◇情報処理学会 第164回 自然言語処理研究会
 電子情報通信学会 言語理解とコミュニケーション研究会

◎日 時 平成16年11月4日(木) 10:00 〜 17:30
             5日(金)  9:00 〜 17:15
             6日(土)  9:00 〜 12:15

◎会 場 広島市立大学 小ホール
     〒731-3194 広島市安佐南区大塚東三丁目4番1号
     ・広島市立大学 交通アクセス
      http://www.hiroshima-cu.ac.jp/guide/index.html

〔連絡先〕・研究会に関すること

      * 自然言語処理研究会
       白井清昭(北陸先端大)
       Tel: (0761)51-1216, Fax: (0761)51-1216
       E-mail: kshirai@jaist.ac.jp

      * 言語理解とコミュニケーション研究会
       宇津呂武仁(京都大学)
       Tel: (075)753-5345, Fax: (075)753-5962
       E-mail: utsuro@pine.kuee.kyoto-u.ac.jp

     ・会場に関すること
       難波英嗣(広島市立大学)
       Tel: (082)830-1584, Fax: (082)830-1584
       Email: nanba@its.hiroshima-cu.ac.jp

       (問い合わせはできるだけ電子メイルでお願いします)

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【プログラム】(発表件数31件)

11月4日(木) ― 10:00 〜 17:30 ―
[10:00 〜 12:00] ● 表理解、アライメント、抽出       〔4件〕
[13:15 〜 15:15] ● 解析                  〔4件〕
[15:30 〜 17:30] ● 知識獲得、知識表現、生成        〔4件〕

11月5日(金) ―  9:00 〜 17:15 ―
[ 9:00 〜 10:30] ● 検索、要約               〔3件〕
[10:45 〜 11:45] ● 特別セッション「言語理解と行動」(1) 〔2件〕
[13:00 〜 15:00] ● 特別セッション「言語理解と行動」(2) 〔4件〕
[15:15 〜 17:15] ● 特別セッション「言語理解と行動」(3) 〔4件〕

11月6日(土) ―  9:00 〜 12:15 ―
[ 9:00 〜 10:00] ● ストーリー抽出             〔2件〕
[10:15 〜 12:15] ● Web情報処理             〔4件〕
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11月4日(木) ― 10:00 〜 17:30 ―

[10:00 〜 12:00] ● 表理解、アライメント、抽出       〔4件〕

 1. 常識判断に基づく,知能ロボットのための表理解システム
  ○権東旭, 古川成道, 渡部広一, 河岡司(同志社大学)

  概念ベースに基づく連想機能や常識判断機能を用いて,コンピュー
  タに,人間のように常識的な表の理解を行わせるシステムの構築

 2. 隠れマルコフモデルを用いたプレゼンテーションシートと論文の対応付け
  ○羽山徹彩(北陸先端大), 難波英嗣(広島市立大学), 國藤進(北陸先端大)

  論文からのプレゼンテーションシート自動作成を目的とし,既存の
  プレゼンテーションシートと論文との関係を分析している.本発表
  ではプレゼンテーションシートに対応する論文の章・節を特定する
  手法について提案する.

 3. 感情表現の抽出手法に関する提案
  ○中山記男(総合研究大学), 江口浩二, 神門典子(国立情報学研究所)

  ブートストラッピング法を改良することで、感情が表現されている
  部分の抽出を行い、感情表現の辞書構築を試みた。

 4. テキストコーパスから属性関係を抽出する
  ○高橋哲朗, 乾健太郎, 松本裕治(奈良先端大)

  テキスト中から{対象物,属性名,属性値}の組を抽出するタスクを設
  定し,パタンと統計量を組み合わせた手法を用いて行なう.

[13:15 〜 15:15] ● 解析                  〔4件〕

 5. 境界認定の提案:(1) コンセプトと実現法
  ○佐藤理史(京都大学)

  形態素解析に代わる新しい日本語文解析の第1ステップとして、境
  界とその種別を認定する「境界認定」という新しい枠組を提案する。

 6. 境界認定の提案:(2) 背景と思想
  ○佐藤理史(京都大学)

  「境界認定」の背景と思想を述べ、これまでの「単位認定」と、ど
  こがどのように異なるかを明らかにする。

 7. 音韻論的・形態論的制約を用いたモンゴル語形態素解析
  ○Sanduijav ENKHBAYAR, 宇津呂武仁, 佐藤理史(京都大学)

  少数のモンゴル語句生成規則により句候補を生成し,形態素解析辞
  書を作成.辞書検索することにより,モンゴル語形態素解析を行う.
  
 8. フェイスシートとの関係を利用した自由回答アンケートの分析
  ○内山将夫(情報通信研究機構), 大塚裕子(計量計画研究所),
  井佐原均(情報通信研究機構)

  フェイスシートと回答テキストとをそれぞれ確率変数として,それ
  らの間の相互情報量に基づき,自由回答アンケートを分析する方法
  を示す.

[15:30 〜 17:30] ● 知識獲得、知識表現、生成        〔4件〕

 9. 可読性の向上を目的とした片仮名表記の外来語に関する換言について
  吉田辰巳, ○遠間雄二, 酒井浩之, 増山繁(豊橋技科大)

  対応する英単語をルールにより復元し,その日本語訳を辞書で求め,
  候補を絞りこみ, 片仮名外来語の換言知識を獲得する手法の提案.
  
10. 未知語の概念ベクトル推定手法
  ○別所克人, 奥雅博(NTT)

  概念ベクトルは、他の単語との共起パターンから導出される単語の
  意味表現であり、概念ベクトルの集合を概念ベースと呼ぶ。本稿で
  はあらかじめ用意された概念ベースに含まれない未知語の概念ベク
  トル推定手法を提案する。

11. 意味フレームを用いた知識構造の言語への効果的な結びつけ
  ○黒田航, 井佐原均(情報通信研究機構)

  本発表では,日本語のための意味役割タグ体系を定義するために黒
  田・井佐原2004が提唱した枠組みを発展させ,意味フレームによっ
  て記述された知識構造(の断片)を言語表現と結びつけるための一手
  法を提唱する.

12. 心像意味論とHPSGを用いた文生成について
  ○笠晃一, 横田将生(福岡工業大学)

  文の意味解析に必要な意味記述は完成しているので、文生成にあたっ
  て必要となる意味素性の拡張を提案する。


11月5日(金) ―  9:00 〜 17:15 ―

[ 9:00 〜 10:30] ● 検索、要約               〔3件〕

13. 程度語の序列化と自然言語感性検索への応用
  ○熊本忠彦(情報通信研究機構)

  印象に基づく楽曲検索における「比較的」や「なるべく」などの程
  度語(119語)の扱いについて考察する。

14. 文章構造と意味ネットワークを用いた句抽出による自動要約
  ○江上修平, 永井秀利, 中村貞吾, 野村浩郷(九州工業大学)

  概念類似度による意味ネットワークや文章論に基づく文章構造解析
  から句抽出により新聞社説記事の要約文章を生成する.

15. 動向情報の要約と可視化に関するワークショップの提案
  ○加藤恒昭(東京大学), 松下光範, 平尾努(NTT)

  複数文書に分散した様々な動向(ガソリン価格や内閣支持率の変化
  等)を文章や図表で要約・可視化するという研究課題を提案し,利
  用可能なデータを紹介する.

[10:45 〜 11:45] ● 特別セッション「言語理解と行動」(1) 〔2件〕

16. 言語理解と行動制御
  ○田中穂積(東京工業大学)

  音声認識、言語処理、CG技術を統合化して、自立したソフトウェア
  ロボットを仮想空間内で行動させる研究の概要について報告する。

17. 状況依存の一語発話とその解釈
  ○飯田仁(東京工科大学)

  日常会話における一語発話の解釈を言語行為論における適切性条件
  に基づき説明し、その解釈法を議論する。

[13:00 〜 15:00] ● 特別セッション「言語理解と行動」(2) 〔4件〕

18. シソーラスを用いた意味フレーム階層ネットワークの効率的構築
  ○金丸敏幸(京都大学)

  本発表では、上位語をシソーラスの分類に従ってまとめていくこと
  によって、黒田・井佐原2004で提唱された意味フレーム分析に利用
  できる階層的ネットワークを得るための一手法について提案する。

19. 適応的原理に基づく言語理解
  ○野澤元(京都大学)

  命令のような行動指導的表現ではなく、状況記述的表現によって、
  表現の理解者が目標行動へ至る過程を、行動の適応的モデルによっ
  て説明する。

20. 料理教示発話の理解と作業構造の自動抽出
  ○柴田知秀, 黒橋禎夫(東京大学)

  料理番組のクローズドキャプションを対象とし,構文・格・省略・
  談話構造解析を行って,料理作業の構造を自動抽出する.

21. 料理動作のアニメーション生成に関する研究
  ○白井清昭, 大川寛志(北陸先端大)

  レシピ文からアニメーションを生成するシステムの構築を目指し、
  多様な料理動作を動画に変換する試みについて述べる。

[15:15 〜 17:15] ● 特別セッション「言語理解と行動」(3) 〔4件〕

22. 事象の認識による発話生成に向けて
  ○小南光, 齋藤豪, 奥村学(東京工業大学)

  仮想世界を実験環境として用い、落ちる・ぶつかるなどの事象を認
  識し、状況にふさわしい発話表現を生成する手法を提案する。

23. 日本語空間名詞の分類
  ○徳永健伸, 小山智史, 斎藤豪(東京工業大学)

  本発表では,「右」,「左」,「前」,「後」など,日本語の空間
  名詞を分類し,その意味をポテンシャル関数によって与える枠組に
  ついて述べる.

24. 自律移動ロボットのためのフレームベース音声対話システム
  ○牧野正三, 小梨貴史, 伊藤彰則, 鈴木基之(東北大学)

  各タスクはフレームで記述され,さらにフレームのスロットに情報
  を入力することによって,それを実質語とした文節を生成し,文節
  と間投詞の組み合わせによって文候補を確率的に生成する.入力と
  文候補の比較により,タスクを同定し,さらに文を認識しスロット
  情報を同定する.

25. 誤認識データベースを用いた単語音声認識方式
  ○葛谷紳, 渡部広一, 河岡司(同志社大)

  知能ロボットの単語音声認識において,誤認識データベースを用い
  た補正により認識率の向上を図る方式


11月6日(土) ―  9:00 〜 12:15 ―

[ 9:00 〜 10:00] ● ストーリー抽出             〔2件〕

26. サブストーリーモデルに基づく文章の流れの抽出
  ○砂山渡, 橘啓八郎(広島市立大学)

  文章のサブテーマとその流れをモデル化したサブストーリーモデル
  について述べ,サブストーリーを表す単語を評価する方法の提案を
  行なう.

27. 重要文抽出を利用したテキストからのストーリー抽出
  ○相良直樹(大阪大学), 砂山渡(広島市立大学), 谷内田正彦(大阪大学)

  本研究ではテキストのストーリーをメインストーリーとサブストー
  リーの組み合わせであると定義し、重要文抽出を利用してこれを抽
  出する。

[10:15 〜 12:15] ● Web情報処理             〔4件〕

28. 嗜好を考慮した評判情報検索手法
  ○矢野宏実, 目良和也, 相沢輝昭(広島市立大学)

  Web上の評判情報を解析し,構文情報に基づいて各評価属性の程度
  と信頼度を算出する.さらに嗜好情報を用い,嗜好に沿った対象を
  優先して提示する.

29. Web上のテキスト情報を用いた人物評価手法
  ○緒方進, 牟田高信, 木本勝敏(NTTドコモ)

  インターネットコミュニティ上に存在する人物を、EQを用いて尺
  度を統一しつつ 自動的にWeb上のテキスト情報を用いて評価す
  る手法の検討結果を報告する.

30. 検索支援に向けたWeb文書集合から用語獲得
  ○山本英子(情報通信研究機構), 池野篤司, 濱口佳孝(沖電気),
  井佐原均(情報通信研究機構)

  検索の補助となるようユーザに提示することを考慮し,Web文書集
  合から用語獲得を行なう.

31. 統計的に獲得された用語への属性ラベル付与
  ○池野篤司, 濱口佳孝(沖電気), 山本英子, 井佐原均(情報通信研究機構)

  情報抽出用の辞書作成のために、Webページなどの大規模文書セ
  ットから統計的に獲得された用語に属性ラベルを付与する試みにつ
  いて報告する。