設立の目的

 

将来の広帯域ネットワークサービスに対応可能な高速大容量インターネットを実現する基盤として,フォトニックネットワークの重要性は既に広く周知されるまでになってきた.技術的にも,光技術を活用して,超高速フォトニックネットワークの構築ならびに光デバイスを含めたノード性能の抜本的な向上を目指した検討が活発に進められ,一定の成果が得られ始めている.

一方で,インターネットの進展に伴い,フォトニックネットワークに求められる機能は多様化してきている.高速・大容量化,安定かつ高信頼な運用,様々なサービス機能に対する柔軟性を実現するためには,デバイスレベルでのブレークスルーは必要不可欠である.このような光コンポーネント,光ノードシステムを含む各種要素技術の向上に加え,コントロールプレーン技術を用いて帯域や経路を自在に管理し,種々のサービスの提供を可能にする制御技術などが求められている.さらに,広域性・分散性などを活用する新しいサービス実現のためには,フォトニックネットワークはインターネットさらにはアプリケーションとも連携した上で,その果たすべき機能を担っていくことが重要になっている.


このような状況の下,将来の高速・広帯域フォトニックネットワーク構築に向けた光スイッチングに関する技術をシステム・デバイス両分野から活発に議論するために光スイッチング(PS)研究専門委員会が,また,インターネット技術とフォトニックネットワーク技術を有機的に結合することによってIPネットワークを構築する技術を議論するために,フォトニックネットワークをベースとするインターネット技術(PNI)研究専門委員会が,それぞれ国内外での継続的かつ精力的な研究活動を展開してきた.


 ネットワークの高速大容量化・高機能化が劇的に進展する現在,世界に対するフォトニックネットワーク技術のリーダーシップを確保するためには,このように相互に密接に関連した従来の個別の研究活動を統合・再編し,より強固なフォトニックネットワーク研究活動基盤を築く必要がある.そこで,新たにフォトニックネットワーク(Photonic Network : PN)研究専門委員会を設立し,光コンポーネント,光スイッチングシステム,光インターネットワーキング・光制御に関連するあらゆる分野の研究者がさらに密接かつ創造的な討論を行うことにより,フォトニックインターネット構築の実現化を目指した研究からフォトニックネットワークの将来像のあり方,極限的ポテンシャルの追求にいたるまで多面的な視点でフォトニックネットワークを創造することをめざす.


この分野では,新たな国際学会が始まるなど世界的にも研究が活発化している.本委員会では,日本での国際学会の開催,本学会大会,研究会,学会誌での様々な企画等により啓蒙活動を行い,この分野の発展を図る.これらの活動では,技術の議論に留まることなく,サービスやユーザのメリット,社会インパクトも考慮して議論を行える場を提供することを意識している.また,日本発の標準化活動の母体となることも視野に入れて活動を進める.