思考と言語とは

 思考と言語研究会では、主として人間の知能の根幹に深く関わる思考と言語の本質や、人間自身によるそれらの運用のあり方を探究します。さらに、それにより得られる知見を生かすような、教育・福祉への応用や工学的応用も目指します。

 そもそも言語は、思考のための道具であると共に意思疎通のための道具でもあり、さらには知識を共有するための手段でもあります。また思考は、個体内における論理的計算にとどまらず、他者の思考過程の理解・推察等をも含む幅広い処理過程です。

 このように両者は人間の知能の解明のためには極めて重要なものですが、その本質は未だ十分に解明されていません。この原因の一つとして、思考も言語も人間の脳の情報処理過程における産物であり、両者は相互に密接不可分に関連しあっているにも関わらず、従来、個別に研究される傾向があったことが挙げられます。

 以上のような状況に鑑み、本研究会では基礎的・学際的な立場に立脚し、思考と言語の本質に関わる先端的・先駆的さらには萌芽的研究成果を発表・討論する場を提供し、この分野の格段の発展を図ることを第一の目的としています。
本研究会の活動を通じて、人間の脳の機能や仕組みが解明され、人間の知的能力を伸ばし、かつ十分に発揮させるような、人間・機械共生系等が実現されることを望みます。



取り扱う主要研究分野:

  • 思考と言語の心的過程の解明
  • 思考と言語を司る脳機能の解明
  • 円滑なコミュニケーションを支える言語的・非言語的機能の解明
  • 思考と言語の処理過程のシステム的解明
  • 以上を解明するための、思考と言語に関係する、学習・発達過程、障害・加齢現象、リハビリ・癒し・教育効果、その他様々な活動の観測・分析・定式化・モデル化・考察
  • 上記の知見に基づく言語処理システム・情報検索システム・思考支援システム等


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