2018年8月研究会 アブストラクト

OCS1 &OFT 2018-08-30 : 13:10 - 14:55

  1. フューモードマルチコアファイバの性能指標についての検討
    ○林 哲也・中西哲也(住友電工)

    我々は,フューモードマルチコアファイバ(FM-MCF)の性能指標として,空間モード密度や,ファイバ断面積に対する総実効断面積の比(いわゆるRCMF: relative core multiplicity factor)よりも,伝送帯域密度(利用可能な伝送帯域幅の総和をファイバ断面積で除した比)を用いることが,FM-MCFの伝送可能容量を見積もる上で望ましいことを報告すると共に,ファイバ設計と伝送帯域密度の関係について調べた結果を報告する.

  2. 異種コア間クロストークに対する外乱の影響
    ○安間淑通・竹永勝宏(フジクラ)・藤澤 剛・齊藤晋聖・小柴正則(北大)・愛川和彦(フジクラ)

    マルチコアファイバ(MCF)を用いた長距離光通信において重要なコア間クロストーク(XT)を抑制する手法の一つに,実効屈折率の異なるコアを隣接コアに配置する手法がある.この手法を用いた異種コア型MCFのXTについては様々な報告がされているが,その挙動について不明確な点が多い.本報告では,異種コア間XTの挙動調査として,クラッド径の異なる2種類の異種2コアファイバを用いて,外乱による異種コア間XTへの影響を調査した結果を報告する.

  3. マルチモードファイバ接続におけるモード間結合抑圧のためのコア径最適化
    ○川畑 巌・五十嵐浩司(阪大)

    フューモードファイバを用いたモード多重伝送におけるファイバ接続点において、横方向および角度方向のズレなどの接続エラーによってモード間結合が生じる。このモード間結合は、コア径に依存する。横方向ズレによるモード間結合はコア径が大きくなるにしたがって小さくなる一方で、角度ずれのそれは大きくなる傾向を有する。本研究では、ファイバ接続エラーによって生じるモード間結合が最小になるようにフューモードファイバのコア径を最適化する。このときのモード間結合量を定量的に評価する。

  4. ファイバ断面におけるブリルアン利得の電界分布依存性に関する検討
    ○小田友和・高橋 央・戸毛邦弘・真鍋哲也(NTT)

    大容量通信システムの実現に向け、モード多重伝送の研究が盛んに行われている。数モードファイバ(FMF)では、モード毎の電界分布形状の違いによって、損失等の伝搬特性が変化するため、伝送路の特性を把握するためにもFMF中の電界分布を知ることは重要である。そこで、本稿ではFMF中の電界分布形状測定による伝搬特性評価を目的として、イメージセンサを用いたブリルアン利得解析法により、ブリルアン増幅の断面形状の電界分布依存性を調査したので報告する。

OCS2 2018-08-30 : 15:05 - 15:50

  1. [招待講演]宇宙光通信の現状、将来と、技術課題
    ○荒木智宏・小林雄太・水田栄一(JAXA)

    宇宙光通信の現状、将来像と、将来像の実現に向けた技術課題について報告し、技術課題に対するJAXAの取り組みを報告する。宇宙光通信システムにおいては、光アンテナ(望遠鏡)と、光アンテナの指向方向を動かすための機械駆動装置が必要であるが、本報告では、地上での光ファイバ通信・光デバイスの成果を活用する送受信技術と高精度指向方向制御技術について報告する。送受信部(変調部、復調部、符号化・同期)について、国際標準化の動向と共に、宇宙機搭載装置実現のため課題を示す。また、JAXAは、先ず光HPAに注力しており、その成果について報告する。最後に高精度指向方向制御技術について現状を紹介し、課題をまとめる。

OFT1 &OCS 2018-08-30 : 16:00 - 17:40

  1. ダブルクラッド光ファイバを用いた多チャネル信号・電力同時伝送
    ○上山大輔・松浦基晴(電通大)

    子局を光給電で駆動可能な光アクセスシステムを目指し、ダブルクラッド光ファイバを用いた光給電型光アクセスファイバ伝送において、無線基地局回線用のアナログ信号と固定回線用のデジタル信号による高密度波長多重伝送を行った。本研究では、子局にて駆動可能となる7 Wの電力を確保できたと同時に、アナログ・デジタル信号共に高い伝送特性が得られることを実証した。

  2. 光ビーム入射法を用いた光給電型マルチモード光ファイバ無線伝送
    ○久保木 駿・松浦基晴(電通大)

    光給電型マルチモード光ファイバ無線伝送における問題の1つとして、信号光と給電光間のクロストークによる信号品質劣化が存在する。本研究ではオフセットラウンチによる信号光の高次モード伝送とセンターラウンチによる給電光の低次モード伝送を行うことでクロストークを抑制し、信号品質を改善する手法を提案し、その有効性を検証した。

  3. 超高多値変調信号を用いた600Gbps/λ級光伝送の実証
    ○松下明日香・中村政則・濱岡福太郎・岡本聖司・木坂由明(NTT)

    通信トラフィックの増加に伴い、光伝送システムの大容量化が求められている。ビット単価を抑えつつ、光伝送システムを大容量化するためには、信号を高ボーレート化、高多値化することが望ましい。高ボーレートかつ高多値変調信号は、送受信機デバイスの不完全性に起因した信号品質劣化の影響を強く受けるため、本研究では、これらを推定、補償することで、信号品質を向上し、600Gbps/λ級の光伝送実証に成功した。

  4. ベクトル表現を用いたSDMチャネル間Q値偏差補償方法のチャネル数依存性
    ○高橋英憲・釣谷剛宏(KDDI総合研究所)

    空間分割多重(SDM)伝送の一つである非結合型マルチコアファイバ(MCF)のSDMチャネル間Q値偏差をベクトル表現領域で低減する方法の効果について、等化チャネル数依存性を計算機シミュレーションにて行った。ある1chのSNRが7dB劣化した条件で本方式を適用し、最低品質信号のQ値改善量を調査したところ、等化チャネル数の2から4への増加に対し、1.5dBのQ値改善量拡大が見られた。

OCS3 &OFT 2018-08-31 : 09:30 - 11:10

  1. 小型エアギャップ多心光コネクタ
    ○荒生 肇・矢加部 祥・上原史也・佐々木 大・島津貴之(住友電工)

    一般的に用いられている光コネクタではフィジカルコンタクト(PC)接続という技術を用いて、良好な接続特性を実現している。しかし、この技術はコネクタの多心化の進展に伴う嵌合力の増加、光コネクタ特有の念入りな端面清掃、といった問題を抱えている。当社は、PC接続を行わない他の方式として、嵌合時のコネクタ間にわずかな隙間を設けるエアギャップコネクタを開発した。本コネクタはPC接続が抱える問題を解決したうえで良好な光学特性と信頼性を実現しており、その性能について報告する。

  2. SC形MCFコネクタの光学特性
    ○今泉可津貴・境目賢義・長瀬 亮(千葉工大)

    マルチコアファイバ(MCF)を接続することができるSC形光コネクタを設計した.接続するSC形光コネクタ双方のハウジング中にそれぞれ向きの異なるフランジを圧入し,それらを接続することでオルダム・カップリング構造を構成する.今回,設計したSC形MCFコネクタの接続損失と反射減衰量を測定したので報告する.

  3. 4コアマルチコアファイバ用光コネクタの接続損失要因検討
    ○境目賢義・今泉可津貴・長瀬 亮(千葉工大)

    次世代の光通信用ファイバとして注目されているMCFの中で,外径125 μmの4コアマルチコアファイバ(MCF)が提案されている.本研究ではこれまで,クラッド中心コアを使用し,軸ずれと角度ずれを切り分けた接続損失シミュレーションをMCFコネクタに実施,その接続損失発生要因を特定してきた.しかしこれらのシミュレーションはクラッド中心コアを有さないMCFにはそのまま適用できない.今回,クラッド中心コアを有さない4コアMCFをコネクタ化し,その接続損失発生要因を検討したので報告する.

  4. クラッド一括励起型19コアEDFAにおける増幅特性のEDF条長依存性
    ○前田幸一・高坂繁弘・川崎浩平・吉岡和昭・大塩 肇・杉崎隆一(古河電工)・相馬大樹・高橋英憲・釣谷剛宏(KDDI総合研究所)・塚本昌義(古河電工)

    クラッド一括励起型19コアEDFAのCバンド化を実証する。出力パワーと利得帯域の変化を得るために増幅特性の19コアEDF長さ依存性を確認する。EDF長さ依存性に基づいてCバンド動作の最適な19コアEDF長を見出し、得られた特性を7コアEDFAと比較する。

OFT2 2018-08-31 : 11:20 - 12:40

  1. 細径高密度光ファイバケーブルにおける光損失とケーブル内における側圧の実装密度依存性
    ○山田裕介・菊池 雅・川高順一・泉田 史・片山和典(NTT)

    細径高密度光ファイバケーブル設計のため,光損失特性について実装密度依存性を評価し,G.652ファイバ使用時にケーブル化損失増加を抑制可能な実装密度を明らかにした.また,ケーブル内光ファイバに加わる側圧を定量的に測定し,実装密度が側圧の加わる区間の長さに影響を及ぼすことを明らかにした.

  2. 高密度40心少心架空ケーブルの開発
    ○三浦貴博・塚本昌義・安冨徹也(古河電工)

    高密度な40心少心架空ケーブルを開発した。既存の24心少心架空ケーブルと同等サイズでありながら1.6倍以上の光ファイバを収納する事で、配線の省スペース化や布設効率向上に貢献すると共に、既存工具や周辺物品が使用できるためユーザーの負担が小さい。

  3. 地下光ケーブルの浸水補修業務効率化を実現するオペレーション技術
    ○赤松美穂・鬼頭千尋・峰 恒司・海老根 崇(NTT東日本)

    我々は地下光ケーブルの浸水補修業務効率化に向けたオペレーション技術を検討している。光ファイバは一定期間浸水すると品質劣化が進行するが、浸水箇所特定および現地での補修に多くの稼働を要するため、タイムリーな補修が出来ていない保守上の課題があった。そこで本稿では、定期的な浸水試験の自動化、浸水補修の進捗管理を実現するシステムを開発し、保守業務の効率化、光ファイバの品質維持を図ったオペレーション技術について述べる。

最終更新: 2018-06-22 (金) 16:04:10 (59d)