最近の取り組み | 設立の背景と目的 | これまでの取り組み | 委員会構成 |
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last update: 2023-03-21
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ICT分野においては、通信機器、通信プロトコル、通信ネットワークの相互運用性、相互接続性の確保は、技術の普及を見据えた際に本質である。本来的に国 境を越える通信ネットワークとして普及してきたインタネットのみならず、経済のグローバル化が進展する中で、ICT分野の多方面の技術標準仕様を迅速かつ 戦略的に国際標準化することの重要性は増しており、必須とさえ言える。従来、国際標準化に関与してきた先進国だけでなく、技術的、経済的発展のめざましい 新興国も国際標準化の重要性を認識してきており、単なる経済的利益の追求ではなく、技術のより広い普及のためにも、その動向を把握し、積極的に情報を発信 していくことが重要である。
これまで、本邦におけるICT分野の国際標準化は、主に通信事業者、機器ベンダー、サービス業者等の技術担当者が担ってきた。しかし、最先端の技術研究成 果の反映のためには、ネットワークの高度化、先進化の進展に伴い、大学、研究機関からの新規技術の提案、標準化活動が必要になってきており、標準化機関の 側でも大学、研究機関へのアプローチを行ってきている。また、標準化人材の育成の意味からも、大学での人材教育も重要である。これらの活動には、個々の研 究機関等による取り組みだけでは十分とは言えず、関係者間の情報交換、交流を図る受け皿が必要となる。然るに最先端の研究を続ける研究者コミュニティであ る学会にこの役割を果たすところはなかった。
ICT分野における標準化自体は、本来、企業活動などの経済活動と一体のものであったが、今後、地球温暖化や地球規模の電力削減における役割、貢献など、 経済学分野に留まらない、社会との関わりも増してきている。そのため、広く社会学全般と連携した検討も一層重要性を増すものと考えられ、多角的な標準化戦 略の策定が求められている。
このような背景に鑑み、本時限研究専門委員会では、ICT技術者、標準化担当者のみならず社会経済学・経営学の研究者、技術政策担当者、標準化教育に携わ る者が一同に介してICT分野におけるイノベーションと標準化の理論・メカニズム、標準化の経済理論、ライセンシング、IPR 、標準化戦略、標準化教育などについてIT技術、社会・経済学、教育学等の多角的な視点から総合的に標準化戦略を議論する目的で設立する。