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研究賞2013年被表彰者

委員による厳正な審査の結果、2013年の優秀研究賞・学生研究賞はそれぞれ以下のように決定しました(2013年1月22日公表)。なお、規程に基づき、優秀研究賞は共著者を含む全員、学生研究賞は筆頭著者である学生が表彰の対象となります。

優秀研究賞 (Best Paper Award)

受賞者
  • 大森寛文(野村総合研究所)
タイトル
電機業界における経営課題の認識構造と実行動に関する知識の発見〜知識の構造化論とテキストマイニングの融合〜
  • 2013年9月13日 第3回テキストマイニング・シンポジウムにおける発表
概要
本研究では、(1)テキストマイニングが「二重の『意味の喪失』」問題を本質的に抱えていること、(2)抽出した単語を構造化するための手法が十分に確立されていないこと、(3)企業実務の一環として導入するほどに手法が洗練化されているとはいえないことを踏まえ、「知識の構造化論」を手掛かりに、その解決の一端を見出しつつ、新たな方法論を提示した上で、その実践事例を示す。実践事例のリサーチクエスチョンは、(1)低迷著しい電機界において業績の明暗を分けた要因は何か、(2)業績類型別に経営課題の認識構造にどのような差があるか、(3)経営課題の認識構造と経営理念とにはどのような関係があるか、(4)業績の悪い企業は経営課題を正しく実行したのか、の4点である。
選奨理由
    • 問題の構造を反映したモデルによる分析で傾向をあきらかにしたテキストマイニングらしい発表.印象に残っている.
    • 知識の構造化論とテキストマイニングを融合した知識発見のプロセスモデルを用いて、電機業界の業績の明暗を分ける要因に関する知識を探索しており、興味深い。
    • よく言われる技術云々の話がテキストマイニングの結果にも出ているという点は示唆深く、会場でも議論が盛り上がった。特に経営課題の時系列変化に着目して分析している点が興味深い。

学生研究賞 (Best Student Paper Award)

受賞者
  • 服部真智(青山学院大学)
タイトル

照応解析システムANASYS〜文の意味解析〜文の意味解析から得た意味素性に対するナイーブベイズ法によるゼロ照応解析〜

  • 2013年12月 第5回集合知シンポジウムにおける発表
概要
意味解析システムSAGEによる意味解析結果を基にゼロ代名詞の照応解析を行うシステムを開発した.先行詞になり易さを数値化するために,意味解析によって得られた語意の類似性に基づく概念距離得点や,共起関係詞と照応詞からの距離の2次元の座標軸を持つ確率分布など12種類の意味的な素性を設定した.NAISTテキストコーパスを用いてナイーブベイズ法で正解率の確率分布の学習を行い,その学習結果を用いて先行詞同定を行う.五分割交差検定の結果,外界照応を含めて62.47%の適合率を達成することができた.
選奨理由
    • 意味役割まで分析した結果から照応解析を成功させた正攻法の研究.意味処理での有用性が示されている点が面白い.
    • 照応解析の手法として,概念距離得点や照応距離の定量化など新しい方法論が興味深いと感じた.また,従来手法の性能を大きく改善した点が評価できる.

最終更新時間:2014年01月21日 18時07分42秒