NV特別研専について

活動時期:平成23年4月1日~平成29年3月31日

 

 情報通信システムは様々なサービス提供に利用され、社会・経済活動の根幹を支える必要不可欠な社会インフラになりつつあります。また、クラウドに代表されるように、情報通信リソースの所有から遠隔利用へとパラダイムシフトが加速してきております。そのため、様々な要求に対応し、且つ遠隔からの安定したサービス提供技術が今後ますます重要になると推測されます。そこで、これまで注力してきた量的高性能化に加え、エンドユーザの多種多様な要求を満たすカスタマイズ可能な情報通信インフラの実現、最新機能を迅速に導入可能とする持続的な進化技術、また増大するネットワークトラヒックの効率的な収容や巨大化する情報通信システムの管理容易化、また遠隔からの質の高い安定した情報通信リソースの提供技術等の開発が強く期待されております。
 これら多様な要求に応える次世代のネットワークを実現するため、ネットワーク資源、計算機資源、及びストレージ資源等から構成される物理インフラ上に様々なサービスを提供可能とする論理的なネットワークを構成するネットワーク仮想化技術の確立が必須であります。北米では、NSFが推進するGENI(Global Environment for Network Innovations)プロジェクトやACM SIGCOMM VISA(Virtualized Infrastructure Systems and Architectures)等の著名な会議を中心に、ネットワーク仮想化技術の開発や実証実験のための全米規模のテストベッド構築を加速し始めております。また欧州においてもFramework Program 7のもと、ネットワーク仮想化の研究や欧州全域に跨る大規模なテストベッド構築を加速しております。
 ネットワーク仮想化は、上記に示されるように欧米において次の世代のネットワークを実現するために必要な極めて重要な技術としてとらえられ始めております。国内においては、2009年度よりテストベッドであるJGN2plusを利用し、ネットワーク帯域のみならず、ストレージやCPUを含めたリソース仮想化による仮想化ネットワークの研究開発や、ユーザへの仮想リソース提供に向けたエンハンスを推進しています。また日本としても、ネットワークを介した多様なサービス提供を実現し、社会・経済活動の活性化を強力に推進するため、幅広いコミュニティの叡智を結集することによりネットワーク仮想化の研究開発を活性化し、今後の社会を支える競争力のあるネットワーク技術の早期確立を目指す必要があります。

 本特別研究専門委員会においては、情報ネットワーク、ネットワークシステム、インターネットアーキテクチャ、コミュニケーションクオリティ、フォトニック&ワイヤレスネットワーク、アドホックネットワーク、ユビキタス・センサネットワーク、オペレーション&マネジメント、サーバ仮想化、クラウド等の様々な分野の専門家から委員を構成し、多様な論理ネットワークを複数同時に実現するために必要なネットワーク仮想化技術に関する議論の場を提供します。また、ネットワーク業界とコンピュータ業界の連携を強化し、データを伝送するだけのネットワークから、情報処理サービスを提供するネットワーク環境の実現を推進します。さらに、研究開発や技術の実証を促進するためのテストベッドや社会的効果に関する議論も合わせて行い、ネットワーク仮想化におけるコアコンピタンス技術となる課題の明確化と研究開発の加速を支援します。

  1. ネットワーク仮想化アーキテクチャ
    ネットワークアーキテクチャ、コンピュータ連携ネットワーク、光・電気・有無線統合制御管理、マルチレイヤー統合制御管理、自己組織化・自律分散制御管理、ネットワークサイエンス、ネットワークフェデレーション、Disruption/Delay Tolerant Network
  2. ネットワーク仮想化アプリケーション
    サービス・分散プラットフォーム、制御・伝送プロトコル、ネットワークミドルウェア、サービス運用管理、ネットワーク仮想化サービス提供、ネットワーク内プロセッシング、クラウド・データセンター連携、オーバレイネットワーク
  3. サーバ連携仮想化通信基盤
    光ネットワークスイッチング、プログラマブルルータ・スイッチ、モバイル・無線ネットワーク、アドホック・センサネットワーク、ネットワークリソース仮想化、サーバ・ストレージ仮想化、グリッド連携、省電力ネットワーク
  4. ネットワーク仮想化セキュリティ
    セキュリティ評価指標・手法、セキュア仮想化基盤、ネットワーク情報管理、セキュアリソース制御管理、セキュアサービス、セキュアネットワーキング
  5. ネットワーク仮想化実証・評価
    テストベッド構成、テストベッド運用管理、リソースモニタリング、課題・要求・効果のアセスメント