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第11回研究会
●第11回Webインテリジェンスとインタラクション研究会
日時:2008年3月22日(土)10:00〜14:50
   2008年3月23日(日) 9:30〜17:30
会場:北九州学術研究都市 産学連携センター
   (〒808-0135 北九州市若松区ひびきの2番1号)
    http://www.ksrp.or.jp/access/floor01.html

→プログラム →特別講演・パネル討論 →質疑応答議事録 →学生参加報告(PDF)
→パネル討論トランススクリプト

2008年3月22日(土),23日(日)に,北九州学術研究都市 産学連携センターにて, 「第11回Webインテリジェンスとインタラクション研究会が開催されました. 講演件数は,18件(ロング発表は10件,ショート発表8件)で,参加者数は70人でした.一般講演では,情報推薦,ユーザ行動分析,評判情報抽出,人検索、ネットワーク分析,ソーシャルネットワーク、 Webコミュニティ、実世界とWebなどに関する研究がありました.

招待講演は, 「Beyond Web2.0」とうテーマで、Web2.0で新たに出現した技術やサービスを超える研究の方向性について取り上げました。具体的には,京都大学の中村聡史氏から,「ユーザの手による検索ランキング」についての講演がありました.また,国立情報学研究所の大向一輝氏から,「自己組織化するウェブ」についての講演がありました.また、今回はパネル討論も行い、北陸先端科学技術大学院大学の杉原太郎氏の司会のもと、「サービスの時代におけるWeb研究」について議論を行いました。研究会後は,和モダンなレストランバーにて,おいしい料理とお酒をいただきました.


パネル討論は、本音連発で冷や冷やもんでした


一般講演の発表
対話型GAによる推薦システムの発表は,
熱い議論が交わされた発表の一つでした


懇親会
副委員長の話に、皆様聞き
入ってくださっております

懇親会
失敗も笑いに変えてしまいます

発表者の方には,写真掲載の許可をいただきました.ありがとうございました.
 
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プログラム案内
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2007年3月22日(土)

○9:30 受付開始

○10:00-10:05 開会挨拶

○10:05-12:05 セッション1:Webと実社会I(ロング発表)
座長:庄司 裕子(中央大学) 副座長:河合 由起子(京都産業大学)
1. オンラインコミュニティにおける制度設計に関する一考察
 山田 和明(東京大学大学院 情報学環)
 中小路 久美代、山本 恭裕(東京大学 先端科学技術研究センター)
2. 情報リテラシーによる探索行動分類
 隅田 章広(京都大学 経済学部)
 原 良憲(京都大学 経営管理大学院)
3. 閲覧履歴とリンク情報を用いた検索システムの情報推薦に関する検討
 辻 靖彦、森本 容介、小林 亜樹
 (メディア教育開発センター 研究開発部)
4. 対話型遺伝的アルゴリズムによるユーザの嗜好に基づいた商品選択支援
 伊藤 冬子、山川 望(同志社大学大学院 工学研究科)
 廣安 知之、三木 光範、佐々木 康成(同志社大学 工学部)

    < 昼食休憩 >

○13:10-14:40 招待講演:Beyond Web2.0
司会 土方 嘉徳(大阪大学)
5. ユーザの手による検索ランキング
 中村 聡史 氏(京都大学)
6. 自己組織化するウェブ
 大向 一輝 氏(国立情報学研究所)

○15:00-17:00 HCG招待講演「芸術とヒューマンコミュニケーション」
・「メディアからの眺め」
    藤幡 正樹 氏(東京芸術大学)
・「絵画の中の視線・鑑賞者の視線」
    三浦 佳世 氏(九州大学)

■ 2008年3月23日(日)

○09:30-11:00 セッション2:情報抽出I(ロング発表)
座長:坂本 比呂志 (九州工業大学) 副座長:高間 康史(首都大学東京)
7. Kullback-Leibler情報量を用いたHow型質問応答システムの解答抽出手法
 川村 正幸、湯川 高志(長岡技術科学大学)
8. ネットワークデータからのコミュニティ抽出手法の特徴比較
 竹市 浩司、村田 剛志
 (東京工業大学 大学院情報理工学研究科計算工学専攻)
9. メールから抽出されるコンテキスト情報を利用した人材検索の検討
 イコ プラムディオノ、佐藤 宏之、大友 健治、村山 隆彦
 (日本電信電話株式会社 NTT情報流通プラットフォーム研究所)

○11:00-12:00 セッション3:Webと実社会II(ショート発表)
座長:山田 和明(東京大学) 副座長:土方 嘉徳(大阪大学)
10. 応用独立なソーシャルコンテキストサービスの検討
-SNSからSCS分離の試み-
 品川 徳秀(東京農工大学 工学府 情報工学専攻)
11. 観光地情報の共有による観光計画支援システムの試作
 小林 祐悟、石川 正敏、中川 正樹
 (東京農工大学 工学府 情報コミュニケーション工学科)
12. 集合知を用いたeラーニングコンテンツの作成
 土橋 勇哉(東京農工大学 工学部 情報コミュニケーション工学科)
 塚原 渉、寺田 達也、品川 徳秀、中川 正樹
 (東京農工大学 工学府 情報工学専攻)
13. ペン・ペーパーデバイスによる手書きブログの試作
 白石 あゆみ(東京農工大学 工学部 情報コミュニケーション工学科)
 品川 徳秀(東京農工大学大学院 工学府)
 中川 正樹(東京農工大学 共生科学技術研究院)

    < 昼食休憩 >

○13:30-14:30 パネル討論:
14. サービスの時代におけるWeb研究
司 会:杉原 太郎 氏(北陸先端科学技術大学院大学)
パネリスト:桝井 文人 氏(三重大学)
  波多野 賢治 氏(同志社大学)
  中村 聡史 氏(京都大学)
  大坪 五郎 氏(デンソー ITラボラトリ)

    < 休憩 >

○14:35-15:30 セッション4:情報抽出II(ショート発表)
座長:波多野 賢治(同志社大学) 副座長:大塚 真吾(東京大学)
15. Web情報検索へのレイアウト情報適用の有効性検証
 橋村 雄介(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科)
 辰巳 勇臣、旭 敏之(NEC 共通基盤ソフトウェア研究所)
16. メジャー意見・マイナー意見の抽出システムの提案
 備瀬 竜馬、田村 直之、笠原 博和、二本木 智洋、森本 光昭、
 高田 政樹、中川 修
 (大日本印刷株式会社 情報コミュニケーション研究開発センター)
17. 実世界センシングのためのblog記事の解析
 山田 剛一(東京電機大学/JST-CREST)
 圓戸 辰郎(フィックスターズ/JST-CREST)
 小林 聡、絹川 博之(東京電機大学)
 田村 陽介(フィックスターズ/JST-CREST)
18. リンク共起情報を用いたナノテク関連学術ウェブページ群の解析
 岡田 幸治(九州大学大学院 数理学府)
 溝口 佳寛(九州大学大学院 数理学研究院)
 廣川 佐千男(九州大学 情報基盤研究開発センター)

    < 休憩 >

○15:45-17:15 セッション5:Webインタラクション(ロング発表)
座長:松下 光範(NTT) 副座長:井口 誠(フランステレコム)
19. 階層メニューの最適化手法の提案
 松井 正一(電力中央研究所 システム技術研究所)
 山田 誠二(国立情報学研究所)
20. PC操作情報を用いたウェブ行動履歴表示UIの開発
 金澤 功尚、高橋 時市郎(東京電機大学大学院 工学研究科)
 田中 明通、森田 哲之、内山 匡
 (日本電信電話株式会社 NTTサイバーソリューション研究所)
21. 書き換わるコンテンツを意識したナビゲーションを支援するRSSブラウザ
 高橋 庸介、佐々木 祥、宮田 高道(東京工業大学)
 小林 亜樹(メディア教育開発センター)
 山岡 克式(東京工業大学)
 曽根原 登(国立情報学研究所)

○17:15-17:30 閉会の挨拶


 
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特別講演「Beyond Web2.0」
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司会:土方 嘉徳 (大阪大学)
■企画趣旨
一昨年、「Web2.0」という言葉が各種メディアを騒がせた。具体的な定義は結局定めることができずであったが、ブログに代表される情報発信媒体、 SNSに代表されるコミュニケーション媒体、集合知に代表される知識の集積媒体、そしてロングテールに代表されるマーケティング戦略の変化などの、多くの人々が参加することによって起こった現象は、学術的にも注目に値したと言える。一方、5年以上も前から期待されているセマンティックWebはやや足踏み感が漂い、検索技術に関してもリンク解析以降の劇的な発展は見られない。本特別講演では、「Web2.0」で起きた変革と、これら期待される基幹技術との関係を見直し、Webの研究分野を代表する若手の研究者に、今後のWeb環境をどう切り拓くかについて議論を行ってもらう。


「ユーザの手による検索ランキング」
" Ranking search results based on user behaviors" 中村 聡史 氏(京都大学)

近年、ウェブ検索エンジンが爆発的に利用されるようになってきている。しかし、SEO技術の乱用や自動生成されるウェブコンテンツの氾濫などにより、ウェブ検索エンジンが返す検索結果の信頼性が揺らぎつつある。そこで本発表では、こうした問題を解決する手段として、ユーザの検索結果に対する直接的な働きかけに基づくランキング手法と、ソーシャルブックマークなどのような膨大なユーザによるウェブコンテンツへの評価を基にしたランキング手法について紹介する。また、今後のウェブ検索に関する議論を行う。

「自己組織化するウェブ」
大向 一輝 氏(国立情報学研究所)

セマンティックウェブの目的であるウェブ情報の組織化は、厳密かつ難解であるがゆえにユーザにとって受け入れがたいものになる可能性がある。他方、近年のユーザ参加型ウェブサービスの発展は、コンテンツの爆発的な増加をもたらしたが、これを組織化するにあたってもユーザの力を借りることで一定の成功を収めている。今後、ウェブ情報の組織化をさらに進めていくためには、2つのアプローチを融合させることが必要であると思われる。そこで、本発表では、ユーザ参加型ウェブサービスの現状とライトウェイト・セマンティックウェブと呼ばれる技術について概説し、今後のウェブ環境に関する議論を行う。

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特別企画「サービスの時代におけるWeb研究」
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企画・司会:杉原 太郎 氏(北陸先端科学技術大学院大学)

概要:
本企画では、インテリジェンス分野の研究者とインタラクション分野の研究者が「サービス」を軸に議論をすることで、お互いの分野への理解を深め、Webの将来像を模索することを目指す。WI2研究会では、インテリジェンスとインタラクションの2つの柱があるにもかかわらず、主として取り上げられてきたのはインテリジェンス側の研究であった。技術発展への貢献という観点からはこの分野の発表が多いのは当然と言えよう。一方で、Webはサービスを提供するためのインフラと認識される(サービスサイエンス)時代に突入しており、インタラクション研究の重要性は、今後より高まっていくと考えられる。今後のWebの研究の将来像を両者の立場から検討し、今後への示唆を得ることを目指す。
→パネル討論トランススクリプト



パネリスト:
・インテリジェンス側:
  - 桝井 文人 氏(三重大学)
 - 波多野 賢治 氏(同志社大学)
・インタラクション側:
  - 中村 聡史 氏(京都大学)
 - 大坪 五郎 氏(デンソーITラボラトリ)
 
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質疑応答議事録
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■平成20年3月22日(土)
○10:05-12:05 セッション1:Webと実社会I(ロング発表)
座長:庄司 裕子(中央大学) 副座長:河合 由起子(京都産業大学)

オンラインコミュニティにおける制度設計に関する一考察
 ○山田 和明(東京大学大学院情報学環),中小路 久美代,山本 恭裕(東京大学先端科学技術研究センター)
概要
本稿では,オンラインコミュニティの制度設計によりコミュニティメンバーの挙動 がどのように変化するかを検証するために,マルチエージェントシミュレーション を用いた検証方法を提案する.オンラインコミュニティでは,メンバーが提供した 知識はリポジトリに蓄積され,メンバー間で共有される.多くのメンバーが知識を 提供すれば,個々のメンバーがコミュニティから得られる利得は増大する.そのた め,メンバーがコミュニティに貢献するインセンティブを高くするように制度設計 を行う必要がある.そこで,本研究では,マルチエージェントシステムを用いて制 度設計を検証するにあたりオンラインコミュニティのモデル化を行う.
Keywords: オンラインコミュニティ,制度設計,マルチエージェントシミュレーション

質疑応答議事録
多くの質問は「提案されているモデルが実際のオンラインコミュニティ(OC)に適 用できるか」といったものであった.「実際のOCを分析して問題に即したモデル を作ると良いのでは」,「現実世界のOCは複雑なのでどのように単純化し従来の マルチエージェントシュミレーションを用いるのか」といったコメントや質疑があ った.これらに対して,本研究は「質をどれだけあげるか」といったところではな く「人やコンテンツの増減を評価することでコミュニティを活性化する」ことが目 的なため,まずは単純なモデルで調査する予定でる,という主旨の回答であった. また,「不正ユーザに対するモデル化」は考えておらず,これに関しても現在は OCに貢献するにはどうしたらよいかという観点でのシミュレーション調査を予定 しているということであった.
情報リテラシーによる探索行動分類
 ○隅田 章広(京都大学経済学部),原 良憲(京都大学経営管理大学院)
概要
本稿では,Web検索時における,個人的な情報利用格差,つまり情報リテラシーの 差異に対する調査と分析結果を報告する.情報爆発とよばれる現代,膨大な量の情 報が入手可能となったが,情報取得活用時においては,情報リテラシーの格差が存 在している.その格差状況を把握するため,「情報リテラシー検定」と称する調査 を行い,実際の情報探索行動におけるリテラシーの差異について調べた.本稿で は,情報取得時の情報リテラシーを,3つのバリュープロポジション,「正しさ」 「早さ」「広さ」によって定義した.それらの測定により,個々の属性と情報探索 能力の関係,情報リテラシーのパフォーマンスとポテンシャル測定結果が4層程度 のグループに分類できることを報告し,情報リテラシー向上のための方法論を検討 する.
Keywords: 情報利用格差,情報リテラシー,情報爆発,情報探索能力,パフォーマンス,ポテンシャル

質疑応答議事録
主な質問は「事前知識」に関するもので,「事前知識に関して調査はしているか?」 といった質問に対しては「PCの利用環境や使用期間といった程度なので,もっと 詳細な背景に関しては今後調査予定である」ということであった.また,「実験中 に学習する人もいるので,個人の学習能力に関しても調査してはどうか」といった コメントに関しては「是非したいことで,教育論といった人材育成にもつなげてい きたい」という回答であった.さらに,「活用能力とリテラシの関係は独立的なも のでは?」という質問に関しては,「情報を取得して活用するまでの課程は段階的 に異なるので,活用能力とリテラシの関係も今後考察する予定である」という回答 であった.
閲覧履歴とリンク情報を用いた検索システムの情報推薦に関する検討
 ○辻 靖彦,森本 容介,小林 亜樹((独)メディア教育開発センター 研究開発部)
概要
本研究は,(独)メディア教育開発センターが開発・運用する能力開発学習ゲートウ ェイNIME-gladにおいて,情報推薦を実現することを目的としている.NIME-gladで は,LOMを用いた学習コンテンツの検索を提供している.実コンテンツ表示やメタ データ表示のある検索インタフェースにおける検索のモデル化を行い,Webアクセ スログを対象として協調フィルタリングによる適用可能性を検討した.単純なアイ テムベースの共起手法に加え,被覆率の向上を企図して,アイテム間のリンク構造 を考慮して推薦候補を加えた場合の評価を行った.
Keywords: 情報推薦,情報検索,閲覧履歴,ログ分析,Web Graph

質疑応答議事録
「特定個人に向けての推薦か?大勢のユーザに向けての推薦か?」という質問に対 しては,「個々のユーザに対して推薦することを目的としている.16万件中4万件し かアクセスされていないので,推薦精度を高めたい.」という回答があり,それに 対して「IDと時間を記録していれば,それらを使って,ユーザごとにカテゴリを 分けてはどうか?」と質問があった.回答では「ユーザ識別(ID)がないが,今回 は60分の間のIPアドレスで個別化は可能である.」とあった.さらに,「協調フ ィルタリングではユーザとアイテム(教材)でマトリックスを作っている」が,「ア イテム(セッション)数が少ない(大体3個程度)ので,セッションをまとめて,ユーザ ごとに見たアイテムを増やして協調フィルタリングしたらどうか?」というコメン トがあり,今後検討するという回答であった.
対話型遺伝的アルゴリズムによるユーザの嗜好に基づいた商品選択支援
 ○伊藤 冬子,山川 望(同志社大学大学院工学研究科),廣安 知之,三木 光範,佐々木 康成(同志社大学工学部)
概要
オンラインショッピングの普及に伴い,ユーザの商品選択の効率化 を支援する商品 推薦について数多くの研究が行われている.本研究では,人間の主観的評価に基づ いて数式化できない好みなどの最適化を行う対話型遺伝的アルゴリズム (interactive Genetic Algorithm: iGA)を用いることでユーザの嗜好に基づいた効 率的な商品提示を行う.商品提示にiGAを用いる場合,評価操作の繰り返しによって 生じるユーザの負担,および嗜好の多峰性を考慮する必要がある.本研究ではこれ らを解決するために,個体の選択操作に基づいた評価方法,およびクラスタリング を用いた個体生成方法を提案する.実際にTシャツを対象商品として実験を行い, 提案手法の有効性を検証した.
Keywords: 対話型遺伝的アルゴリズム,商品選択,嗜好,インタフェース,評価方法,クラスタリング,個体生成

質疑応答議事録
「Tシャツを選ぶのを繰返していくうちにユーザの嗜好が変わる場合はどうなるか」 という質問に対して「突然変異のパラメータを導入することで多峰性を考慮してお り,また,極所解も考慮している」という回答であった.この回答に対して「突然 変異ではかなり異なった解が出てくるのでは?」という質問があり「設計変数間で 依存関係があるため,その依存関係を考慮した設計を今後取組み対処する」という 主旨の回答があった.また,「属性が襟と色の推薦をしているが,20個提示される と例えば3回同じことを繰返しても同じ結果にはならず,客観性がなくなってしまう ので,ユーザに属性を選ばせて属性を減らすか,提示する個数を減らすと良いので は」というコメントがあった.他にも「セレクトボタンが大きくて商品が隠れる点 の改良」や「Tシャツをデザイン(生産)するアプリケーションでも良いのではない か」,「戻るという仕組みの導入も希望」といった多くのコメントがあった.
■ 2008年3月23日(日)
○09:30-11:00 セッション2:情報抽出I(ロング発表)
座長:坂本 比呂志 (九州工業大学) 副座長:高間 康史(首都大学東京)

Kullback-Leibler情報量を用いたHow型質問応答システムの解答抽出手法
 ○川村 正幸,湯川 高志(長岡技術科学大学)
概要
従来のfactoid型質問応答システムは,固有名詞や名詞句を解答として出力するシ ステムであり,それを構成する要素技術の多くは,解決法を検索することができ ないため,行動表現を解答とするHow型質問応答システムへの適用は困難である. そこで,How型質問応答システムを実現するには,それに適した新たな要素技術を 確立する必要がある.解決法を提示している文の形式に着目すると,解決法につ いて提示している文は,文脈または動詞句に特徴があると推察できることから, 文の特徴を基に判断する指標として,Kullback-Leibler情報量を利用して解答文 (らしい)ものを検索する手法を提案した.性能評価の結果,解答検索に解答文 の文型に着目し,解答らしさを判断するK-L情報量を用いた提案手法はHow型質問 応答システムの要素技術として,有効であるといえることが確認できた.
Keywords: How型,質問応答,解答抽出,Kullback-Leibler情報量,メーリングリスト

質疑応答議事録
聴講者より,Kullback-Leibler情報量を用いることにより性能が向上する理由に ついて質問があった.これに対し発表者より,How型の質問応答ではfactoid型の ような単語頻度に基づく手法は適用困難であるため文単位でマッチングを行う必 要があり,上記情報量は各語の分布を扱える利点があるとの回答があった.また, 今回の発表で対象としたLinuxのMLは比較的きれいな文で書かれていると思われる が,掲示板などを対象としても同様の精度が期待できるかとの質問に対しては, 質問記事数が少ないと有効ではないとの回答があった.評価実験で用いた質問の中 で,提案手法が特に有効に働いたものは,との質問に対しては,「Sambaが動作し ない」などの特定的な質問では有効であるが,「ネットワークにつながらない」な どの限定的でない質問では精度が低下するとの回答があった.同義語の扱いについ ても質問があり,この点については今後の検討課題である旨回答があった.最後に, 単語の並びが近いものと照合したいという目的の中で,手軽でそこそこ精度が出る 方法として本手法を提案したとの説明があった.
ネットワークデータからのコミュニティ抽出手法の特徴比較
 ○竹市 浩司,村田 剛志(東京工業大学 大学院情報理工学研究科計算工学専攻)
概要
Webのハイパーリンクによるネットワークなど多様なネットワーク構造が増えて きている.ネットワークの密な部分を探し出す手法としてコミュニティ抽出があ る.現在多数のコミュニティ抽出手法が提案されているが,それらの特徴の違い などの考察は十分とは言えない.本稿ではランダムネットワーク,スケールフ リーネットワークなどの性質の異なるネットワークを対象としてコミュニティ抽 出を行い,各手法の特徴比較を行った.その結果,ネットワークの特徴に応じた 適切なコミュニティ抽出手法の選択を支援することが可能となった.また,モ ジュラリティが高い部分ネットワークを抽出するという観点だけではなく,コ ミュニティの数など他の観点を重視した手法の選択も可能となった.
Keywords: コミュニティ抽出,モジュラリティ,スケールフリー,スモールワールド

質疑応答議事録
聴講者より,ネットワークの特徴からではなく,コミュニティ数に基づいて抽出 手法の選択を行うのか,との質問があり,発表者より,現状はそうなっているが, 今後はネットワークの特徴やコミュニティの性質によって手法を選択することを 検討したいとの回答があった.また,人工データを対象として,モジュラリティ に基づき手法の比較をしている点にについて,ランダムに生成したネットワーク からコミュニティを抽出する意義は低いのではないか,モジュラリティで評価す ることの妥当性は,実世界のネットワークとの対応は,などの質問があった.こ の点に関しては,モジュラリティは一般的に用いられている指標であること,実 際のデータだと,特性を様々に変化させ,いろいろなデータで実験を行うことが 困難であるため,今回は人工データを用いて実験を行ったなどの回答があった.
メールから抽出されるコンテキスト情報を利用した人材検索の検討
 ○イコ プラムディオノ,佐藤 宏之,大友 健治,村山 隆彦(日本電信電話株式会社 NTT情報流通プラットフォーム研究所)
概要
メールは組織内の主なコミュニケーション手段になっており,その中にソーシャ ルリンク情報とその間に交わす話題等のコンテキスト情報が含まれている.その ため,ある話題に詳しい人を探す人材検索において,メールは有力な情報源にな りうる.本研究では,プライバシーを考慮しながら,メールから重要なコンテキ スト情報をRDFとして抽出した後,RDFグラフから様々な特徴的なパターンを解析 するiMageエンジンを用いた人材検索システムを提案する.実メーリングリスト を抽象化したデータを用いた評価を行い,その有効性が確認された.
Keywords: メール,コンテキスト抽出,検索,ナレッジマネジメント

質疑応答議事録
聴講者より,プライバシー保護の仕方について質問があり,発表者より,データ 解析者にはプライバシー情報を渡さず,データ所有者のみが全て情報を保持する との回答があった.また,メールのスレッド構造は利用しているのかとの質問に ついては,利用しているとの回答があり,詳細な説明があった.質問ばかりして いる人も有識者として認識されてしまう危険性があるのでは,という質問に対し ては,現在は対策を考慮していないとの回答があった.一般的なプライバシー保 護データマイニングの様に,データを全て暗号化して処理できないかとの質問に ついては,データ解析結果がデータ所有者に戻されたときに可逆でなくてはなら ないため,データにノイズを加えるような一般的手法は利用できないとの回答が あった.短いが的確な回答を1回だけ返したような人を正しく評価できるか,と の質問に対しては,重要ワードの設定で対応可能であると考えるとの回答があっ た.また,人材を見つけるために,メール以外のリソースも必要では,との質問 に対しては,将来的にいろいろな情報・手法を組み合わせる必要があるとの回答 があった.
○11:00-12:00 セッション3:Webと実社会II(ショート発表)
座長:山田 和明(東京大学) 副座長:土方 嘉徳(大阪大学)

応用独立なソーシャルコンテキストサービスの検討-SNSからSCS分離の試み-
 ○品川 徳秀(東京農工大学 工学府 情報工学専攻)
概要

SNS は広範に利用されるようになったが,データ公開や API 公開,マッシュアッ プ容易性といった点で課題が残されている.特に,ユーザ,社交関係データ,コ ンテンツが,特定のサービスに囲い込まれ,ユーザの選択肢が狭められているこ と,ソーシャルグラフ管理とソーシャルアプリケーションが密に一体化されてい ることは,今後のソーシャルウェブを実現していく上で問題となると思われる. 本研究では,ソーシャルウェブの実現に向け,以上の問題点を解消すべくアーキ テクチャレベルでの検討を行なっている.本稿では,現在の SNS の問題点を整 理し,基本アーキテクチャと,その基盤環境を提供するソーシャルコンテキスト サービス,データモデルの提案および機能分析を行なう.
Keywords: ソーシャルウェブ, アーキテクチャ, ソーシャルグラフ, API, SNS

質疑応答議事録
会場からは,まずサービス提供者側に利点があるのかどうかについて質問があった. SNSをサービスとして提供しビジネスとして成り立っているのは,そのサービスが 快適に保守・管理されていることも一因と言える.このようなプラットフォームが できると,保守・管理による快適性の価値が,サービス提供者側から失われてしま い,ビジネスとして成り立たなくなる可能性があるということである.これに対し て発表者からは,サービスで提供する機能の拡大ができる可能性について回答があ った.現在SNSは大手から小規模のものまで乱立状態にある.このようなプラット フォームが提供されれば,従来の独立性を保持したまま,データの集約も可能であ る.そうすればユーザを集めることができ,ユーザ間のアクティビティなどの情報 を使って,広告提供などの新しいサービスを行うこともできるという回答であった. また,実際にネットサービスのビジネスに携わってきた参加者からも,システムと サービスを分離してしまうことは,サービス提供者側に利益をもたらさないとの指 摘があった.これに対し発表者は,システムとサービスを完全に分離するのが良い のかは,考慮の余地はある.しかし,現在のサービス状況やビジネスモデルが続く かどうかもわからないため,このような分離方式も検討しておく方が,良いと言う 回答があった.
観光地情報の共有による観光計画支援システムの試作
 ○小林 祐悟,石川 正敏,中川 正樹(東京農工大学 工学府 情報コミュニケーション工学科)
概要

本稿では,情報共有技術による観光計画作成支援システムについて述べる.本シ ステムのユーザは,携帯端末からWebアプリケーションを介して旅行計画の作成・ 編集・閲覧・を行うことができる.同時に,他のユーザがPCを用いて入力した観 光地の情報を参照することが可能である.観光計画を本システムで公開すること によって他の旅行者から助けを得ることができる.評価実験では,本システムが 旅行計画の作成・編集に役立つという意見が得られた.今後の課題として,携帯 端末の小型画面におけるユーザインタフェースの改善,新たな機能の追加が挙げ られる.
Keywords: 観光 共有 GIS Webアプリケーション

質疑応答議事録
まず会場からはコメントとして,本研究は観光地の情報獲得支援と,計画した旅行 が実行可能かの判断支援の両方を提供するシステムを提案するとあるが,実際には 旅行の計画段階に対するソリューションに見えるとの指摘があった.旅行の実行中 の問題や例外(渋滞,バスに乗り遅れる,店が休みであったなど)に対するソリュー ションの方向性もありえる.現地の情報もリアルタイムに取り入れたシステムの提 供はありがたいとの指摘であった.また,旅行者としての視点で評価しているが, 旅行会社側の視点での評価も必要であるとの指摘があった. また,旅行者には費用の問題(予算は5万円までなど)もあるが,費用も考慮して, 旅程をアレンジしてくれると助かるとの指摘があった.これに対しては,発表者か らは今後,取り組んでいきたいとの回答があった.また,ブログなどで調べる人も 多いと思うが,ブログの活用は考えなかったのか?という質問があった.これに対 しては,今は明示的に入力してもらったクチコミを利用している(クチコミをシステ ムに入力してもらうことを前提としている)が,今後はブログの利用も検討してい きたいとの回答があった.また,明示的なクチコミを入れてもらうのは難しいので はないか?という質問もあったが,現在,クチコミを利用したサービスは広く利用 されており,ビジネスとして成り立つ可能性があるとの回答があった. またコメントとして,システムの評価において,単に被験者に良かったか悪かった かをアンケートで聞くのは,あまり意味がないのでは?という指摘があった.心理 学の分野では,新しいシステムに対しては,比較的ポジティブに評価することが明 らかになっており,もう少し客観的な評価軸があった方が良いとのことであった.
集合知を用いたeラーニングコンテンツの作成
 ○土橋 勇哉(東京農工大学 工学部 情報コミュニケーション工学科),塚原 渉,寺田 達也,品川 徳秀,中川 正樹(東京農工大学 工学府 情報工学専攻)
概要

ラーニングの欠点のひとつに,他の学習者との 関係性が意識されず,受講継続のモチベーション維持が困難になる点があげられ る.本研究では,この解決法として集合知を利用した学習コンテンツを提案し た.具体的には,正解した学習者が他の学習者のためにヒントを作成でき,閲覧 後評価や閲覧数の表示と,それに応じたヒント表示順の変更によって,作成者や 閲覧者が他者との関係性を意識できるようにした.この仕組みによって実際に有 用なヒントが作成され,モチベーション維持が支援されることを検証するため, 評価実験を行った.その結果,ヒント作成数の伸びと有用性評価の向上が確認さ れ,また自発的学習時間の増加が見られた.
Keywords: eラーニング,集合知

質疑応答議事録
会場からは,学習者がヒントを作成することになっているが,問題が解けるのと, ヒントを作るのは,要求される能力が違う点について指摘があった.ヒントを作成 する人は,答えは言ってはいけない.単に学習内容を理解する以上のスキルが必要 になるため,学習者が,本当に良いヒントを作成することができるのか疑問である. 特に対象としている中学生が,現在学習している内容についてヒントが書けるのか については疑問があるとのことであった.これに対する回答としては,はじめはう まく作れないかもしれないが,何度か同じ問題を解いていれば,可能になるのでは? とのことであった. またコメントとして,ナレッジの提供には,インセンティブを与える必要があるが, うまくヒントを作れるぐらいになるまで,使い続けてもらえるのか?という指摘が あった.学習者ではなく,別のコミュニティからヒントを集めた方が良いのでは? という指摘であった. また,他のコメントとして,この研究での実験は,模擬的なクラスで行っているが, 本物の授業で行っていないとの指摘があった.模擬的なクラスと本物の授業は,特 性がまったく異なる.本物の授業では,自分が単位をとることが重要(良い成績を とることが重要)なので,相当インセンティブを与えないと,他人にヒントを与え ないのでは?という指摘であった. 一方,別の参加者からは,学習塾でcollaborative learningで学習させたことがあ ったが,中学生でもお互い助け合うことはある.しかし,リアルな環境では,助け 合いはあるが,パソコン上ではなかなか起こりえないとの指摘があった.また,集 合知をどう位置づけるのか?正解が一意のものに対してよりは,環境問題のように, いろいろな回答が考えられるような教材の方が適しているのではないか?という指 摘もあった.助け合いが起こるには,問題が面白いことが重要で,数学の問題は適 さないのでは?とのことであった.
ペン・ペーパーデバイスによる手書きブログの試作
 ○白石 あゆみ(東京農工大学 工学部 情報コミュニケーション工学科),品川 徳秀(東京農工大学大学院 工学府),中川 正樹(東京農工大学 共生科学技術研究院)
概要

ブログは現在のWebでの情報発信の主要な手段の 一つとなっている.一般的な環境では,ブログに記事を投稿するためにキーボー ドで文字を入力するが,ここで人間にとって最も古く,身近な記録方法である手 書きをブログに導入する.手書き文字には書く人特有の癖があることから個性が 現れやすく,温かみも感じることができる.個性や温かみといった特徴は個人の 観点で記事が書かれることが一般的なブログというメディアに非常に良く調和す る可能性がある.本稿では,手書きを用いることによって個性が演出され,コン ピュータが使えない状況でもブログの記事を作成できるような執筆環境を提案 し,評価実験の結果を報告する.
Keywords: Web ブログ 手書き ペン・ペーパーデバイス

質疑応答議事録
会場からは,本文が検索にひっかからなくなるという心配が指摘されたが,システ ムの裏では本文もテキスト化しているとの回答であった.そのテキスト化にはOCR を使っているのか?という質問もあったが,デジタルペンのデータを文字認識する ソフトを当研究室で開発しているとの回答であった.また,シニア向けに提供する と面白い,シニアには文字入力のバリアが非常に高いとの指摘があった.また,実 験で手書き部分とテキスト入力をミックスしたいという意見はなかったか?という 質問があったが,現在,そのような機能も構築しているとの回答であった.また, 文字認識の性能に関する質問もあった.回答としては,行書のようなものになると, 誤認識の可能性はあるが,業界では最高の性能を持っているとのことであった.
○14:35-15:30 セッション4:情報抽出II(ショート発表)
座長:波多野 賢治(同志社大学) 副座長:大塚 真吾(東京大学)

Web情報検索へのレイアウト情報適用の有効性検証
 ○橋村 雄介(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科),辰巳 勇臣,旭 敏之(NEC 共通基盤ソフトウェア研究所)
概要
多様なコンテンツを含むWebページに対して,Webページをブロックに分割し,ブ ロック単位で検索する手法が提案されている.しかし,これらのスコア算出法は 検索語句のページ内出現頻度のみに基づいており,利用者の情報要求を満たすブ ロックに高いスコアを与えることが難しく,適切な検索結果が得られない場合が ある.そこで本研究では,利用者によるブロックの適合性判定に見合った判定を, ブロックのレイアウトに関する情報を考慮することで行うことが可能か検証する. ブロックの適合性判定にレイアウト情報を考慮することについての調査実験を行 った結果,レイアウト情報を考慮しない場合に比べ,より正確に判定可能である ことを確認できた.
Keywords: Web情報検索,Webページ分割,レイアウト解析,ブロック単位検索

質疑応答議事録
希望せず.
メジャー意見・マイナー意見の抽出システムの提案
 ○備瀬 竜馬,田村 直之,笠原 博和,二本木 智洋,森本 光昭,高田 政樹,中川 修(大日本印刷株式会社 情報コミュニケーション研究開発センター)
概要
本稿では,Positve,Negativeや属性に対して,ユーザが興味ある情報を自由に選 択し,ユーザがより具体的に知りたい情報に関しての多数派意見をメジャー意見 として提示し,少数派意見の中でも特にユーザが重要であると考えるであろう意 見をマイナー意見として提示するシステムを提案する.
Keywords: 意見分析,テキストマイニング,ブログ解析,インタラクティブシステム

質疑応答議事録
希望せず.
実世界センシングのためのblog記事の解析
 ○山田 剛一(東京電機大学/JST-CREST),圓戸 辰郎(フィックスターズ/JST-CREST),小林 聡,絹川 博之(東京電機大学),田村 陽介(フィックスターズ/JST-CREST)
概要
Webには実世界の情報があふれている.blogやSNSの普及により日記を書く人の数 が爆発的に増加し,世界中の多くの人々が,日々,その日見たもの感じたものを 言葉として表現している.それは人間という知的なセンサが認識・解釈した結果 であり,Webカメラのような単純な物理デバイスから得られる情報よりも,はる かに抽象度の高い情報となっている.本研究では,Webから日々更新されるこれ らの情報を収集することにより,大規模な実世界センシングの実現を目指してい る.本稿では,blog記事における実世界情報の性質を分析し,blog記事が実体験 に基づいて記述されているのかを判定する手法について述べる.
Keywords: 実世界センシング, blog, blog記事解析, Web解析

質疑応答議事録
希望せず.
リンク共起情報を用いたナノテク関連学術ウェブページ群の解析
 ○岡田 幸治(九州大学大学院 数理学府),溝口 佳寛(九州大学大学院 数理学研究院),廣川 佐千男(九州大学 情報基盤研究開発センター)
概要
Web空間の理解と活用のために,オーソリティとハブを求めるアルゴリズムやペ ージランクそしてWebコミュニティ発見など,リンク構造解析についての多くの 研究がなされてきた.本稿では,一つのコミュニティ内部の階層構造を解析する 新な手法を提案し,学術関連Web ページ群の解析を行った.従来の解析では, Webページを節,リンクを有向枝としている.本稿では,概念グラフの考え方を 取り入れ,1つのドメインを節とし,ドメインへのリンクの共起情報による擬順 序関係を枝とする有向グラフにより定式化する.通常,検索エンジンの検索結果 はランキングにより表示されるので,そのコミュニティに属するドメインの関係 が単純であれば,この擬順序関係は全順序,すなわち線形になる.ナノテクの代 表的キーワードで求まる学術ページ群を対象として,そのWebコミュニティの線 形度を調査した.
Keywords: ウェブグラフ,概念グラフ,リンク共起情報,ナノテク,線形度

質疑応答議事録
聴講者から面白そうな研究だと思います.グラフを見た人間がどう解釈するのか? という質問があり,発表者からそれが一番難しい点だと思う.距離についてはグラ フには出ておらず,矢印という表現も悪いのかもしれないという回答があった. この回答に対して,研究者の人間関係をWeb上から切り出す研究もあるが,その研究 もどうしたらいいのか困っている.面白いが論文になり難い研究なので,その点を どうしたら良いか考えた方がよい.グラフ化の技術は結構やられているので,それ を参考にしたらどうか?などのコメントがなされた. 他の聴講者から,リンク元のページの判定はどうしているのか?という質問があり, 発表者から対象とするものは予め絞っているので大学の場合は大学のドメインのみ で判別しているという回答がなされた.
○15:45-17:15 セッション5:Webインタラクション(ロング発表)
座長:松下 光範(NTT) 副座長:井口 誠(フランステレコム)

階層メニューの最適化手法の提案
 ○松井 正一(電力中央研究所 システム技術研究所),山田 誠二(国立情報学研究所)
概要
階層型メニューは様々なアプリケーションのユーザインタフェースとして広く使 われている.この設計においては,メニュー項目の選択に要する手間を軽減する ことが重要である.選択の手間はメニューの構造,レイアウト,色などの様々な 要因で決まる.手間を軽減するための新しいメニュー方式についての研究は多く なされてきたが,構造を変更する観点からの研究は少ない.本報告では,遺伝的 アルゴリズム(GA: Genetic Algorithm)を用いて選択の手間を軽減するメニュー を自動的に設計する手法を提案する.また,携帯電話を例に提案手法の有効性を 示す.
Keywords: 階層メニュー,最適化,遺伝的アルゴリズム,ユーザインタフェース,携帯電話

質疑応答議事録
会場より,使用頻度が高いメニューはショートカットに登録すればよいのではない かとの指摘があり,発表者より確かにショートカットへの登録は有効な手段だが 登録メニューの数を抑える必要があるとの回答がなされた.また階層メニューの リーフに冗長性を持たせることで携帯操作のバックトレースを防ぐことができる のではないかとのコメントがあり,発表者より確かに一連の作業を最適化する手段 として有効であるとの見解が示された(ただし今回は,このようなまとまった操作 の最適化は対象外) 同階層に並ぶメニューの配置ルールについての問いに対しては,番号ショートカット を考慮した配置を採用しているとの回答がなされた.また,ある程度携帯を使いこな したユーザを想定しており,実験結果における時間測定はある程度メニューに習熟 した段階における結果であるとのこと説明がなされた. そのほか,会場より,普段使用しない機能を素早く発見できるような一貫性のある メニュー階層構成(e.g., 「メールの設定」はメールメニュー群に,「Web関連の設定」は Webメニュー群にまとめる等)を採用することも重要なのではないか,というコメントがあった.
PC 操作情報を用いたウェブ行動履歴表示UIの開発
 ○金澤 功尚,高橋 時市郎(東京電機大学大学院 工学研究科),田中 明通,森田 哲之,内山 匡(日本電信電話株式会社 NTTサイバーソリューション研究所)
概要
日々のウェブ閲覧において,過去に閲覧したウェブページにも関わらず,再び閲 覧することが出来ないということはしばしばある.本稿では閲覧体験を想起させ ることを目的とし,長期間にわたる閲覧履歴を自動的に要約,提示するための ユーザインタフェース(UI)について述べる.本UIでは,閲覧履歴を時刻,ウェブ ページの内容,URL,表示ウィンドウという複数の観点から組織化し,キーワー ドクラウド,ガントチャートを用いたインタフェースにより提示する点を特徴と する.さらに,要約の粒度を調整する機能等の表示調整機能を持つ.最後に,筆 者が本UIを実装したシステムを使用し,得られた知見について述べる.
Keywords: 閲覧履歴, 文書クラスタリング, ユーザインターフェース

質疑応答議事録
会場より,情報想起支援ツールが最終目標なのであれば,ユーザにもっと長い時間 システムを利用した後に評価を実施すべきなのではないかとの指摘があった.また, ウェブページのクラスタリングに対する評価についても,閲覧直後に評価を行うので はなく,ある程度閲覧から時間が経過した後に評価を行うべきなのではないかとの 指摘があった. さらに,この段階で,いったんウェブページ閲覧を振り返ることの意味と意義を 見直し,研究全体としての方向性を再確認することで,どのようなウェブページを クラスタ化するべきなのか,どのような気づきをユーザに与えることができるのか, どのようなシステム利用シナリオがあり得るのか,そしてどのようなUIを設計する 必要があるのか,などの点がより明確になるのではないか,とのコメントが寄せられた.
書き換わるコンテンツを意識したナビゲーションを支援するRSSブラウザ
 ○高橋 庸介,佐々木 祥,宮田 高道(東京工業大学),小林 亜樹(メディア教育開発センター),山岡 克式(東京工業大学),曽根原 登(国立情報学研究所)
概要
Web上の関係するコンテンツは個々の情報だけでなく,相互に意味を補完する ことで全体として有用な情報を持つことが多い.本稿ではこのようなコンテン ツ群をWeb文脈と定義し,ユーザによるWeb文脈の収集を支援するRSSブラウザ を提案する.RSSブラウザではWeb文脈をリンク及びサイトの関係によって連結 されたコンテンツ群として近似的に求め,ユーザはその関係を辿るようにWeb 文脈の収集範囲を広げていく.RSSブラウザはこの範囲に含まれたコンテンツ のRSSフィードを取得し,コンテンツ間の関係に基づいた木構造で表示するこ とで,Web文脈の全体像と個々のコンテンツの概要を同時に把握できる.本稿 ではRSSブラウザの機能要件定義,インタフェースの提案,並びに試作システ ムの実装と効果の検証を行う.
Keywords: Web文脈,RSSブラウザ,RSS,CWA

質疑応答議事録
会場より,階層表示されたWeb文脈をユーザがたどるメリットについて質問が あり,例えばWikipediaを不明な単語を調べながら読む際などに有効なのでは ないかとの見解が発表者より示された.また,リンクがループしている場合 における対応について質問があり,現状そのまま表示をする仕様であることと, 例えばループしている箇所に色をつけるなどの対応策が考えられるとの回答が なされた.不適切な更新と正常な更新の判別方法に関する質問に対しては, システムとして「不適切な更新である可能性がある」事実までしか判別でき ないとの回答がなされた.この点に関して,会場より,全体的には正常な更新 が大半であるはずなので,疑わしい更新をすべて不適切なものとみなすのは 問題なのではないかとの指摘がなされた.

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