2019年6月研究会 アブストラクト

OCS1 2019-06-20 : 10:30 - 11:50

  1. 非線形ファイバループミラーを用いたフルCバンドサブピコ秒光スイッチ
    ○平田綾也・廣岡俊彦・吉田真人・中沢正隆(東北大)

    低ウォークオフな非線形ファイバループミラーを用いて、Cバンド全域にわたる650 fsの光スイッチを実現した。本スイッチを用いて1528〜1565 nmにわたり320 Gbaud OTDM信号のエラーフリー多重分離に成功したので報告する。

  2. デジタルコヒーレント光伝送におけるGAWBS雑音の影響とそのファイバ依存性
    ○竹節直也・吉田真人・葛西恵介・廣岡俊彦・中沢正隆(東北大)

    本発表では、GAWBS(guided acoustic-wave Brillouin scattering)の理論とデジタルコヒーレント光伝送におけるGAWBS雑音の影響を考察して述べる。またDSF(Dispersion-shifted fiber), SSNF(Standard single-mode fiber), ULAF(Ultra-large area giber)の3種類の光ファイバ伝送路中で発生したGAWBS雑音の実測値と計算機解析結果を比較し、GAWBS雑音のファイバ依存性を述べる。

  3. 弱結合10モードファイバの多段接続におけるモード間結合の統計的性質
    ○川畑 巌・五十嵐浩司(阪大)

    数モードファイバを用いた弱結合モード多重伝送方式では異種LPモード間の結合がそのまま信号クロストークとなる。本研究では、ファイバ接続エラーにより発生する信号クロストークを定量的に評価する。多段コネクタ接続における軸ずれに対して、モード間結合をシミュレーションによって統計的特徴を明らかにする。加えて、接続によるモード間結合に対する統計的モデルを提案する。

OCS2 2019-06-20 : 13:00 - 14:40

  1. PRBSを用いた信号品質評価におけるニューラルネットワーク及びボルテラフィルタの過学習の比較
    ○生田 海・大塚優太・福本悠太・中村守里也(明大)

    我々は、ニューラルネットワーク(ANN)を用いて光ファイバ伝送における非線形歪みを補償する方法について検討を進めており、自己位相変調や相互位相変調、四光波混合などの非線形歪みを補償できることを示してきた。最近、PRBSを用いてANNを学習させた場合に過学習が起こる問題が議論されるようになった。今回、過学習はANNだけでなくボルテラフィルタ(VSTF)でも発生することを確認し、その特性についてANNの場合との比較を行ったので報告する。

  2. 非線形波形歪み補償に用いるボルテラフィルタ及びニューラルネットワークの計算量の削減
    ○大塚優太・福本悠太・中村守里也(明大)

    光ファイバ通信において、自己位相変調(SPM)などの光非線形効果に起因する波形歪みが解決すべき課題となっている。非線形等化による補償方法としてはボルテラフィタ(VSTF)が知られている。しかし、VSTFの欠点として計算量が膨大になることがある。我々は計算量の少ないニューラルネットワーク(ANN)による非線形補償方法を提案してきた。今回、VSTF及びANNにおける計算量の削減方法を提案し、比較検討を行ったので報告する。

  3. ストークスベクトル光変調方式の受信感度劣化に関する数値的一検討
    ○鈴木 涼・カーリヤワサム インディーパーラゲー アミラ サムパット・前田譲治(東京理科大)

    菊池らによって提案されているストークスベクトル光変調信号を直接検波によって受信するシステムを考え、その感度劣化を、受信機雑音とファイバ分散の存在下で数値的に検討する。受信機雑音には、受光器における熱雑音と光電ショット雑音を想定する。また、標準単一モードファイバをCバンド帯で使用することを想定し、分散等化を行わない場合のペナルティを評価する。

  4. ストークスベクトル光受信器の量子論
    ○菊池和朗(大学改革支援・学位授与機構)

    偏波変調信号は,ストークスベクトルを直接検波することにより復調できる。本研究では,ストークスベクトル直接検波光受信器の量子論を展開する。まず,3つのストークスパラメータを同時測定するために光受信器に課せられる条件を求める。次に,ストークスベクトルに重畳されるショット雑音および光前置増幅器雑音について論じ,これらの雑音の確率密度関数が,三次元ガウス分布で近似できることを示す。さらに,ガウス雑音近似を用いて8相偏波変調信号の符号誤り率特性を計算し,受信器に本質的な分岐損の影響および光前置増幅器によるその補償効果について論じる。

招待講演 NS 2019-06-20 : 14:50 - 15:40

  1. [招待講演]ネットワークデータ収集システムの構築および性能評価
    ○柴田剛志・中代浩樹(日立)

    企業やキャリアのネットワーク内の通信機器からネットワーク統計量を取得し,異常を検知する可視化・異常検知ソリューションの研究開発を推進している.データ収集システムの構築においてOSSを活用しているが,性能要件を満たすシステム構成の選定が必要となる.本講演では,システム内の各機能部の構成と処理性能の関係を検証した結果を報告する.

招待講演 PN1 2019-06-20 : 15:50 - 16:40

  1. [招待講演]SINET5の概要 〜 Society5.0時代に向けた超高速学術情報ネットワーク 〜
    ○笹山浩二(NII)

    SINET5は、日本全国に配置された50以上のバックボーンIPルータ間を、100 Gbps伝送路で論理的にフルメッシュ接続する超高速学術情報ネットワークである。国内のみならず、海外の学術ネットワークとも100Gbps級の国際回線で相互接続して、世界規模の学術研究にも貢献している。超高速ネットワークを活用した国内外の様々な研究事例や、セキュアな研究環境を提供するVPN等の各種ネットワークサービスの概要を紹介する。次期SINETへ向けた取り組みとして、2018年12月からSINET初のモバイル機能を提供し、各研究機関から実証実験提案を募集している。また400Gbps級の超高速伝送技術の導入も開始し、600Gbps伝送のフィールド実験結果についても報告する。

招待講演 PN2 2019-06-20 : 16:50 - 17:40

  1. [招待講演]自動運転時代の車載光イーサネットネット 〜 最新技術と標準化動向 〜
    ○各務 学(名工大)・山下達弥(豊田中研)

    自動運転に向けて車載ネットワークの高速化が急激に進むと予測されている。通信プロトコルとしてはリアルタイム性とフェールセーフ性を格段に高めた車載イーサネットが本命視されており、10M〜50Gb/sの広範囲で技術開発と標準化の競争が激しくなっている。本講演ではこれらの動向と、著者らが参画する経産省プロジェクトの研究成果を紹介する。

PN1 2019-06-21 : 09:30 - 10:45

  1. 日本版メトロネットワークモデルにおける通信性能に対するトポロジの影響調査 〜 東京23区モデルの場合 〜
    ○橘 拓至(福井大)・廣田悠介(NICT)・鈴木恵治郎(産総研)・釣谷剛宏(KDDI総合研究所)・長谷川 浩(名大)

    本研究では,日本版のメトロネットワークモデルのトポロジが通信性能に与える影響を調査する.

  2. 非線形光学効果とEDFA過渡応答を考慮したバースト光増幅技術の検討
    ○益本佳奈(NTT)

    バースト光伝送の長延化において、EDFAを用いたバースト光増幅技術として最も重要であるのは、過渡応答発生時のオーバーシュートの抑圧である。そして、オーバーシュートの抑圧技術として、バースト主信号と別波長の連続光をある一定で挿入する方式(ここでは、クランプ光方式と呼ぶ)が存在する。既存検討として、クランプ光パワーを大きくするほどオーバーシュートは抑制可能であることが知られている。しかし、ファイバ長距離伝送においては、クランプ光パワーを大きくするほどXPM等の非線形光学効果により伝送品質が劣化すると想定できる。私たちはバースト光伝送時に最適なクランプ光を決定できるように、クランプ光がオーバーシュートと伝送品質に与える影響を実験にて確認を行った。

  3. [依頼講演]ダブルクラッド光ファイバを用いた無線基地局向け光ファイバ給電技術
    ○松浦基晴・米山 彰・田嶋奈奈・上山大輔(電通大)

    将来のモバイル通信で必要不可欠となってくる伝送技術の一つとして,電波を光で伝送する光ファイバ無線伝送がある. この無線基地局を光ファイバ給電のみで駆動することを目的として, ダブルクラッド光ファイバを用いた光給電技術に関する最近の成果を紹介する.

NS1 2019-06-21 : 10:55 - 12:10

  1. [奨励講演]リアルオブジェクト指向モデルを用いたIoT/M2Mアプリケーションの開発と評価
    ○鈴木裕幸・小山明夫(山形大)

    IoT/M2Mアプリケーションが開発・利用され始める中,開発モデルは従来の特定サービスで利用可能な垂直型モデルが主流である.しかしこのモデルでは,開発済みのサービスを新サービスにそのまま組み込むことは困難であり,再開発が必要となる.我々は以前,特定サービスに特化しない水平型の開発モデルのリアルオブジェクト指向モデルを用い,通信等の共通機能を意識せずにアプリケーション開発可能な手法を提案した.本稿ではこの手法を用いて防犯アプリ,体調管理アプリを開発し,従来の垂直モデルと共通機能を用いる水平型モデルの開発効率と開発時間を提案手法と比較し有用性を示す.

  2. NFVノードにおけるパケットI/O性能向上 〜 データパス並列化および順序制御方式の提案 〜
    ○浅田雅裕・川島龍太(名工大)・中山裕貴・林 經正(BOSCO)・松尾啓志(名工大)

    次世代ネットワーク実現のためNFVが注目されているが,それを構成する各VNFのパケット処理性能は,従来の専用ハードウェアによるネットワーク機器よりも低く,VNFの性能不足は今後ますます深刻化する.現状のVNFでは送受信処理が性能上のボトルネックとなっている.本稿では,現状のVNFでボトルネックとなっている送受信処理の並列化を実施し,性能向上を図る.また,並列化によって問題となるパケットの順序不整合への対処を議論する.

  3. Incentivizing Users for High Quality of Crowdsensing Data
    ○Cheng Zhang(Waseda Univ.)・Noriaki Kamiyama(Fukuoka Univ.)

    Mobile crowdsensing has become a popular paradigm for collecting data from smart device users. Traditional research mainly considered on designing incentive mechanism based on users' effort to provide sensing data without considering users' ability to obtain the data. In this paper, users' ability to obtain the data has been considered to maximize the crowdsensing platform's data quality when designing the price based incentive mechanism for users. Our proposed optimal pricing based incentive mechanism is validated by numerical simulations.

NS2 2019-06-21 : 13:20 - 15:00

  1. スマートスピーカに対する攻撃への対策手法の提案
    ○樽谷優弥(岡山大)・上田健介・加藤嘉明(三菱電機)

    IoT機器の普及により、スマートスピーカをはじめとする音声認識システムが普及している。音声認識システムにより、音声によって情報の検索や機器操作を容易に行える。一方で、音声認識システムに用いる音声認識モデルを対象として、Audio Adversarial Example によって任意のコマンドを人が認識できない形で認識させる攻撃が提案されている。一方で、その対策方法の検討は十分にされていない。本稿では、Audio Adversarial Example に対する対策手法の提案し、攻撃の有無を判別できることを示す。

  2. アプリケーション判定における検証方法の再検討
    ○岩井貴充・中尾彰宏(東大)

    アプリケーション判定はスライシングやゼロレーティングサービスに有用であり多くの研究が行われている。アプリケーション判定では、収集したフローデータからランダムもしくは時系列的に検証データを分割し評価を行うケースが一般的である。しかし、そのような検証データの分割方法では、同じユーザ端末から発するフローが訓練データと検証データの両方に含まれることになるため、新規ユーザのフローを判定するという本来の目的からデータセットの性質が乖離する。さらに、ユーザごとにフローの性質が似ている場合、特定ユーザに対して過学習することによって未知のユーザを対象にしたときと比較して精度が高くなる可能性がある。本研究ではIMEIごとに分割した訓練データと評価データを用いることで、新規ユーザに対するアプリケーション判定の検証方法を提案する。この検証方法にて、アプリケーション判定の識別モデルを評価したとき、既存の検証方法と比較して10%程度の精度下落があることを示す。

  3. 5GとMECを活用した協調運転システムの提案
    ○リュウ ケイコウ(東大)・岸山祥久(NTTドコモ)・佐々木健吾・中尾彰宏(東大)

    近年、MEC(モバイル/マルチアクセス・エッジコンピューティング)を活用する超低遅延制御の研究が多く行われている。筆者らは、自律運転を拡張する協調運転という概念を提唱しており、複数車両が通行する交差点や合流地点で、多層エッジサーバーを用いた超低遅延通信を活用する遠隔車両制御を提案している。自律運転は各車両が自ら環境情報を取得し自律制御を行うことが想定されているが、協調運転の概念では MECサーバーから超低遅延通信を利用して多数の車両を最適に制御することを目的としている。本論文は、ラジコンカー3台と5Gの低遅延通信を利用する協調運転制御のプロトタイプシステムを構築し、実際の5Gの基地局を用いて、片方向1msecの通信遅延で、複数車両の制御が可能であることを確認する。評価では、提案システムの有効性の確認と遅延が走行誤差に与える影響を評価する

  4. ソフトウェア・デファインド・プライベートLTEネットワークに関する設計と実装
    ○中尾彰宏・杜 平(東大)・圓山大介・大内宗徳(IIJ)

    The growing low-cost and highly-secure private Long Term Evolution (LTE) network, also known as shared eXtended Global Platform (sXGP) in Japan, has been filling up the market gap between high-cost public LTE and unreliable WiFi. More and more professional enterprises, governments and hospitals are deploying their own private LTE networks to keep their data secure by avoiding sending them over the public core networks or Internet. Moreover, since a private LTE network is to serve specific applications and users, we can tailor the private LTE network for application-specific optimization that is not feasible on a public LTE network. In this report, we will first introduce an application-specific private LTE network with software-defined eNodeB (eNB) and Evolved Packet Core (EPC) components, where we can run multiple private LTE network slices on the same infrastructure. Then, to address the coverage problem of private LTE, we will introduce our experimental study on integrating our private LTE network with a public LTE network, where the Home Subscriber Server (HSS) of the two LTE networks are shared or associated so that a UE can migrate between the private LTE network and the public LTE network according to the place of use difference with only one SIM. We believe that our experimental study of the integrating private LTE and public LTE not only help the current enterprises in deploying their private LTE networks but also benefit the 5G research and development in terms of network slicing, especially for local 5G research area.

OCS3 2019-06-21 : 15:10 - 16:30

  1. デジタル通信用光トランシーバを活用した高位相安定アナログRoF伝送
    ○藤江彰裕・秋山智浩・西岡隼也・原口英介・安藤俊行(三菱電機)

    我々は,市販で入手可能なデジタル光通信向け光トランシーバ SFP+(Small-Form-Factor –Pluggable-Plus)を光源とするアナログRoF(Radio-on-Fiber)伝送を検討中である.ここでは,SFP+に対して伝送信号とは異なる周波数のダミー信号をマルチトーン入力する.本方式では高周波信号のアナログRoF伝送が期待できる一方,ファイバ伝送路の周囲温度変動に伴う、伝送信号の位相変動を補正する必要がある.本検討ではデジタル光通信モジュールを用いた高安定RF信号伝送の実現に向けて,位相変動補償系の構成検討及び原理実証を行ったので,結果を報告する.

  2. 20-GHz帯域制限環境下における非線形チャネル推定に基づくMLSEを用いた255Gb/s PAM-8 O帯光伝送の実証
    ○谷口寛樹・山本秀人・中村政則・木坂由明(NTT)

    近年のデータセンタネットワークのトラフィック増大に伴い、短距離向け光伝送システムの大容量化が期待されている。非線形応答を有する低コストなデバイスを用いた大容量短距離光伝送システムにおいて、帯域制限耐力および波長分散耐力を向上するチャネル等化技術として非線形最尤系列推定を提案する。また、3次のVolterra filterを用いた非線形最尤系列推定により、20-GHz帯域制限環境下で255 Gb/s PAM-8信号のO帯光伝送を実証する。

  3. 注入同期型ホモダイン検波回路を用いた50.4 Tbit/s, L-band 480 ch-WDM, 128 QAM-160 kmデジタルコヒーレント光伝送
    ○管 貴志・葛西恵介・吉田真人・廣岡俊彦・中沢正隆(東北大)

    注入同期法は簡便な構成でデータと局発レーザ間の高精度な光位相同期を実現することができる。これまで我々は本方式をWDMデジタルコヒーレント光伝送に適用し、C-bandのみを用いて58.2 Tbit/s, 256 QAM信号を160 km伝送することに成功している。今回、本方式を初めてL-band WDM伝送に適用し、50.4 Tbit/s, 128 QAM信号を160 km伝送することに成功したので報告する。

最終更新: 2019-04-19 (金) 18:57:01 (35d)