第2回「EMC設計対策コンテスト」
「EMC設計対策コンテスト」も、皆様のおかげをもちまして今年度、再び開催することになりました。本コンテストは、日本におけるEMCの若手エンジニア、関連する研究室の学生を対象に2019年に第一回コンテストを開催しました。初めてのこころみで、手探りでの開催となりましたが多くの学校関係者、企業関係者のご協力の下、非常に好評を得ました。昨今、若い世代とベテランとの隔たりが取り沙汰される中、協力して知恵を絞り、開発し、組み立て、EMCの評価を実施しました。作品の評価は白熱し、どのプレゼンテーションも甲乙つけがたく、審査員も初回とは思えない力のこもりようでした。社会人の圧勝という主催者側も想定していない結果となる一方で、経験値、知識、組織力を考えると当然だったのかもしれません。社会人、企業はやはり強く、学生は胸を借りる戦いだったのかもしれません。コンテストには敗れてもすがすがしい学生諸君の笑顔が印象的な第一回コンテストの記憶となりました。 2020年はコロナ感染拡大をうけ世の中も教育の現場も制約され自由に研究もできず、対面での議論もできず、本研究会も全てオンラインでの開催を余儀なくされました。自由とはほど遠い環境の中でオンライン会議は新しい可能性をみせ、研究会や主催のワークショップでは、以前より遥かに多くの参加者を集めることとなりました。残念ながら対面の要素が強いEMC設計対策コンテストは中止せざるを得ない状況となりました。緊急事態宣言とまんえん防止措置が通常の生活となり議論はオンラインで行われるのが一般的となりつつある現在の状況においても、研究実験や議論は不便でやりにくい状況が続いています。EMCJ研究会ではこのような状況を逆手にとり、一歩踏み出してハイブリッドでのコンテストを目論みました。説明会やセミナーをオンラインで、EMC試験評価等をリモートで、プレゼンテーション、コンテスト、表彰式を現地とリモートを活用したハイブリッドで、まさにIoTフル活用の企画をおこないます。5G通信が声高に叫ばれる中、使える手段を駆使して現代のコンテストを開催します。 活発なEMC分野の取組も昨今では製品設計に浸透し、日常の電磁環境を意識する場面も少なくなっているのかもしれません。 CADや設計開発環境の充実により、若い世代が実務的に取り組むべき機会も減っているのかもしれません。一方で時代は5G、自動運転、無線給電と大きく変貌しており、EMCの関与は必須で、十分な知識と経験を持つ世代が減っていく中、むしろ若い世代のEMC分野への参加とその中での成長が重要と言えるかもしれません。 EMC設計対策コンテストは新たなEMCエンジニアの参入機会を促す絶好の機会と考え、将来を託す若手技術者を育成する機会と位置づけています。多くの企業、学校関係者の方の参加をお待ちしております。
電子情報通信学会 環境電磁工学研究専門委員会(EMCJ) 開催情報
|