概要プログラムポスター発表参加申込展示会開催場所|開催報告|

第27回 光通信システムシンポジウム 開催報告

OCS_Symposium

 12月12日(木),13日(金)の2日間,三島の東レ総合研修センターにて年末恒例の光通信システムシンポジウムを開催しました. 今回の参加者総数は,開催場所を東レ総合研修センターに移して以来の最多参加者数を3年連続で更新し,ついに200名を超えました(事前申し込み203名,当日参加10名:合計213名).年末のお忙しい中ご参加頂きました皆様に,改めてお礼申し上げます.
 第27回となる今回のシンポジウムでは,「グローバル戦略が拓く光通信の未来 〜新たなステージへのシナリオ〜」と題し,ビジネス・技術の両面を広く網羅する基調講演,招待講演,ワークショップ,ランプセッションを行いましました.ご参加頂いた皆様にとって,「技術で勝って,グローバルビジネスでも勝つ」ためのヒントにして頂けましたら幸いです.以下に,各セッションの模様を報告致します.今回ご参加頂きました皆様には,来年も引き続きご参加頂きたく存じます.また,残念ながら参加されなかった皆様には,次回以降の参加のご検討を頂ければ幸いです.

東レ総合研修センター
東レ総合研修センター
会場から見た富士山
会場から見た富士山
水落委員長の開会の挨拶
水落委員長の開会の挨拶
講演会場の様子
講演会場の様子

基調講演

 基調講演では,東京大学の元橋一之教授をお迎えし,「サイエンス経済時代のイノベーションと日本の産業競争力」というタイトルでご講演いただきました.ご講演前半では,従来型の「工業経済」にしがみつき経済成長力が低下している日本の現状が紹介され,高度知識人材・サイエンス(汎用技術)・ITインフラが競争力の源泉となる「サイエンス経済」時代の到来について概観されました.後半では,サイエンス経済時代への処方箋として,グローバルな視点から日本及び技術領域に合ったオープンイノベーション戦略の重要性が述べられ,個別企業の事例とともにオープンイノベーションによる新たなビジネス価値の創造が提言されました.今後日本がグローバル競争で勝っていく上でのイノベーションのあり方を俯瞰的に解説いただき,聴衆の皆様も大変興味深く聞き入っておられました.

2013年OCS表彰式

 基調講演の後に,2013年OCS研究会の表彰式が行われました.2012年9月から2013年8月までに開催した光通信システム研究会に投稿し講演を行った論文を対象とし,特に優秀な論文を発表した著者に論文賞が贈られます.また,30歳未満の発表者のうち,有為と認められる新進の研究者に奨励賞が贈られます.各賞の選考結果は次のとおりでした.

  • 論文賞
    • パイロットトーンによる位相雑音低減効果の解析
      吉田 光輝,山崎 悦史,小林 孝行,佐野 明秀,宮本 裕 (NTT)
  • 奨励賞
    • タイムインターリーブドオーバーサンプリングを用いた光コヒーレント受信器のための周波数領域等化
      康村 吉広 (阪大)
    • 弱結合型MCFにおける長手方向パワー減衰
      濱口 浩輝 (フジクラ)

 受賞者には,OCS水落委員長から表彰状が授与されました.また,副賞としてダイヤモンドカットのクリスタルガラス盾と図書カードが贈呈されました.
表彰式の模様はこちらです.

担当委員: 二見

ポスターセッション

 2011年よりスタートしたポスターセッションは,今回も多くの方にご投稿を頂き,昨年を上回る27件の発表となりました.この中には,OCS論文賞,奨励賞の方のポスターも含まれます.会場ではポスターを前に活発な議論や意見交換が行われました.光通信のこれからを担う若手の方とエキスパートの交流の機会を設けることで,業界全体の活性化を目指したいと考えており,今後も継続の予定です.次回も是非皆様のご投稿をお待ちしております.

ポスターセッションの様子 ポスターセッションの様子

ワークショップ1

 はじめに,ワークショップ1の座長の関根賢郎氏(日立)から,「エレクトロニクス産業において,かつて世界市場を席巻した日本メーカーが転換点を迎えている一方,国際競争力を高めた一部のグローバル企業が世界市場で飛躍を遂げている.世界の情報通信産業で今起きていることを知るとともに,グローバル市場での成功例を学ぶことで,光通信業界の一層の振興に向けた一助となることを期待する.」との趣旨が述べられ,「世界の成功例に学ぶICT国際競争戦略」というテーマで,以下の講師の方々からご講演を頂きました.
 田中辰雄先生(慶大)からは,「モジュール型から統合型への回帰」と題してご講演頂きました.ここ20年,IT産業において,製品やサービスを自由に組み合わせ可能なモジュールに分け,オープンにして市場に提供する製品が優勢になった一方,近年は,ひとつの企業がまとめて製品・サービスを提供する統合化への回帰の動きがあることについて,実証分析を交えながらお話し頂きました.
 滝広眞利様(ファーウェイ・ジャパン)からは,「光伝送市場におけるファーウェイのグローバルR&Dとビジネス展開」と題してご講演頂きました.1988年の会社設立から現在までの同社の光伝送機器分野における研究開発とグローバル展開の歴史,今後の展望についてご紹介頂きました.特に,先進国,新興国を含むグローバル市場において,同社がどのようにビジネスを拡大してきたのか,お話し頂きました.
 織田常治様(Broadcom Japan) からは,「Broadcom Drives the Next Wave of Innovation」と題してご講演頂きました.1991年にファブレス半導体メーカーとして設立後,1998年にNASDAQ上場を果たし,通信向け半導体事業製品を中核としてハードウェア/ソフトウェアを取り扱ってきた同社の歴史,組織,業界動向を通じて,同社のグローバル市場における成長の原動力についてお話し頂きました.
 小黒正樹様(元・三星電子)からは,「急成長するグローバル企業の製品開発 強さの秘密」と題してご講演頂きました.近年急成長を遂げてきた三星電子(サムスン電子)の強さの秘密は,いかに早く結果を出すかという“最短距離経営”にあるとの分析をご紹介頂き,顧客第一,市場第一志向における同社の製品開発・グローバル化や,スピード量産と品質管理をどのように行っているのかなど,日韓を対比しながらお話し頂きました.

担当委員: 中戸川,神田,丸田,谷澤

懇親会

 若手研究者からご重鎮まで,約160名の方にご参加頂きました.水落委員長からの「Change before you have to(変革せよ,余儀なくされる前に by ジャック・ウェルチ)」のメッセージと共に乾杯し,懇親会がスタートしました.今年は講演者の方々にもご出席頂くことができ,幅広い交流を図って頂けたのではないかと思います.最後に,富澤副委員長の挨拶で懇親会を締めました.

水落委員長の挨拶および乾杯 富澤副委員長の挨拶

ランプセッション

 今年のランプセッションは,ご参加いただいた皆様に「光の夢」を語って頂き,ご披露頂くというスタイルで開催いたしました.飛び入り(?)で話題を提供いただきました植之原先生(東京工業大学),塙先生(山梨大学),前田先生(東京理科大学)の楽しい夢に引き続き,年齢層にかかわらず活発に「夢」を語っていただき,フランクな雰囲気の中で,みなさんの懇親を深めていただきました.
 ご参加いただきました皆様,ありがとうございました.来年も,さまざまな趣向でランプセッションを盛り上げたいと思いますので,ご参加いただければ幸いです.

担当委員: 佐々木,山田,吉田,関根

NTT 米永氏の司会 東工大 植之原先生 山梨大 塙先生 東京理科大 前田先生

招待講演

 招待講演セッションは,例年,光通信技術に関連のあるシステム・技術動向を,各分野の第一線でご活躍されている方を講師としてお招きして開催しています.本年は,ITS技術の最新動向と将来ビジョン,超高速無線通信技術,Ethernetの歴史について,3件の講演を企画致しました.
 三菱総研 杉浦様からは,情報通信技術を活用したITSの最新事例と将来目指すクルマ社会の方向性について,東工大 府川先生からは,伝送速度10Gbpsを超える最新の移動通信技術と8x16 MIMO-OFDM伝送実験について,日本シエナコミュニケーションズ 瀬戸様からは,生誕40年を迎えたイーサネットの誕生から今日の発展に至るまでの歴史についてそれぞれご講演いただきました.
 また,IEEE Communications Society Japan Chapter主催 招待講演では,NTT 島野様に具体的なユースケースも交えたSDN,NFVの研究開発動向・標準化動向について,IEEE Photonics Society Japan Chapter主催 招待講演では,産総研 並木様に光通信におけるファイバ中の非線形光学過程に関するこれまでの研究開発の経緯と今後の展望についてそれぞれご講演いただきました.
 ご講演は,これまでの通信技術の変遷の振り返りから,クルマという他分野における将来ビジョンの実現に向けた技術普及戦略,光通信技術に先行する無線通信技術の最新技術動向に至るまで多岐にわたる興味深い内容で,参加者の皆様も今後の光通信の方向性を考える上での参考になったのではないかと思います.
 最後に,招待講演を共同で企画いただいた,超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会(PIF),IEEE Communications Society Japan Chapter,IEEE Photonics Society Japan Chapterの関係各位のご協力に感謝いたします.

担当委員: 松田,田島,高橋,西山

ワークショップ2

 ワークショップ2は,座長の福知清氏(NEC)から,400G/1Tbpsとグローバル化をキーワードに趣旨をご説明頂いて幕を開け,「これだけは聴いておきたい400G/1T光通信技術」というテーマで,デバイス/コンポーネントからキャリア/オペレータの分野における第一線の4名の研究者に,400Gbps/1Tbpsの実現とビジネスの成功に向けた最新のデバイス/システム技術およびグローバル戦略に関するご講演を頂きました.
 大原拓也様(NTT)からは,400G/1Tに向けた光通信システムのご説明を頂き,ITU-T,IEEE,OIFでの標準化の議論の動向と日本からの発信についてご紹介頂きました.さらに,多値変調,マルチキャリア伝送と言った近年の技術トレンドを含む研究開発動向及び,将来的な観点から適応変調,フレキシブルグリッド,エラスティックネットワークなどの技術トレンドを展望して頂きました.
 平野正晃様(住友電工)からは,近年の高速伝送技術ではOSNR改善が必要なことから,ファイバの損失低減,非線形現象の抑圧の重要性についてご説明され,極低損失なコア径拡大純シリカコアファイバについて述べて頂きました.さらに,光ファイバの性能指数を導出し,次世代光ファイバについて考察して頂きました.
 向原智一 様(古河電工)からは,ディジタルコヒーレント伝送用の狭線幅波長可変光源の重要性をご説明頂き,高出力・低消費電力の波長可変光源及び偏波多重16QAM伝送実験について紹介頂きました.さらに,周波数利用効率の向上を目指したエラスティック光ネットワーク技術のための光源についてもご紹介頂きました.
 星田剛司様(富士通)からは,最初に,スペクトラム密度の向上による大容量化に向けた技術として,一層の多値化への対応,ナイキストフィルタリングなどのスペクトラム整形,高精度搬送波周波数制御などのためのディジタル信号処理の高度化に関するご説明を頂きました.さらに,長距離伝送を可能にするための非線形対策技術として,国内外での研究グループから報告されている各種のアプローチについて紹介頂きました.

担当委員: 神尾,山本,森,小田

展示会

 過去最多の24社(共同出展3社含む)に御出展頂き,最新の装置やデバイス等の情報ご紹介頂きました.また,昨年に引き続き4件の情報通信研究機構委託研究成果の展示が行われました.
 多数のシンポジウム参加者にお立ち寄りいただき,活発な意見交換をしていただくことができました.出展各社の説明員の皆様,および展示会にお立ち寄り頂きました参加者の皆様に感謝いたします.来年も展示会を開催予定ですので,ご出展のご検討宜しくお願い致します.

担当委員: 市井

展示会の様子 (企業展示) 展示会の様子 (企業展示) 展示会の様子 (企業展示) 展示会の様子 (国家プロジェクト展示)

広報担当: 森,斧原
最終更新: 2014-01-10 (金) 18:18:41 (1438d)