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日本音響学会 聴覚研究会 共催研究会 開催案内 |
■プログラム■ 午前:聴覚・音声、発声 9:30-11:30 1.1-core-5-rings scheme of auditory cortex ○小崎寛子(国立印刷局) The cytoarchitecture of the rhesus monkey・s auditory cortex was examined using immunocytochemical staining with parvalbumin, calbindin-D28K, and SMI32, as well as staining for cytochrome oxidase (CO). The results suggest that Kaas and Hackett・s scheme of the auditory cortices can be extended to include five concentric rings surrounding an inner core. The inner core, containing areas A1 and R, is the most densely stained with parvalbumin and CO and can be separated on the basis of laminar patterns of SMI32 staining into lateral and medial subdivisions. From the inner core to the fifth (outermost) ring, parvalbumin staining gradually decreases and calbindin staining gradually increases. The first ring corresponds to Kaas and Hackett・s auditory belt, and the second, to their parabelt. SMI32 staining revealed a clear border between these two. Rings 2 through 5 extend laterally into the dorsal bank of the superior temporal sulcus. The results also suggest that the rostral tip of the outermost ring adjoins the rostroventral part of the insula (area Pro) and the temporal pole, while the caudal tip adjoins the ventral part of area 7a. キーワード:Auditory Cortex 2.日本語及び英語聴者間における、音声に同期した指運動のタイミングの比較検討 ○小島成実(東京都立大学大学院理学研究科、東京都老人総合研究所)、森 周司(首都大学東京 大学院理学研究科) 母語による聴覚認知の特異性が音声同期運動のタイミングに影響するか、日本語聴者と英語聴者で比較検討した。英単語音と人工音において、アクセントに力のピークを一致させる「指押し課題」を行なった結果、アクセントへの一致度、安定性に関しては差が見られなかったが、平均タイミングは、単語音において、英語聴者のほうが早い傾向があり、母語の違いが、言語音声に同期した運動のタイミングに影響している可能性が示唆された。 キーワード:言語リズム、母語聴者、音声同期運動 3.自然性の高い歌声合成のためのヴィブラート変調周波数の制御法の検討 ○齋藤 毅、鵜木 祐史、赤木 正人(北陸先端大・情報科学) 本報告では、自然性の高い歌声合成を目的とした、ヴィブラート変調周波数の制御法について検討した。様々な歌唱データの分析によって、ヴィブラート変調周波数の特性を分析し、更には特性の違いが歌声の自然性に与える影響を調査した。その結果、変調周波数がヴィブラート後半に向かって上昇する傾向が強い事が明らかとなった。また、その特性が、変調周波数が定常の場合に比べて、歌声合成音に高い自然性を与えることが明らかとなった。 キーワード: 歌声合成 自然性 ヴィブラート変調周波数 F0制御 4.乳児に対する歌唱音声の音響的特徴 ○梶川祥世(玉川大学)、井上純子(ピジョン(株)常総研究所)、佐藤久美子(玉川大学)、兼築清恵(玉川大学)、高岡明(玉川大学) 2曲の歌(「ゆりかごの歌」,「ぞうさん」)について,10-13ヶ月児の母親が乳児に対して歌いかけた場合と乳児不在で歌った場合とで,音響的特徴の比較を行った.対乳児では,乳児不在よりもテンポが遅くなるか変化しない傾向が全般にみられたが,ピッチの変化には個人差があった.特に「ぞうさん」のピッチ変化には,乳児のピッチ選好についての母親の予測との関連がみられた.テンポとピッチについて,乳児の在・不在の影響と母親による歌の解釈が異なる働きをすると考えられる. キーワード:乳児,子守歌,テンポ,ピッチ,選好 11:30-13:00 <昼食> 午後前半:感情音声・感情認知I 13:00-14:00 [招待講演]感情認知における視聴覚情報の統合と文化の影響 重野 純(青山学院大学) 日常生活においてはほとんどの場合、音声(聴覚)と表情(視覚)の両情報により話者の感情は伝えられ認知が行われる。一方、感情の認知や表出には文化による差異のあることも認められている。本講演では音声と表情の間で矛盾した感情が表出される場合を中心にして、感情認知において音声はどのような役割を果たすのか、また話者との文化的背景の同・異により認知はどのような影響を受けるのか等についての実験結果を紹介する。 キーワード: 感情音声、表情、視聴覚情報の統合、文化 14:00-15:00 5.表情と感情音声の知覚 ○筧 一彦(中京大学情報科学部)、曽我部優子(理研脳科学研究センター)、河原英紀(和歌山大学システム工学部) 表情の感情知覚においては次元説とカテゴリー説という2つの考え方がある。直接的な表情知覚の実験ではカテゴリ―性を示す実験結果も発表されている(この結果が直ちに前者を否定するものではない)。しかし、感情音声についてはカテゴリカルであるかどうかについて必ずしも明確になっていない。本発表では、表情と感情音声の知覚に関する従来の研究を比較し、感情音声知覚の研究課題について議論する。 6.日本のアニメの音声に表された感情と性格−声のステレオタイプの音声学的研究− ○勅使河原三保子、伊藤克亘、武田一哉(名大情報科学) 本研究では日本のアニメにおける善玉と悪玉の音声の比較を行った。不快感情を表すことが多い悪玉の声は、不快感情が持つ音声的特徴を反映するという仮説が立てられ、Laverの声質記述の枠組みを用いた受聴による分析により、悪役の声には咽頭部分の狭窄または拡張が聴覚的に認められた。咽頭部分の狭窄やそれに伴う調音的特徴は、不快感情を表す音声に予測された特徴であった。日本語母語話者を対象とした知覚実験において、咽頭部分の形状について対比させた刺激音を用い、咽頭部分の形状が人物の印象(外見、性格、感情)を左右することが確認された。咽頭の狭窄および拡張を伴う話者は不快感情を抱いているという評価を受けた。 キーワード:アニメ、感情、声のステレオタイプ、声質 15:00-15:30 <休憩> 午後後半:感情音声・感情認知II、感情表現・分析、情動 15:30-17:00 7.抑揚からの感情認識の評価 光吉俊二(株式会社エイ・ジー・アイ)、○柴崎晃一(日本SGI株式会社) 複数の音声サンプルの波形よりF0、および抑揚から特徴量を抽出し、感情認識を行うロジックを作成した。複数の音声について、ロジックの認識と、複数の人間の主観評価を比較し、ロジックの評価を行った。結果として、59〜65%程度の認識率(人の主観との一致率)を達成していることを確認した。また、連続会話音声と分離発話音声による認識の違い、人間同士の主観のずれ、自然な会話の音声と演技感情音声との違いについての評価を行った。 キーワード:感情認識、主観評価 8.理由に着目した感情表現の分析 ○中山記男(総合研究大学院大学、国立情報学研究所)、神門典子(国立情報学研究所、総合研究大学院大学) 従来行われてきた主観表現の抽出では、主に主観表現とその主観の向けられる対象について分析が行われてきた。それに対して本研究では、Web上の書評に含まれている感情表現に着目し、その関連要素である主体、対象、理由をタグ付けすることで分析を行い、特に理由が重要であることを示した。作品検索に対する感情表現の利用、および感情表現の自動抽出に関して検討した。 キーワード: 感情表現、理由分析、情報抽出、情報検索、テキスト分類、主観情報 9.社会的意味の共生と情動表現ー自閉症の理解をめざして ○中村 俊(国立精神・神経センター)、小柴満美子(JST, CREST) 人間は社会的知性が高度に発達しており、社会的活動において言語的コミュニケーションが大きな役割を果たしている。このヒトに固有な行動の進化的起源の一つは、霊長類をはじめ、社会性動物の非言語的コミュニケーション能力にあると考えられる。我々は、音声的コミュニケーションがとくに発達している鳥類および霊長類をモデルに、群れの中から社会的意味が共生し、発達する過程を神経生物学的に研究している。ニワトリは昨年、ゲノムプロジェクトが終了し、約3万個の遺伝子が明らかにされた。また、古くから実験発生学的な研究が行われており、視覚的刷り込みをはじめ、行動学的な知見も蓄積している。したがって、これをモデルに、社会的コミュニケーションの発達に関与する環境因子、遺伝学的因子について統合的に解明することは、ヒトの言語的コミュニケーションの基盤を明らかにし、自閉症などに典型的な社会的コミュニケーション障害を理解する上で重要な意義をもっていると考えられる。我々のこれまでの神経行動学的研究成果について報告したい。 キーワード:社会性行動、コミュニケーション、情動、自閉症 |