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第25回 光通信システムシンポジウム 開催報告

 12月15日(木),16日(金)の2日間,東レ総合研修センターにて年末恒例の光通信システムシンポジウムを開催しました.今回の参加者総数は193名を数え(事前申し込み183名,当日参加10名),開催場所を東レ総合研修センターに移して以来最多の参加者数となりました.今回から新たにポスターセッションを設け,例年よりも多数の若手研究社の皆様にも参加・発表して頂きました.両開催日とも晴天に恵まれ,写真のような綺麗な富士山を眺めることが出来ました.
 尾中委員長による開会の挨拶に続いてシンポジウムを開始いたしました.以下に,各セッションの模様を報告致します.今回ご参加頂きました皆様には,来年も引き続きご参加頂き交流を図っていただければ幸いです.また,残念ながら参加されなかった皆様には,次回以降のご参加ご検討をお願いできれば幸いです.

東レ総合研修センター
東レ総合研修センター
富士山
会場から見た富士山
尾中委員長の開会の挨拶
尾中委員長の開会の挨拶
講演会場の様子
講演会場の様子

基調講演

 今回の基調講演は,KDDI研究所 主席特別研究員/東京工業大学大学院 連携教授の秋葉重幸氏をお招きして,「光通信システム これまでの歩みとこれからの道 −果てしなき挑戦−」と題してご講演いただきました.過去のデバイス・ファイバ・システムの開発の経緯について触れていただいた上で,研究の最前線でご活躍されてきたこれまでの経験から将来にわたる光通信の絶えざる発展に対して力強い御提言を頂きました.

2011年OCS表彰式

 基調講演の後に,2011年OCS研究会の表彰式が行われました.2010年9月から2011年8月までに開催した光通信システム研究会に投稿し講演を行った論文を対象とし,特に優秀な論文を発表した著者に論文賞が贈られます.また,30歳未満の発表者のうち,有為と認められる新進の研究者に奨励賞が贈られます.各賞の選考結果は次のとおりでした.

  • 論文賞
    • 10G-EPON用デュアルレートOLT光送受信器の開発
      吉間 聡, 石井 健二, 白井 聡, 野田 雅樹, 鈴木 巨生, 野上 正道, 中川 潤一 (三菱電機)
  • 奨励賞
    • 周波数分割多重64 QAM-OFDM信号(420 Gb/s)の160 km伝送
      大宮 達則 (東北大)
    • 曲げ付与によるマルチコアファイバのクロストーク変化
      林 哲也 (住友電工)
    • マルチモードファイバ伝送におけるデジタルコヒーレント受信技術を用いたモード分散補償の検討
      森 崇嘉 (NTT)

 受賞者には,OCS研究専門委員会の尾中委員長から表彰状が授与されました.また,副賞としてダイヤモンドカットのクリスタルガラス盾と図書カードが贈呈されました. 表彰式の模様はこちらです.

担当委員: 高野

ポスターセッション

 今年から若手の研究者との交流を活性化することをも目的に30歳未満の若手研究者,及び論文賞・奨励賞を受賞された皆様をお招きしてポスターセッション(ポスター数合計20件)を開催しました.時間が限られた中ではありましたが,OCS研究会が扱う多岐に渡るシステム・デバイス・ファイバの最新研究成果を報告頂き,参加された皆様との御議論が活発に交わされました.

ポスターセッションの様子 ポスターセッションの様子

ワークショップ1

 ワークショップ1は,座長の萩本和男氏(NTT)から,震災による中継回線への影響と復旧の概況をご報告頂いた後に,「価値を作りたい」という氏の強いメッセージともに幕を開け,「情報通信ネットワークの社会貢献 〜さらなる安全安心な社会の実現を目指して〜」というテーマで,以下の講師の方々からご講演を頂きました.

  1. 滝澤修氏(NICT) 「東日本大震災における防災減災ICTの適用と今後の課題」
     「ICTで防災」(ICTを使った,発災前の予防・発災後の被害軽減)と「ICTの防災」(ICTそのものの耐災害性向上)という2つの観点より,災害対応システム例として被災状況収集用の携帯アプリ,及び高速走行探査群ロボットをご紹介頂き,そしてそれぞれのシステムの東日本大震災への実際の適用例についてご報告頂きました.また,災害対応システムに求められる要件として,「故障時にも完全でなくても一部が動作し続ける,ねばり強さ」「日頃から使われていること」等,現実に裏打ちされたご提言を頂きました.

  2. 福井将樹氏(NTT) 「大規模災害に強い通信ネットワークの実現に向けて研究開発に期待すること」
     はじめに,被災地と被災ビルの現状を,多数の写真を交えご紹介頂きました.破壊され,泥まみれになった,ケーブル・伝送装置・局舎の凄惨な姿には,会場を占める光通信事業の従事者の誰もが圧倒され驚愕するばかりでした.そして災害に強いNWに向けた課題として,「エラー防止機構の災害時融通性」「人手で対処できるように」「消費電力を下げるための縮退運転」「全部救うのではなく,救わないといけないものを区別」「装置・パッケージの互換性」「復旧させやすいNW」等,これまでにない視点から多くのアドバイスを頂きました.

  3. 牛尾知雄氏(阪大) 「気象レーダネットワーク」
     急速かつ局所的に発生する集中豪雨・竜巻の予兆の検出を目的として,これまでの大型レーダの弱点を補い,高時間分解能な超小型レーダを面的にネットワーク配置するネットワークレーダについて,大阪エリアでの実適用例・測定例を交え,ご紹介頂きました.また,1000台の小型レーダを日本全土に配備し,各レーダが協調的かつ適応的にデータ処理することにより,ユーザー要求に応じてオンデマンドに局所的な気象情報・予報解析値を配信するシステムの構想もご紹介頂きました.

  4. 佐藤健一氏(名大) 「次世代通信ネットワークを支えるフォトニック技術」
     高精細・大画面・多カメラ等の魅力溢れる最新映像技術と,これらの最新映像技術に基づくトラフィックが次世代通信ネットワークに与えるインパクトをご説明頂きました.そして現在のNWにおける2つのボトルネック(IP領域と光領域間のスループット限界,及びルーターの消費電力限界)を打破する技術として,ルータのカットスルー技術,光ラベル/サーキットSW技術を軸とする次世代フォトニック技術について,そのコンセプトから実検証例に至るまで詳細にご解説頂きました.
担当委員: 関根,田島,松田,丸田

懇親会

 懇親会は,150名を超える皆様に御参加頂きました.尾中委員長の挨拶および乾杯で和やかに懇親会が開始されました.例年より混雑した会場ではありましたが,OCSシンポジウムも25回目を迎え,大いに過去から将来に渡る光通信業界の議論で盛り上がり盛会となりました.最後に通信ソサイエティー委員長でもいらっしゃいます萩本氏(NTT)のご挨拶で懇親会を締めました.

OCS尾中委員長による乾杯 NTT萩本氏のご挨拶

ランプセッション

 昨年に引き続き,前田先生(東京理科大)の司会により行われました.冨田様(NTT),笠様(ソフトバンク),山本様(NICT)より,御自身の経験にもとづく話題提供をいただきました.会場からご意見をいただきました皆様にも感謝いたします.

担当委員: 松尾,斧原,高橋,中戸川

招待講演

 招待講演セッションでは,シンポジウムの統一テーマに掲げられた“光通信の社会的役割”を踏まえ,OCS研究会に関連のある各種社会インフラの研究・技術動向について,3件の講演を企画致しました.
 NTT 木村様からは,災害に対する光アクセスネットワークの施策例と,震災を振り返った上で,今後検討が必要となる課題について,NEC 新井様からは,各国,地域でのスマートグリッドの標準化動向と,ICTと電力技術の融合の方向性について,NTT 野崎様からは,建物,空調,電力供給など様々な観点から検討が進むデータセンターにおける低消費電力化技術について,それぞれご講演をいただきました. ご講演者からは,災害に対する各インフラでの対策や,今後の進展について,広い範囲で興味深い内容をご提供いただき,インフラの重要性を改めて認識する上で,新たな知見を得られた参加者もいらしたのではないかと思います.
 また,IEEE Photonics Socirty DL講演会では,上智大 岸野先生にGaNナノコラムのプロセス技術,可視光域でのLED,Laserへのデバイス応用など,光の適用分野として,注目の高い領域についてご講演いただきました.
 最後に,招待講演を共同で企画いただいた,IEEE Photonics Society Japan Chapter,超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会(PIF),信学会 フォトニックネットワーク研究専門委員会の関係各位のご協力に感謝いたします.

担当委員: 青木,植之原,神尾,山田

ワークショップ2

 ワークショップ2では,「光通信を支える技術の進展」というテーマで,25年の歩みと将来展望に関して御講演頂きました.
 講演に先立ち,KDDI研究所鈴木座長から光ファイバ通信技術の変遷およびエポックメーキングをまとめて頂きました.
 東京工業大学小林功郎先生からは「光デバイスR&Dから見た光通信の発展と新たな展開」というタイトルで,1960から2000年代までの半導体レーザの研究開発の歴史を振り返られました.今までの開発を振り返って,システム分野v.s.デバイス分野といった組織内だけでなく,国内v.s.国外でも切磋琢磨し合うことで,国内・国際会議で方向性の主張し,道筋を判断されてきたという経験を紹介して頂きました.
 フジクラ山内良三様からは「シングルモードファイバ技術の進展と今後の展望」という題目で,光ファイバの進化の歴史を振り返って,ご報告されました.2010年時点で1.9億km程度の光ファイバが使用されており,その半量が中国に敷設されているという現状もご紹介頂き,今後のマルチコア化などの技術開発のポイントを御講演頂きました.
 「光増幅技術について:さらなるイノベーションはあるか」というタイトルで,産業技術総合研究所並木周様から光増幅器にまつわる3つのエピソードと教訓をご紹介頂きました.自分が開発していたポンプ用レーザを如何に活用するかを考えラマンアンプを提案されましたが,最後の導入時期にFEC技術が台頭して来て,ラマンアンプを活用する場が奪われたというご経験から,システム全体で真の価値を見極め,本当のライバルを見誤らないことが大切であることをご指摘頂きました.
 富士通寺原様からは「光ノード技術の進展と今後の展開」というタイトルで,2010年に北米光機器シェアNo.1に輝いた理由を分析されました.メトロ網での使いやすさ,顧客のビジネススピードに対する即応性がポイントであったことをご説明されました.WSSを使用してROADMを実現したことで,多機能化を実現するとともに,ネットワーク設計ツールも作成して顧客に対応した経験をお話されました.
 最後に,NTT宮本裕様からは「大容量光ネットワークにおける超高速光変復調技術の進展」と題して,10Tbps光ネットワーク,その先の100Tbps級ネットワークを実現する技術を御講演頂きました.ディジタルコヒーレント技術を活用した100G端末の実現について,ポイントはDSPであり,その実現には日本の技術を結集したことを御紹介頂きました.

担当委員: 五十嵐,賀川,山本,吉田

展示会

 例年通り測定器・デバイスなど15社様に御出展頂き,最新の装置やデバイス等のご紹介をして頂きました.また,昨年に引き続き3件の情報通信研究機構委託研究成果の展示が行われました.
 多数のシンポジウム参加者にお立ち寄りいただき,活発な意見交換をしていただくことができました.出展各社の説明員の皆様,および展示会にお立ち寄り頂きました参加者の皆様に感謝いたします.

担当委員: 斎藤

企業展示 (東陽テクニカ, 光貿易) 企業展示 (理経, イクシアコミュニケーションズ, サンインスツルメント) 企業展示 (santec, ハイテック, レクロイ・ジャパン) 企業展示 (オプトサイエンス, セブンシックス/ワカ製作所/トリマティス, Tektronix) 企業展示 (アジレント・テクノロジー, アンリツ, オプトゲート, アイウェーヴ) 国家プロジェクト展示 (革新的光ファイバ技術, ユニバーサルリンク, けいはんなオープンラボ)

広報担当: 森
最終更新: 2012-01-25 (水) 21:56:10 (2093d)