2017年10月研究会 アブストラクト

2017-10-26 : 09:40 - 11:00 座長: OCS 井上 崇 (産総研)

  1. 弱結合6モード多重直交振幅変調光信号に対するファイバカプラ型モード多重分離器の性能評価
    ○五十嵐浩司(阪大)・若山雄太・相馬大樹・釣谷剛宏(KDDI総合研究所)・Kyung Jun Park・Byoung Yoon Kim(KAIST)

    モード多重分離においてモード間結合が十分に抑圧された全ファイバカプラ型モード多重分離器を試作し、それを用いて弱結合6モード多重QAM光信号のビット誤り率特性を評価した。受信器側にフル12x12MIMOを用いれば、偏波多重QPSK・16QAM・64QAM光信号に対してもペナルティがなくモード多重分離が可能なことが占めされた。特に、偏波多重QPSK光信号に対しては、異種LPモード間のモード結合を補償しない2x2MIMOもしくは4x4MIMOを用いて良好なBER特性が得られることが示された。

  2. シリコン光回路との低損失結合に適した偏波保持型TECファイバ
    ○平川圭祐・小田拓弥・市井健太郎・愛川和彦(フジクラ)

    シリコンフォトニクスなどに代表される微小光導波路と光ファイバの結合において、モードフィールド径(MFD)の差に起因する光結合損失が課題の1つとなっている.我々はこれまで,MFDが4 umのスポットサイズコンバータを想定し,光ファイバのMFDを拡大して汎用シングルモードファイバのMFDに変換する熱拡散コア(Thermally-diffused Expanded Core;TEC)型の光ファイバの開発を進めてきた.本発表では,TECを適用したシングルモードファイバおよび偏波保持ファイバについて紹介する.

  3. III-V/SOIハイブリッドデバイスとSi導波路接続用テーパ型モード変換器構造の検討
    ○鈴木純一・永坂久美・モータズ エイッサ・立花文人・白 柳・御手洗拓矢・雨宮智宏・西山伸彦・荒井滋久(東工大)

    Si光回路上III-V/SOIハイブリッドアクティブデバイスの高効率化に向けて、ハイブリッドデバイスとSi細線導波路との高効率な結合は不可欠である。今回デバイスをつなぐテーパ型モード変換器の高効率化を目指し、構造設計検討を行ったのでご報告する。

2017-10-26 : 11:15 - 12:05 座長: LQE 下瀬 佳治 (アンリツ)

  1. 1550 nm帯量子ドットの混晶化と集積光デバイスへの応用
    ○松井信衞(早大)・松本 敦(NICT)・赤石陽太・伊澤昌平(早大)・赤羽浩一(NICT)・松島裕一・石川 浩・宇眈’掘柄畭隋

    広帯域の利得素子はWDM通信における重要な要素技術の一つである。一方で我々は小型で多機能な光素子実現に向けたモノリシック集積技術として、イオン注入と熱処理を用いた量子ドット混晶化(QDI)によるバンドギャップ制御を検討してきた。今回は我々のQDI技術を利得素子に適用することにより約190nm発振波長がシフトしたレーザ(QDI-LD)の作製に成功したので報告する。

  2. 中赤外波長帯発光・受光デバイスのためのIII-V族、IV族結晶成長技術
    ○荒井昌和・吉元圭太・山形勇也・藤原由生・高橋 翔(宮崎大)・藤澤 剛(北大)・前田幸治(宮崎大)

    波長2から5ミクロン帯の中赤外波長域は炭化水素や一酸化炭素、二酸化炭素など様々なガスの吸収線があり、光センシングのニーズが高い。また光通信の波長域拡大としての提案もある。本研究では有機金属気相成長法を用いて、InAs/GaAsSb格子整合Type-II超格子の結晶成長を行い、フォトルミネッセンス評価で良好な結晶性を確認している。電流注入デバイスや受光素子の取り組みについても報告を行う。またIV族系材料のGeSnとIII-V族の一括成長技術についても報告を行う。

2017-10-26 : 13:15 - 14:30 座長: OPE 中川 剛二 (富士通研)

  1. Tバンド及びOバンド用広帯域アレイ導波路回折格子ルータの研究
    ○鈴木昌樹・津田裕之(慶大)

    多段テーパ導波路を導入することにより、平坦な透過特性と低クロストーク特性を有するT及びOバンド通信用広帯域AWGを設計し、その評価を行った。

  2. 光スイッチ集積アレイ導波路回折格子を用いた外部共振器型波長可変レーザによる12.5Gbps、Tバンド光伝送
    ○奥野雄大・澁谷英希(慶大)・吉沢勝美(パイオニアマイクロテクノロジー)・友松泰則(光伸光学)・津田裕之(慶大)

    Tバンドにおけるデータセンタ用通信に向けて、光スイッチを集積したアレイ導波路回折格子と量子ドットゲインチップを用いて、高速に波長を切替えることのできる波長可変レーザを作製し、12.5Gbpsでのアイ開口とエラーフリー光伝送を達成した。

  3. InP偏波解析回路を用いた4値ストークスベクトル変調信号の受信実験
    ○ゴッシュ サミール・種村拓夫・中野義昭(東大)

    We experimentally demonstrate decoding of 2-level and 4-level Stokes-vector-modulated signals at 3 Gbaud by using a compact and robust photonic integrated circuit (PIC) on InP. With the potential of monolithically integrating high-speed InP photodetector array on the same chip, it paves the way to realize compact and low-cost direct-detection-based receivers for multi-level Stokes vector modulation formats in future short-reach optical communication links.

2017-10-26 : 14:45 - 16:10 座長: OCS 森 隆 (アンリツ)

  1. [招待講演]実用に向け開発したファイバ型光パラメトリック増幅技術
    ○高坂繁弘(古河電工)

    ファイバ型光パラメトリック増幅器の動作原理を直感的に説明する。そして、実用に向けて開発した、疑似位相整合技術、分散安定化高非線形ファイバ、偏波無依存化技術の動作原理を説明する。

  2. 波長多重信号に対するガードバンドレス全光波長変換器の設計と動作実証
    ○井上 崇(産総研)・高坂繁弘(古河電工)・太田和哉(トリマティス)・並木 周(産総研)

    30nmに及ぶ動作帯域において任意の中心波長を持つ波長多重信号の入力に対して、中心波長を動作帯域内の任意の値に変換して出力できるガードバンドレス全光波長変換器の設計を行い、動作を実証する。実験では動作帯域を1530〜1560nmに設定し、帯域幅が1THzである8チャネルの波長多重信号に対するガードバンドレス波長変換動作を行い、出力信号品質を確認する。

  3. フォトミキシングと相互利得変調を用いた光−無線メディア変換技術の検討
    ○山中友輔・久保木 猛・加藤和利(九大)

    我々は波長の異なる光波からテラヘルツ波を生成するフォトミキシング技術に取り組んでいる。この技術はまた、光信号からテラヘルツ波信号へのシームレスなメディア変換へ応用できると考えている。しかし、テラヘルツ波を生成するためには周波数差がテラヘルツ領域の二光波が必要であり、一光波から二光波に信号を載せ替える技術が必要となる。そこで我々は、半導体増幅器の相互利得変調による波長変換を用いたメディア変換システムを構築したのでその報告をする。

2017-10-27 : 09:30 - 10:45 座長: OCS 神田 祥宏 (沖電気)

  1. 4ポートInPストークスベクトル受信器の設計と感度特性解析
    ○菅沼貴博・中野義昭・種村拓夫(東大)

    短距離光通信向けの変調方式としてストークスベクトル直接検波方式が注目されている.ここに用いるInP集積受信器について,4個の偏波変換器から成る素子を提案,設計し,受信感度特性の解析を行った.4ポート構成を用いることで,素子の出力から入力の偏波状態が復元できることを理論的に示すとともに,素子作製時の誤差を加味した上で受信感度特性の評価を行い,素子パラメータの最適化により感度特性が向上することを示した.

  2. ストークスベクトル直接検波を用いた三次元光偏波変復調方式における受信感度およびスペクトル効率の解析
    ○菊池和朗(学位授与機構)

    ストークスベクトル直接検波光受信器とディジタル信号処理を用いれば,多値偏波変調信号を復調できる。本論文ではまず,ストークスベクトル直接検波光受信器の動作原理と構成について述べる。次に,n次元ベクトル空間中で信号点が立方格子に配置された多値変調方式について一般論を展開し,その符号誤り率特性およびスペクトル効率特性を統一的に論じる。この中で,三次元ストークス空間中に多値化された偏波変調信号は,直接検波を用いて復調できるにもかかわらず,コヒーレント光受信器を用いた場合と同様に,多値化によってスペクトル効率がシャノン限界に接近できることを示す。これは,従来のIM・DD方式では達成できない,偏波変調方式の特長である。さらに,ストークスベクトル直接検波受信器を用いた3つの光変復調方式の受信感度を比較し,多値偏波変調方式の優位性を示す。

  3. 位相共役ツイン波による光QAM伝送と偏波多重光APSK伝送の等価性に関する一検討
    ○中尾俊貴・カーリヤワサム インディパーラゲー アミラ サムパット・前田譲治(東京理科大)

    ファイバ非線形効果による光ファイバ通信の伝送制限を克服する手段として, 位相共役ツイン波を用いた歪み補償が提案されている. 本報告では, 直交する2つの直線偏波を光QAMの位相共役ツイン波で励振する伝送方式と, 光APSK信号を偏波多重する伝送方式の等価性を示す. また, これらの方式の伝送特性を数値解析を用いて示し, システム化の際に生じる相違の原因を探る.

2017-10-27 : 10:55 - 11:45 座長: OCS 西山 伸彦 (東工大)

  1. 400GbE 400GBASE-LR8規格準拠CFP8光トランシーバによる10km伝送評価
    ○武口浩二・明石光央・平本清久(日本オクラロ)

    PAM4変調方式で26.5625Gbaud(53.125Gbit/s)×8chの波長多重により400Gbit/s伝送を実現するCFP8光トランシーバの開発を行った。CFP8光トランシーバはIEEE 400GBASE-LR8規格に準拠しており、シングルモードファイバで10km伝送を可能とする。今回、我々はCFP8のBTB及び10km伝送評価を実施した。IEEE受信感度仕様-7.1dBm(OMA)以下を十分に満足し、さらに10km伝送でPost FECエラーフリー動作も確認した。また、400GbEのリンクバジェットにおいて、送信信号の波形ひずみやノイズによるペナルティを規定したTDECQの評価も実施したので報告する。

  2. 多レーン集積光モジュールの小型化に向けた高精度レンズ実装技術
    ○望月敬太・村尾覚志・加茂芳幸・安井伸之・三國雅知・上山幸嗣・吉本崇広・越前谷大介・下野真也・三田千夏・小寺秀和・野上正道(三菱電機)

    接着技術と、金属ホルダと高出力レーザによるハンマリング技術をベースにした、異なる2つの小型・高精度レンズ実装技術を開発した。これらの技術を適用し、QSFP28に搭載可能な100GbE TOSAを作成した。レンズ実装精度はいずれも<±0.3μmであり、DC光出力は+4.0dBm以上を達成した。

2017-10-27 : 12:55 - 13:45 座長: OPE 中 良弘 (九州保健福祉大)

  1. Si導波路上金属メタマテリアルを利用した光バッファ用遅延構造の設計
    ○山崎理司・雨宮智宏・Gu Zhichen・鈴木純一・西山伸彦・荒井滋久(東工大)

    将来の光ネットワークにおいて、光信号を遅延させることのできる光バッファは重要な役割を担う素子である。今回我々はメタマテリアルの急峻な波長分散を用いて、Siプラットフォーム上に作製可能な光遅延構造を提案し、その理論解析を行ったのでご報告する。

  2. 有限枚の貴金属平板格子による光波散乱の積分方程式を用いた数値解析
    ○山口智仁・大崎なつ美・松島 章(熊本大)

    光工学の一分野として近年注目されているプラズモニクスにおいて,ナノ粒子の周期配列構造における共鳴を正確に数値計算することが重要となっている.本稿では,有限枚の貴金属平板格子による可視光の散乱問題を,インピーダンス形の一般化境界条件のもとで表面電磁流に関する積分方程式に帰着させ,モーメント法により数値解析する.計算結果を検討することにより,電磁界現象の性質を表面プラズモン共鳴,格子共鳴などに分類する.

2017-10-27 : 13:55 - 15:15 座長: LQE 西村 公佐 (KDDI総合研究所)

  1. 半導体レーザを用いた光ナイキストパルス符号化方式の検討
    ○横田信英・小向知也・八坂 洋(東北大)

    デジタルコヒーレントシステムへナイキスト型時分割多重方式を導入することで、分散耐性や周波数利用効率を向上する試みが進められているが、符号化用外部変調器のコスト、光損失、消費電力などの増大が問題となっている。本研究では、マッハツェンダ変調器に基づくナイキスト整形と符号化用半導体レーザを組み合わせた簡便な光源構成において、符号化用半導体レーザの有するチャープの光ナイキストパルス形状への影響を検討した。

  2. 全光半導体ゲート型位相同期レーザによる帯域1テラヘルツ・間隔10ギガヘルツの光周波数コム発生
    ○竹下 諒・石田耕大・岡野謙悟・上野芳康(電通大)

    光周波数コム光源は、希薄分子計測方式の高性能化への貢献が期待され、複数分子種の同時検出等のためにも広い光周波数帯域幅が要求される。本方式位相同期レーザは、中心光周波数・繰り返し周波数が可変であり、コム成分線幅が外部注入種cw光線幅に近い等の特長を有する。しかし、従来の出力コム帯域幅(20dB全幅)は600GHz程度であった。本研究では、全光半導体ゲートのゲート窓時間を0.6psに短縮して1.2THz以上の20dB全幅を達成し、かつ光パルス半値全幅は外部分散補償により1ps以下を達成した。

  3. 全光半導体ゲート型位相同期レーザの固有周波数4種の相互離調度許容範囲を考慮した単一リングモード制御方式開発
    ○岡野謙悟・竹下 諒・石田耕大・南出雄佑・瀬田川悠輝・上野芳康(電通大)

    パルス光源の光時分割多重伝送方式用クロック光源への応用には、高繰返し周波数、短パルス幅、高い時間安定性が要求されている。当グループの位相同期レーザは、繰返し周波数、光中心周波数、パルス幅の可変制御性などの特徴をもつ。先行研究より、本方式レーザの固有周波数が相互非共鳴に離調されることで相互相関パルス幅が拡がり、その許容範囲がエタロンのフィネスの逆数に概ね整合する結果を得た。本研究では、フィネスを下げることで相互離調度許容範囲が拡大することを実証した。また共鳴度を高めることで単一リングモード発振し、出力パルスの時間安定性が向上することを明らかにした。これらの実験事実を踏まえ、単一リングモード発振に要求される相互共鳴度の許容範囲を調査し報告する。

最終更新: 2017-10-20 (金) 08:10:51 (1d)