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第29回 光通信システムシンポジウム 開催報告

OCS_Symposium

 12月17日(木),18日(金)の2日間,三島の東レ総合研修センターにて年末恒例の光通信システムシンポジウムを開催しました.今回も200名を超える多数の方々(事前申し込み200名,当日参加7名,合計207名)にご参加頂きました.年末のお忙しい中ご参加頂きました皆様に,改めてお礼申し上げます.
 第29回となる今回のシンポジウムでは,「未来を創る情報技術と光通信」と題し,将来の新しいサービス・アプリケーションを担う情報技術に対して光通信システムがどのような役割を担えるかを議論すべく,基調講演,招待講演,ワークショップ,ランプセッションを開催しました.以下に,各セッションの模様を報告致します.今回ご参加頂きました皆様には,来年も引き続きご参加頂きたく存じます.また,残念ながら参加されなかった皆様には,次回以降の参加のご検討を頂ければ幸いです.

東レ総合研修センター
東レ総合研修センター
会場から見た富士山
会場から見た富士山
福知委員長の開会の挨拶
福知委員長の開会の挨拶
講演会場の様子
講演会場の様子

基調講演

 基調講演では,東京大学の石川正俊教授をお迎えし,「高速画像処理が拓く新しい知能システムの世界」というタイトルでご講演いただきました.講演の前半では,先生の取り組まれている数々のご研究の基本コンセプトを,システムのアーキテクチャやアルゴリズムの観点からお話しいただきました.現象を正確に捉え,フィードバックを低遅延で行うために必須な「1000fpsでのサンプリング」の考え方を初めとして,光通信分野にも応用可能な概念が多くちりばめられておりました.講演の後半は,高速画像処理技術を応用した数々のシステムを動画を交えながらご紹介いただきました.ゲームのコントローラから自動運転まで,高速画像処理技術の応用範囲の広さやその展開手法に聴衆の皆様も大変興味深く聞き入っておられました.

2015年OCS表彰式

 基調講演の後に,2015年OCS研究会の表彰式が行われました.2014年9月から2015年8月までに開催した光通信システム研究会に投稿し講演を行った論文を対象とし,特に優秀な論文を発表した著者に論文賞が贈られます.また,30歳未満の発表者のうち,有為と認められる新進の研究者に奨励賞が贈られます.各賞の選考結果は次のとおりでした.

  • 論文賞
    • 3モードファイバの近視野像偏光成分からの完全モード分析法
      國分 泰雄, 渡邉 達彦, 森田 晃平, 河田 凌 (横浜国大)
  • 奨励賞
    • パルス幅変調に基づく光固有値変復調方式
      松田 雄大 (阪大)
    • 低コヒーレンスディジタルホログラフィによる弱結合フューモードファイバのDMD計測
      若山 雄太 (KDDI研)
    • MTタイプ8心マルチコアファイバコネクタの開発
      渡辺 健吾 (古河電工)

 受賞者には,OCS福知委員長から表彰状が授与されました.また,副賞としてダイヤモンドカットのクリスタルガラス盾と図書カードが贈呈されました.
表彰式の模様はこちらです.

担当委員: 二見

ポスターセッション

 2011年よりスタートしたポスターセッションは,33歳未満の若手研究者を対象として今回も多くの方にご投稿を頂き,21件のご発表となりました.この中には,OCS論文賞,奨励賞の方のポスターも含まれます.会場ではポスターを前に活発な議論や意見交換が行われました.光通信のこれからを担う若手の方とエキスパートの交流の機会を設けることで,業界全体の活性化を目指したいと考えており,今後も継続の予定です.次回も是非皆様のご投稿をお待ちしております.

担当委員: 平井

ポスターセッションの様子 ポスターセッションの様子

ワークショップ1

 ワークショップ1では,「将来を変える新しい情報処理技術」と題し,光通信が将来に向き合うこととなるであろう情報処理技術の新しい研究テーマの中からトピックを選び,その分野の最先端でご活躍の方々にご講演を頂きました.講演に先立ち座長の平野章氏(NTT)よりワークショップ1の趣旨説明が行われました.
 宇都宮聖子先生(国立情報学研究所)からは,「レーザー・OPOネットワークを用いた組合せ最適化マシン」と題し,レーザーネットワークで組合せ最適化問題を解くコヒーレント・イジングマシンについてご講演を頂きました.
 山川義徳様(内閣府)からは,「脳情報の可視化と制御による活力溢れる生活の実現」と題し,ご自身がプログラム・マネージャーを務められる研究プログラムにおける,脳の健康を促すプロトタイプの公開と脳情報流通のエコシステムの構築を目指した取り組みについてご講演を頂きました.
 松崎拓也先生(名古屋大)からは,「ロボットは東大に入れるか」と題し,「東ロボ」プロジェクトにおける研究の意義や,これまでに開発された国語・英語・歴史・数学・物理などに対する解答システムで用いられている技術について,ご講演を頂きました.
 松岡聡先生(東工大)からは,「ポストムーア時代に向けた高性能計算の展開 〜次世代光技術への期待〜」と題し,スーパーコンピュータのこれからの性能の持続的進化の方向についてご講演を頂きました.ご講演の中では,将来のスーパーコンピュータ技術の中で次世代光技術の果たす役割が大きいことも解説されました.

担当委員: 中村,森,神尾,廣岡

懇親会

 福知委員長の乾杯により懇親会をスタートしました.若手研究者からご重鎮まで,140名を超える多くの皆様にご参加頂き,幅広い交流を図って頂けたのではないかと思います.最後に,平野副委員長の挨拶で懇親会を締めました.

福知委員長の挨拶および乾杯 懇親会の様子 平野副委員長の挨拶

ランプセッション

 懇親会後のランプセッションでは,「コモディティ化ってなに?」というタイトルで,光通信にかかわる製品・サービスのコモディティ化をテーマに議論しました.懇親会後のセッションであるにもかかわらず,約100名の方にご参加いただきました.
 昨年に引き続き大阪大学の五十嵐先生をオーガナイザに迎え,冒頭で富士通オプティカルコンポーネンツの磯野様,NTTの富澤様に議論の口火となるショートプレゼンを行っていただいた後に,コモディティ化について多様な例や現状をグループ討議形式で話し合いました.セッション参加者でそれらの結果を共有し,白熱した議論は終了予定時刻を超えて2時間半にもわたりました.ご参加の皆様には,「コモディティ化」について考える良い機会にしていただけたのではないかと思います.
 来年は第30回.記念の回にふさわしい内容での企画をご用意したいと考えておりますので御期待ください.
 なお,ランプセッションの冒頭では,OCSマイレージの表彰を行いました.今年も残念ながらゴールド対象者無し! 初のゴールド受賞目指して,是非OCSマイレージにご参加ください.

担当委員: 斎藤,山田,高橋,川本

阪大 五十嵐先生の司会 ランプセッションの様子 ランプセッションの様子

招待講演

 招待講演セッションは,例年,光通信ネットワーク技術に関連のあるシステム・技術動向について,各分野の第一線でご活躍されている方を講師としてお招きして開催しています.本年は,移動通信技術,ならびに多視点・立体映像技術に関する2件の講演を企画致しました.エリクソン・ジャパン 藤岡様からは2020年に向けた無線ネットワークの進化や5Gの要求条件・今後の展開について,NHK 三科様からは特別なめがねなしで立体映像を見ることができるインテグラル立体テレビや多視点映像について,それぞれご講演いただきました.
 また,IEEE Photonics Society Japan Chapter主催招待講演では,横浜国大 馬場先生よりフォトニック結晶デバイスの通信技術(スローライト発生),医療技術(ナノレーザセンサ)への応用について,IEEE Communications Society Japan Chapter主催招待講演では,KDDI 松永様よりキャリアの視点から5Gに向けての大容量・高速化,Massive MTC,超低遅延技術について,それぞれご講演いただきました.
 ご講演は,光デバイス技術,5G技術,多視点・立体映像技術と多岐にわたる興味深い内容で,参加者の皆様も今後の光通信の方向性を考える上での参考になったのではないかと思います.最後に,招待講演を共同で企画いただいた,超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会(PIF),IEEE Communications Society Japan Chapter,IEEE Photonics Society Japan Chapterの関係各位のご協力に感謝いたします.

担当委員: 山本(貴),田島,西山,織田

ワークショップ2

 ワークショップ2は,「将来の大容量光通信技術〜400Gの先へ〜」と題し,400Gb/sの先にある1Tb/s時代の社会背景を吟味し,それを支える通信インフラの技術を議論する目的で開催されました.
 座長の植之原裕行先生(東工大)から趣旨説明の後,陸上光伝送・海底光伝送・光デバイス・将来の光伝送方式について世界的にご活躍の4名からご講演を頂きました.
 星田剛司様(富士通)からは,「次世代陸上系光伝送システムに向けた技術開発」と題しまして,陸上光伝送システムの展望についてご講演頂きました.メトロ・アクセス網・データセンタ間接続に関しては,これまでの性能指標に加えて低電力化・小型化等への要求が高まることや,長距離網に関しては,引き続きシャノン限界にいかに挑戦するかといった課題についてご講演頂きました.
 清水克宏様(三菱電機)からは,「海底ケーブル光通信技術〜既設システムの大容量化事業と技術の展望〜」と題しまして,既設のファイバを利用した大容量化について,ご自身が携われたプロジェクトのご経験を交え,その歴史と最新技術動向をご講演頂きました.
 中村隆宏様(PETRA)からは,「低消費電力・超高速の小型チップサイズ光トランシーバ“光I/Oコア”の開発」と題しまして,今後益々大きな需要が見込まれるデータセンタ内,LSIチップ間の光配線について,その性能や開発状況をご講演頂きました.
 廣岡俊彦先生(東北大)からは,「超多値変調・多重化技術の最新動向」と題しまして,Beyond 400G/1Tへの次世代超大容量通信の基盤技術について最新の研究開発動向をご講演頂きました.

担当委員: 神田,小田,井上,平井

展示会

 今回の展示会は,過去最多となる29ブース(※)の出展があり,最新の装置やデバイス,ソフトウェアの紹介および研究成果の報告が行われました.
 多くの方にお立ち寄り頂き,活発な意見交換をして頂くことができました.各ブース説明員の皆様,および展示会にお立ち寄り下さいました参加者の皆様にお礼申し上げます.来年も展示会を開催予定ですので,ご出展のご検討をよろしくお願いいたします.
※:一般22ブース(共同出展含む,全24社),国プロ関連7ブース

担当委員: 山本(義)

展示会の様子 (企業展示) 展示会の様子 (企業展示) 展示会の様子 (企業展示) 展示会の様子 (国プロ展示)

 
広報担当: 森,谷澤,吉田
最終更新: 2016-01-05 (火) 20:21:26 (1267d)