用で き費用がかからない点がメリットだと考えている」との回答であった. 「ナビゲーターは誰か?」との質問に対し,「道に迷った人の知人を想定している」との回答であった. 実験方法に関する質問に対し,「ユーザが携帯から何回かGPS情報を送信し, ある程度移動軌跡がたまると,ナビゲーターに次の指示を求めるという使用を想定している」との回答であった. 「地下や屋内では使用可能か?」との質問に対し,「屋内や地下は使用できない」との回答であった. 「携帯での道案内をユーザ間のコミュニケーションのすれ違いの一例だと捉えると, すれ違いが生じる原因を調査し,GPS情報だけでなく,どのような情報を, どのように加工してナビゲーターに提供すれば良いかを考えてはどうか?」とのコメントがあった. 「携帯で道案内するときの失敗原因として,ユーザとナビゲーターの双方で間違ったランドマークを頼りにナビゲートする場合が考えられる. 例えば,共通のランドマークがコンビニの場合,都内だと複数あるため, コミュニケーションがずれることがあるのではないかと思われる」とのコメントがあった.
概要 本稿では,九州大学病院と共同で研究開発を行っているWeb ベースの医療安全管理データベースシステムについて, 現在新しく追加しているシステム機能を説明する.九州大学病院では,医療安全管理部という部署が, 医療の現場における各種の事例情報(事例情報の99%近くが,いわゆる「ヒヤリ・ハット」情報である)の収集と分析を行っている. 現在,医療安全管理データベースシステムを九州大学病院で稼働し, 事例情報の収集や各種の条件検索をWeb ベースで行っているところであるが, 本システムに,新たに,集計・分析機能を追加実装することになった. これは,事例情報のデータベースに対して,任意の項目でのソートと集計や,絞込み表示をWeb ブラウザから簡単に行える機能である. 医療安全管理部は,通常業務として,週次報告書の作成,月次報告書の作成,重複報告の発見,事例件数の集計による分析を, 従来,紙ベースや表計算ソフトウエアを用いて行っていた.医療安全管理部による試用と評価の結果, これらの業務がWeb ベースで簡単に行える見込みが立った.本システムは, リレーショナルデータベース管理システムを使って実装されているので,集計・分析機能の実装は困難ではなかった. 集計・分析機能は,医療現場での事故の発生防止・再発予防に役立つ機能である. Keywords: 医療安全管理,事例情報,ヒヤリ・ハット, Web サービス 質疑応答議事録 ヒヤリハットを報告するとインセンティブが発生するのかと質問があり、 インセンティブはなく、20年前から行っているので義務感があると回答があった. 次に、失敗を隠そうとする傾向は無いのかとの質問に対して、 システムは全病院に公開しており過去の報告を見ることで、報告しやすくなっているとの回答があった. さらに、システムに全文検索機能があるのかどうか質問があり、 提案はしたが日付などの絞り込みだけで十分とのことだったので、実装していないと回答があった. また、登録事例にタグを付けられる機能があれば便利でないのかとの提案があり、 持ち帰って検討したいとの回答があった.
概要 著者らは,情報発信者(書き手,話し手)が発信したテキスト(発話文,ニュース記事,ブログ記事,ホームページ, 他)から情報受信者(読み手,聞き手)が受ける印象というものに着目し, テキストから受ける印象を推定する印象マイニングシステムだけでなく, ユーザの記事閲覧履歴から話題と印象の両面において興味のある記事を推薦するシステム, 記事の印象に応じて読み方を変える音声合成システム, 検索されたWeb ページの印象分布を視覚的に提示するシステムといったものを開発してきた. しかしながら,これらのシステムで用いられた印象軸は, 米国の心理学者R. Plutchik が提案した感情モデルの枠の中で著者らが直感的に定義したものであり, 印象マイニングの対象となるテキストの印象特性(印象の現れ方に関する性質)を考慮したものではなかった. そこで本稿では,被験者100 人が新聞記事10 記事を読み, 印象語42 語のそれぞれについて5 段階(強い-割と強い-割と弱い-弱い-なし)で評価するという印象評価実験(アンケート調査)を9 回実施し, 印象評価データ(印象語42 語× 9000 件)を収集するとともに, 印象評価データの印象特性を分析することにより, 新聞記事の印象を表現するのに適した印象軸を提案する. Keywords: 印象マイニング,記事印象,記事分析,印象特性 質疑応答議事録 PositiveとNegativeが別軸になっているが、同じ軸で逆方向が適切ではないのかと質問があり、 クラスタリングにより印象空間を分割し、軸を統合したとの回答があった. 次に、新聞記事を対象としている理由に関して質問があり、 以前より新聞記事を対象とした研究を多くやってきて、軸に関して疑問に思ったためとの回答があった. また、軸を作るのに正解はないので、知見が増えるような実験を進めて欲しいとの意見があった.
概要 ユーザがWikiに習熟する上での問題は,情報の構造化にあるといえる. 情報の構造化により,他のユーザの理解や情報の蓄積を促し, Wiki上の情報を充実させることが可能といえる. そこで,ページ閲覧・編集を行ったユーザが特定されたWikiのアクセスログの解析を試みた. その結果,ユーザのWikiの習熟が進むプロセスが確認された. さらに,ユーザごとのログのグラフの比較により ページの利用方法に関する推測も可能なことが示唆された. ログの見方の工夫や,アンケートなど他の分析との組み合わせにより, 今後詳細なユーザのWikiの習熟や,Wikiにおけるユーザの協同行為が明らかになると考えられる. Keywords: Wiki,コミュニティ,協調,情報の構造化 質疑応答議事録 会場より、予め参加者が書くことを決めていたり、グループの目的など、 ネット以外の場所で組織されていると利用形態がまったく異なるのではないか、 オンライン上で学習して中心メンバーになっていくのが一般的な行動なのかがわからないという質問があったが、 現在アンケートによる裏付けをしようとしている最中であるという回答があった. グラフの横軸にコミュニティの大きさ、縦軸にユーザとなっていて、両者にあまり相関がないというが、 この結果はおもしろい情報が隠れているかもしれない、人数が100以上のコミュニティがもっと欲しいという意見が出たが、 100以上はこのグラフでは少ないが、閾値を変えれば何かわかるかもしれないので今後検討してみたいという回答があった. 情報の構造化が1つのトピックとなっているが、現状閲覧、作成、編集だけであり、 それについては実際にはよくわからなかった、という質問については、 現在はまだ具体的な情報編集には踏み込んでおらず、単純なアクセスログの解析だけである. 一番情報を取得しやすい方法はページ内容に踏み込んで分析することだが、 個人情報について考慮しなければならないため、とりあえず簡単にできるところから始めているという回答があった. 編集のフォーマット、カテゴリのつけ方など、現時点で何を学んでいるのかはわからないのかという質問については、 取り上げている例は学会委員だと知っているからわかりやすいが、 一般的にはコミュニティの素性がわからないと難しいという回答があった. また、情報の構造化というテーマとWikiの分析がどう結びつくのかがわからない. Wikiでのやりとりが情報構造化と言えるのかという質問に対しては、今回の結果により、 既にある情報を編集したり、作成したりというプロセスには、少なからず他者からの影響があるだろうと考えているという回答があった.
概要 今日ブログツールやブログサービスの普及により ブログは情報発信の手段として広く一般的に使用されるようになった. しかしその一方で, ブログサイトの中にはスパムブログ(Splog)が増加し, 検索におけるノイズとなっている. そこで本研究では, Splog空間の調査分析ツールとしてSplogExplorerの開発を行い, Splog空間の調査を行う他, ユーザ適応型Splogフィルタリングの概念を提案し, 実装に向けた予備実験結果について報告する. Keywords: スパムブログ(Splog), Splogフィルタリング, ユーザ適応 質疑応答議事録 ブログ全体が信用できないという人がいそうだが、事前調査は行ったのかという質問があった. それに対しては、ブログを行っているか、知っているか、Splogを知っているか、 お勧めのブログはあるかなど、一般的なブログについての調査を行った. ブログはRSSリーダーなどで毎日読まれているわけではなく、検索結果がブログだったというのが多かった. また、その検索結果がSplogだったというケースも多かったという回答があった. 別の方より、実験最中に他人が判定したのを見られるのは実験結果に影響していないか、 異なる判定基準があるとして、間違った判定をした場合、既にある評価に合わせるのか、 それとも既存の評価を正すのかという質問があった. それに対し、他人の情報も見られるというのを前提で行った.インタビューによると、 それを参考にした人はあまりいなかったが、見たことでブレがでている可能性はある. 他人の情報の表示・非表示で検証してみる必要がある. また、間違った理由の中にアフィリエイトサイトだとは思わなかったというのがあるが、 Splogと判定した・しなかったという聞き方をすれば良かったのではないかという回答があった. また他の方より、Splogであるかが問題ではなくて、被験者にとって役に立った・立たなかっただと思う. ある特定のクエリを検索させ、その結果を辿らせて判定させるというようなストーリーが必要だったというコメントがあった. 会場より、インタビューで、どう判定したかを聞いているため、 Splogの定義を被験者がどう解釈したかという実験にも見えるという指摘があったが、 明確なタスクを決めて、本当に自分にとって有益だったかどうかを問えば良かったかもしれないという回答があった.
概要 本論文では、Webサイト上の情報を利用することにより、対象とするデータを分類・整理する方法を提案する. 提案法においては、テキスト間の2種類の類似度を計算し統合することにより、テキスト間の類似度を決定する. このとき、一方の類似度はテキストの内容に基づいて類似度を計算し、 もう一方の類似度はWeb上の情報に基づいてテキスト間の類似度を計算する. 本論文では、提案法をコミュニケーション支援システム 「コミュテンツ」に投稿されたDVDコンテンツを話題とするテキスト及びYahoo! Japan 映画のサイトによって提供されている映画に関する情報に適用する. また、クラスター数を変化させた数値実験を通してその効果を検証する. Keywords: ソーシャルタグ、テキストクラスタリング、k-means法、コミュニケーション支援システム 質疑応答議事録 様々な側面からクラスタリングを行うマルチファセットな手法が分類の分野で流行っているが、 その方向に発展できないかという質問に対しては、まだ行っていないが、サイト毎にタグの付け方が異なるなど、 色々あると思われるので今後検討していきたいという回答があった. また会場より、個人のデータに使おうとするとどのような対応になるのか、 同じ人が投稿したものは同じになるのかという質問に対しては、似たような文章・同じ趣旨の文章がまとまるのではないかという回答があった. また、複数の趣味がある場合にはどうなるのかという質問に対しては、会社とプライベート、 家族関連、友人関連などで分かれるという回答があった. それ程度であれば最初から手で分けられると思うが、一つのものが複数の見方が分けられるというときに、 最初の区切り方とは合わない区切り方がでてきたときに困るのではないかという質問に対しては、 ソーシャルタグなどが付いている場合、複数の観点のタグがついていることは良いとおもう. 今回はk-meansで単一のクラスタリングをしたが、ある観点で作ったクラスタと別の観点で作成した別のクラスタというように、 複数のクラスタリングの結果が存在しても良いと考えている. このデータで今後も続けていくとすると、目的を達成できないのではないかという指摘があったが、 目的を変えるか、目的に合わせてデータを変えるかは今後考えていくという回答があった. 今回は1人のユーザがクラスタになるとしているが、同じような思考を持つ人は同じクラスタになるのではないかという質問に対しては、 今回の被験者は40名と少なかったため、1つのクラスタに1人や2人しか入らなかったという回答があった.
概要 本稿では,平成19年度の文科省科学技術振興調整費の 「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」への提案課題として採択された産学連携プロジェクト「コ・モビリティ社会の創成」の概要について紹介する. その基本構想を中心に情報技術の活用の方向性を述べる. 本拠点が目指している「コ・モビリティ社会」とは,子供からお年寄りまで、 すべての人が自由に安全に移動でき,交流が容易になり,暮らしやすく, 創造的・文化的な社会である. 本プロジェクトでは実際の地域コミュニティにおける移動(モビリティ)の支援を含むソーシャルキャピタルの向上を目指して, 情報通信技術等を融合させた「技術+社会イノベーション」を実現しようとする点に特徴がある. 実証実験地域の実情に合せて,ICTを活用して目標の実現を目指すアプローチについて,その輪郭を示す. Keywords: コ・モビリティ,コミュニティ,産学連携,技術と社会,ソーシャル・キャピタル 質疑応答議事録 本発表は「構想」が中心だったので,質問は「具体的な方法」についてのものが多かった. 具体的な方法としては,自然言語処理を活用した位置情報の抽出・分析手法などが説明された. また,コミュニティの活性化については互酬性の考え方が重要で, ある行動を取ることによって,その行動が自分にフードバックされるようなことが, どのような動機付けで達成できるかを調べたいという説明があった.
概要 一般的に,ユーザは何らかの目的を持ってブラウジングを行っており,適当にリンクをクリックしているわけではない. そこで,ユーザがその時点で興味を持っている対象を特定でき,さらにリンク先の内容も特定できれば, ユーザが興味を持つリンクと持たないリンクを予測できるようになると考えられる. そこで,Webブラウザ上で今見ているページのリンクから,ユーザが現在興味を持っているトピックと似ているページへのリンクを目立つようにし, そうでないときには目立たなくするようなインタフェースを提案する. Keywords: リンク強調,ページ選好予測,ユーザ興味 質疑応答議事録 どういう場面で利用されるのかという質問に対して,リンクが非常に多いページで, そのうち多くは役に立たないリンクであるような場合という回答があった. また,検索エンジンからアクセスされた場合におかしなことが起こらないかという 質問に対しては,問題ないとのことであった. ユーザの興味をどのように推定するのかという質問に対しては, トピックのキーワードベクトルの更新方法について説明した.
概要 歴史上の人物や出来事などの関係性の知識獲得や理解のために,学習者自身で年表を作成,閲覧することが学習活動になる. 我々は,情報収集,情報整理を支援するSBMと連携した年表作成システムの開発を行う. 現在公開されている他の年表作成システムでは,他者の年表から未知の知見を得るためには,その年表と近い年表を学習者自身で努力して探す必要がある. さらに,探し出した年表から共通しない情報を学習者自身で探し出さなければならない. 年表間で関係があり,未知の情報を含む年表の推薦は,学習者にとって有益であると考えられる. 本稿では,SBMと連動する年表システム上に登録された年表情報から年表を推薦する方法の提案を行う. Keywords: 年表推薦,歴史年表作成,教育利用,SBM(ソーシャルブックマーク) 質疑応答議事録 年表を推薦する目的についての議論があった. 会場からは「年表を推薦されるより,年表は自分で作るところに学習の効果がある. 年表の抜けているところを指摘するレベルにとどめておいた方がよいのではないか.」というコメントがあった. また,教育効果はあがるのかという質問に対しては, 「年表を作ったり,情報を集めて配置すること自体が学習につながる.」という回答があった.
概要 本論文では,クエリ語に対してそれを表現する知識断片(ディスクリプタ)をWWWから収集し, 整理統合して提示する手法について検討する. 提案しようとする手法の処理過程は, QC手法の一つである特性要因図作成過程に似たものであり, 提示された記述集合を参照したユーザは, ディスクリプタの集合を参照することによって連想的に対象語の意味やイメージを把握することが可能となる. まず最初に,我々が考えるディスクリプション手法のコンセプトについて述べ, 上記手法を実装したプロトタイプシステムの基本的構成と機能について概説する. さらに,本手法の応用可能性と,実現のために今後解決すべき課題について検討する. Keywords: ディスクリプタ,構文パターン,比較表現,質問応答,情報検索 質疑応答議事録 複数のディスクリプタを作成するとディスクリプタ間にばらつきがでるが,どのような評価を実施しているのかとの質問に対して, 上位5位のディスクリプタにのすべての組み合わせに関して比較を行ったとの回答がなされた. また,ディスクリプタを全体としてみていると何となく分かることもあるが,別の応用を考えられないのかといった質問に対して, 特定のキーに対して観察していると時事的な影響が観測されるので,分析に利用できるかもしれないと考えている. この他,文書生成に使える可能性があると考えているとの回答がなされた.
概要 本稿では,製品やサービスの差別化,経済価値・顧客価値の源泉として提唱されている「経験価値」の研究の流れから 「経験価値」の概念整理と定義づけを行ったあと,情報探索行動における経験価値の条件について考察する. まず情報探索行動における「経験価値」の例としてGoromiシリーズの情報推薦システムのインタフェースについて, 情報探索のインタラクションにおける「経験価値」の条件と,人を惹きつけるオンライン経験の性質として定義される 「フロー構造」の条件を比較しながら,経験価値の要因を考察する. Keywords: 経験価値,ポジティブ感情,情報探索,インタラクション,消費者行動 質疑応答議事録 現在の研究では,事例の羅列に過ぎず,どこが新しいのかが不明確なように感じられるので, 検索に絞るなどして,研究の焦点を明確にした方がよいとのコメントがなされた. また,Goromiは見ているだけでよいため,必要な能力のレベルが低すぎてやりがいを感じられないのではないかとの質問に対して, Goromiを見た際に,ワクワク感があったため今回採用しているとの回答がなされた.
概要 携帯端末の多機能化に伴い端末メニューが 複雑化している.本稿では,端末メニューにおいて利用頻度の高い機能だけでなく, 利用頻度が低いもしくは未知な機能でもユーザの利用可能性の高い機能へのアクセスを容易化するため, ユーザの利用傾向に応じて動的にメニュー内容を変更するメニューカスタマイズシステムを提案する. 具体的には,ユーザがよく起動する機能に使われ方の近い機能を提示するため, 機能の操作の態様を表す動詞を用いて特徴空間を定義した.また,未知の機能の評価を行うため, 満足・不満足の履歴データに基づくSVM:Support Vector Machineを用いた機能ランキング手法を提案した. それぞれの手法に対して予備評価を実施し有効性を示した.最後に,提案したメニューカスタマイズシステムのユーザ評価を行い, その有効性を検証した. Keywords: 携帯端末,情報推薦,カスタマイゼーション,嗜好推定 質疑応答議事録 会場からは,「カメラで写真を撮ったら,その後アルバム機能が推薦されるのはありがたいが, 電話をかけようとしたら,電話の使い方のメニューが出てくるのは,ありがたくない. これまでの研究やサービスでは,機能に関する推薦システムはあまりないので, どういう場面で機能を推薦すれば良いのか?に関する知見があれば教えて欲しい.」という質問があった. 発表者はこれに対し,「我々には,二つシナリオがある. 一つは,何か機能を使えば関連するメニューを上位に上げるもので. もう一つは,よく使う機能を推薦するものである.状況を分析して使い分けていきたい.」と回答していた. また,他の質問者から,機能の推薦の推定に使う要素に動詞を単独で入れた理由について質問があった. 同じ「登録する」という動詞であっても,メールアドレスを登録するのか,URLを登録するのかは, かなり異なるかるあである.発表者はこれに対し,「登録する」だけで特徴軸を作ると, まったく関連のないものも推薦されてしまうため,名詞と動詞の組み合わせて特徴空間を作ることを検討したいと回答した. また,他の質問者から機能の近さを測るため,自然言語処理を行っているが, この程度なら手動でできるのでは?という質問があった.発表者はこれに対し, 「機能は300個以上あり,さらに細かい分類では1000個にのぼる.そのため自動化している.」と回答があった.
概要 近年,携帯端末からサイト上の多種多様のコンテンツにアクセスすることができる. これらの膨大なコンテンツの中から,ユーザに合ったコンテンツを配信するサービスが実現されているが, ユーザに受け入れられないことが非常に多い. そこで本稿では,ユーザのモバイル利用実態を調査し,コンテンツの受け入れやすさの要因を明らかにした. 調査結果から,「行為」に着目したユーザ状態および, 配信情報のソースがユーザにとって既知のもの,つまり一度Bookmarkに登録されているかどうかが重要であることが分かった. しかし,多くのコンテンツをBookmark登録した場合, ユーザはその中から目的とするコンテンツを選択するのが非常に難しくなると考えられる. 本稿では,調査結果から得られた「ユーザの状態によって閲覧されるBookmarkの種類が異なる」という仮説に着目し, ユーザの携帯端末に登録された膨大のBookmarkの中からユーザ状態の合わせたお気に入りコンテンツ配信方式を提案する. Keywords: レコメンデーション,Bookmark,配信タイミング制御 質疑応答議事録 会場からは,まず生活調査を行った人たちをどう決めたのかに関する質問があった. 特に,一般的なユーザ層とどれほど一致しているかについて聞かれた. 発表者はこれに対し,普段からモバイルサイトを使っているユーザを集めたとのことであった. なぜなら,本研究は,普段から使っている人たちに対して, よりモバイルサイトへのアクセスを向上させることを目的にしているためであるとのことであった. また会場から,積極的にアクセスしてるのは,移動時間ではないか? エンドレスな待ち時間では,積極的にはアクセスしないのではないか?という質問があった. これに対し発表者は,「待機時間に使うとは限らない. 年代によって違う. ヘビーユーザーである高校生や20代では,自分の部屋で長時間携帯を使っていることが多い. 実際にシステムを構築する時には,ターゲットとするユーザ層も考えていきたい」とのことであった. また,会場から,待機状態とエンドレスな待機状態の識別方法はどうするのか?という質問があった. これに対しては,Webサイトに待機状態とエンドレスな待ち状態というタグを付けておいて, どちらのサイトをアクセスするかで識別するとの回答であった. また,ユーザのアクセス向上には,バックグラウンドでニュースなどを垂れ流す方式も良いのでは?という質問があった. これに対し,エンドレスな待ち状態では有効とのことであった. 最後に,アクセスさせるのがタスクであるのであれば,推薦のような高度なことをしなくても良いのでは? ブックマークを整理することでもアクセス向上は可能では?という質問があった. これに対しては,普段からよく使うサイトを上位に持ってくるのも推薦であり, この推薦の中に,ブックマークアクセスのユーザビリティを向上させる仕組みも入れていきたいとのことであった.