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第1回EMCJ Touchpoint 参加企業・学生リスト

参加企業一覧(申込順)

企業名
1サンデン株式会社
2株式会社デンソー
3パナソニック コネクト株式会社
4マイクロウェーブファクトリー株式会社
5パナソニック ホールディングス株式会社
6株式会社オートネットワーク技術研究所
7株式会社日立製作所
8国立研究開発法人 情報通信研究機構

参加学生一覧(敬称略、申込順)

氏名 所属
ポスタータイトル
ポスター概要
1 北澤 太基 奈良先端科学技術大学院大学
Extraction of Audio Information From EM Emission Caused by Loose Connectors
When an electronic device is positioned near a speaker, speech information can be captured in unintentional electromagnetic (EM) emissions radiating from the device. This enables for the non-invasive retrieval of speech information from several meters without line-of-sight. Especially in this study, we explore a fundamental investigation into the feasibility of extracting audio information from EM emanations associated with "connectors with loosening." This is because a loose connector has an "unstable physical structure" at its internal contact boundary and is susceptible to vibrations induced by the sound from the speaker. Specifically, we aim to restore audio information by measuring the common-mode currents generated by "connectors with loosening" positioned near the speaker. Our experiments demonstrate that audio information can be retrieved by applying both amplitude and phase demodulation techniques to the measured common-mode currents when the torque value of the sub-miniature type A (SMA) connectors used in the experiment is set to less than 2.00 cNm.
2 赤塚 優輝 長野工業高等専門学校
Time and Frequency Domains Evaluation of Crosstalk on Differential Lines with Meander Structure
PCと外部モニタや外付け記憶媒体を接続するために,USB (Universal Serial Bus) やHDMI (High-Definition Multimedia Interface) が用いられている.特に近年では,データの大容量化に対応するため,通信線路として差動線路を有したUSB4の40 GbpsやHDMI2.1の48 Gbpsといった高速通信規格が用いられている.また,送信 (Transmitter: TX) と受信 (Receiver: RX) の通信線路がそれぞれ設けられ、TX×2 回線,RX×2 回線の合計4本の並列パラレル線路となっている.
これまでに,差動線路構造が変化するUSBコネクタ部やLSI (Large Scale Integration:大規模集積回路) とコネクタをつなぐミアンダ構造で発生する,電磁漏洩や信号品質 (Signal Integrity:SI) の劣化について検討してきた.しかしながら,プリント基板上 (Printed Circuit Board: PCB) においてTXとRXが隣接する差動線路間のクロストークについては明らかになっていない.
本研究では,TXとRX線路が隣接し,ミアンダ構造のパターン構造が変化する線路モデルにおいて,SIの評価並びに遠端クロストーク (Far End Crosstalk:FEXT) ,近端クロストーク (Near End Crosstalk:NEXT) を検討する.具体的には,有限差分時間領域 (Finite Difference Time-Domain: FDTD) 法により,USB4コネクタの通信帯域として求められている20 GHzまでの帯域において8 PortミックスドモードSパラメータ,ステップ応答に対するクロストークを解析する.これにより,SI,FEXT,NEXTとコモンモード放射などの関係を検討した.
3 垣内 隆志 岡山大学
M系列変調TDRにおけるバス型ネットワーク分岐部からの 反射パルス影響除去による検出感度向上
M系列変調TDRでは送出パルスと反射パルスの相互相関をとることで背景ノイズの影響を低減できることを利用し, バス型ネットワークにおける異常検出を検討している. M系列変調TDRでは, 送出パルスのシンボル長 Tc を小さくすることで, 相互相関の絶対値の増加, すなわち, 検出感度向上が見込める. しかし, 特性インピーダンスが同じ線路で構成されるバス型ネットワークにおいて送出パルスが分岐部を超える際, その振幅が 2/3 となるだけでなく, 分岐部から送出部に戻る反射パルスの振幅も1/3 となる. そのため, 分岐の向こう側に存在する異常からの反射パルスの振幅が分岐部からの反射パルスに比べて相対的に小さく, 異常検出の感度の低下が問題である. ここで, 異常に達するまでの分岐部から戻ってくる反射パルスは異常の有無に関わらず同じであることに着目し, 正常時, 異常時の反射パルスの時間波形の差分を取り, 分岐部で発生する反射パルスの影響を除去することにより異常検出の感度向上を検討した. 特性インピーダンスが 120 Ω の線路に容量性で 20 pF の異常が存在する時, 系列長 K = 63, シンボル長 Tc = 10 ns の M系列変調 TDR を適用したところ, 2つ目の分岐部の先にある異常検出の感度が 0.10 から 0.53 まで増加した. さらに, ノイズが存在する環境下でも異常検出の感度が向上できることを示した.
4 坂上 達哉 岡山大学
漏洩波形のSN比を用いた深層学習サイドチャネル攻撃耐性評価コストの削減
暗号回路から漏洩する物理的挙動を解析し,暗号を解読するサイドチャネル攻撃 (SCA) が提案され,情報漏洩の脅威となっている.また,深層学習を用いたサイドチャネル攻撃 (DL-SCA) は Masking 対策を実装した暗号回路に対して攻撃が可能であると報告されている.そのため,暗号機能が搭載された電子機器を設計する際,SCA 対策を行う必要がある.SCA 対策を行うにあたり,各対策に対して SCA 耐性評価を行う必要がある.しかし,DL-SCAでは解析を行わなければ耐性を評価できない.さらに,DL-SCA を行うには 1 万以上の波形が必要であり,測定に膨大な時間を要する.本論文では,DL-SCA 耐性評価のコスト削減のために,SCA 対策実行後の漏洩波形を模擬することで,評価に使用する漏洩波形の測定回数を削減する方法を検討した.提案手法では,ある一つの評価条件における漏洩波形を測定する.この漏洩波形に対して対策実装後の SCA 耐性となるノイズを重畳し,対策実装後の模擬波形を作成する.本検討によって少ない対策実装後の漏洩波形によって DL-SCA 耐性評価の予測を行う.今回,Masking 対策 AES を実装したマイコンを対象として,複数の観測点で漏洩波形を測定し,CPA を実行する.CPA 結果からノイズを作成し,ある一つの観測点の模擬波形を作成した.そして,DL-SCA を実行した結果,模擬波形による評価では実測した場合と 12 バイト中 9 バイトと一致した.
5 河野 一斗 岡山大学
三導体伝送系における 連続的な平衡度変化によるモード変換の電磁/回路連成解析
マイクロストリップ線路(MSL)を平行2本線路に直接接続すると,伝送線路の平衡度の差に比例したモード変換が起こり,これはモード等価回路モデルで表すことが出来る.本論文では,まずイミュニティ評価システムにおいて,平行2本線路とシステムグランド間の距離が連続的に変化する場合にモード変換が発生することを示す.モード変換は,平行2本線路がシステムグランドに垂直に配置されている場合に発生し,平行2本線路がシステムグランドに水平に配置されている場合にはモード変換は発生しない.次に,平行2本線路とシステムグラウンドの間の距離が変化するにつれて連続的に変化する平衡度を表すために,階段近似を使用することでモード変換を表現できることを明らかにします.モード変換によって生じるディファレンシャルモード電圧は,商用シミュレータHFSSの電磁/回路の連成解析を利用したモード等価回路モデルを用いて解析することに成功した.さらに,階段近似のステップ数を増やすことで,全波計算で得られたスペクトルに近づくことがわかった.
6 日室 雅貴 岡山大学
漏洩モデルが不確かな車載マイコンにソフトウェア実装されたAESに対する深層学習サイドチャネル攻撃評価
サイドチャネル攻撃(SCA)は、暗号ICから発生する電磁ノイズを解析することで暗号の秘密鍵を復元する可能性があり、暗号セキュリティの脅威となっている。また近年、車載セキュリティへの関心が高まっており、車載ICのSCA耐性評価が求められている。本発表では、ルネサスのRH850シリーズマイコンにAES-128をソフトウェア実装し、相関電力解析(CPA)や深層学習SCA(DL-SCA)といった代表的なSCA手法を実証した。CPAは漏洩モデルを必要とするため、ATmegaシリーズやSTMシリーズに実装される未対策AESへの攻撃には強力である。しかし我々のRH850シリーズに対する評価結果では、CPAが暗号化に用いられる秘密鍵の全バイトを復元できないのに対し、DL-SCAは鍵の全バイトの復元に成功した。この結果から、ATmegaシリーズやSTMシリーズとは異なり、RH850シリーズマイコンからの情報漏洩は鍵回復に十分であるが、従来の漏洩モデルはCPAには有効ではないことが分かった。
7 前川 諒 岡山大学
多目的最適設計における範囲解の探索アルゴリズムとその予測精度向上への利用
電気製品の設計プロセスでは、時に相反する複数の要求性能を同時に満たす解決策を見出す必要がしばしばある。このような解は、設計パラメータのより広い範囲をカバーするために冗長であることが期待される。本発表では、範囲解を求める新しいアルゴリズムを提案する。さらに、提案したアルゴリズムを用いて、ブラシモータ駆動システムのノイズ抑制に用いられるEMIフィルタのANNベースの機械学習アルゴリズムによるスペクトル予測から区間解の範囲を求めた。混同行列に基づく再現率と範囲解の大きさの関係は、再現率が低いほど範囲解が広くなるわけではないことを示している。このことは、偽陰性(FN)の数を減らし、真陽性(TP)の数を増やすことが、より良い範囲解をもたらすことを示唆している。
8 濱本 大輔 岡山大学
コモンモードのサイドチャネル情報漏洩予測モデルリングに向けた攻撃実験系の構築
コモンモードでのサイドチャネル漏洩はアタックサーフェスを拡大させるためセキュリティ脅威を増大させる。それに伴い各種製品は構成モジュールのシミュレーションモデルによるセキュリティアセスメントが求められる。また、モデル作成には再現性の得られる測定系が必要となる。本研究では組み込みボードの電源ケーブル上を流れるCM電流を攻撃対象とし、モデル作成の準備として測定系の構築を行う。LISNを用い、各測定機器の配置を工夫することでCM電流測定系を構築した。複数回漏洩波形を取得し相関電力解析により評価を行い、再現性が得られることを確認した。
9 脇 修平 北海道大学
Averaging Mass Assessment for Estimation of Local SAR Surrounding Metallic Implants
医療用金属プレートを埋め込んだ人体を対象に、電波ばく露による体内温度上昇を評価するための、SAR平均化質量を検討した。
10 敦賀 桜 北海道大学
60 GHz Spatial Synthetic High-Localized Exposure System for Investigating Thermo-Physiology
5G候補周波数帯である60 GHz帯における温熱生理反応や細胞機能の変化の調査を目的としたヒトボランティア実験実施のためのばく露装置開発について。
11 日下部 洸希 北海道大学
Estimating Human Body Shielding in 5G mmWave Frequency Band Using the Parallel FDTD Method
この研究は、第5世代モバイル通信システム(5G)のミリメートル波帯域の内の28GHz波における人体吸収と遮蔽を調査しました。大規模なFDTD法に基づくシミュレーションを実施し、室内伝播環境における実際の無線環境特性を包括的に評価しました。結果からは、ミリ波の室内伝播において反射波の影響が大きく、人体による遮蔽損失が軽減されつつも、マルチパスフェージングが著しく増加することが明らかになりました。
12 篭橋 みのり 北海道大学
Estimation of SAR in Vertically Upward Exposures Using Anatomical Human Models
人体下方向からの電波ばく露に対して、4つの異なる解剖的数値人体を用いて詳細な評価を行った。具体的にはRFID機器を用いたマラソンタイム計測における電波ばく露を想定しており、数値人体を姿勢変更した解析モデルを構築し、FDTD法に基づく電磁界シミュレーションによって全身平均SARおよび10g局所SARを算出した。解析結果からいずれのモデルにおいても、電波防護指針の基準値を超えないことを明らかにした。
13 吉田 征弘 名古屋工業大学
Measurement Method for Mixed-Mode S-Parameters of Termination Structures in Differential Communication Line
The immunity to common-mode noise arriving in a differential communication system is evaluated mainly using common-mode excitation on a cable by bulk current injection (BCI). The malfunction is caused by reflection and mode conversion of applied noise at communication equipment. Their characteristics are determined by the termination structure (e.g., housing, connector, wiring, etc.) and components on the printed circuit board (PCB). At present, there is no established method for extracting the structure from constituent elements. This paper proposes a method to extract mixed-mode S-parameters of the equipment including its termination structure with a current probe. The effectiveness of this method is verified by comparing experimental and theoretical results.
14 小栗 悠平 名古屋工業大学
IEEE 802.15.6maにおける複数BAN共存下でのUWB測距特性の評価
超広帯域伝送(UWB)は、スマートフォンやデジタルキーへの応用へ期待が高まっており、IEEE 802.15 TG6maにおいてはUWB伝送や測距・測位に関する標準化が進められている。UWBによる測距精度を評価する場合、複数BAN共存化での干渉に対する影響を考慮することが重要である。本研究は、複数UWB共存下におけるUWB測距精度を計算機シミュレーションにより評価した。UWB測距方式において、送受信機間のクロック同期不要なDS-TWR(Double Sided-Two Way Ranging)を適用したTOA(Time of Arrival)に基づく方式を検討し、複数の干渉波源が存在する環境下での測距方法の違いによる測距精度の変化と、クロックドリフトが測距精度に与える影響を示す。
15 津村 楓奈 北海道大学
5G周波数帯電波の植込型医療機器ペースメーカEMI特性評価手法の検討
心臓ペースメーカなどの植込み型医療機器の装着者は年々増加傾向にあり、それらに対する電磁干渉影響について、様々な調査や研究と、結果に基づく安全利用のための指針の制定が総務省などで進められています。しかし、第5世代通信方式では高速大容量通信の実現のため、高い周波数帯で広い周波数帯域を利用しますが、それら高周波数帯における検証は十分ではありません。ペースメーカ装着者数の増加も併せ、植込み型医療機器の高周波数帯における安全指針適用性の検討が非常に重要となっています。しかし、一方で個々のペースメーカに対する電磁界結合の特性などを、多種多様なペースメーカに対し詳細に調査を行うことは実験のみでは困難です。そこで、電磁界シミュレーションによってペースメーカに誘起されるEMIの特性を高精度に推定する手法を確立することが求められます。解析によりEMI評価を行うことが可能となれば、EMIの原因の追究や、試作段階であらかじめEMIを抑制する設計などができるようになることが期待されます。
16 坂山秀明 琉球大学
雑音と1bit ADCを用いた2×2 MIMO-OFDMシステムのビット誤り率特性
本研究では、受信機におけるADC(Analogue-to-Digital Converter)として、1bit ADCを用いることにより、消費電力削減を目的としている。1bit ADCは信号の正負判別(2値の振幅判定)を行うデバイスである。1bit ADCを用いた場合、信号の正確な振幅を判定することは困難なため、雑音による確率共鳴現象を活用することにより、この欠点の克服について検討している。2×2 MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)-OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)システムの2パスレイリーフェージング環境におけるBER(Bit Error Rate)特性の評価を行った。また、1bit ADC出力の平均値を求めるために使用する移動平均フィルタのフィルタ長を変化させたときのBER特性評価も行った。
17 松村 翔一 九州工業大学
自律型無人潜水機の金属筐体による海中アンテナの伝送特性劣化の解析
内蔵カメラによる海中の映像情報の収集手段として期待されている.情報の収集手段として海中アンテナによる無線電波通信が開発されているが,AUVの金属筐体が海中電波通信においてアンテナの伝送特性に悪影響を及ぼすことが予想される.そこで,本報告では電磁界シミュレータを用いてAUVの金属筐体がアンテナ間通信に与える影響を評価した.AUVの金属筐体よりもアンテナのサイズが大きい場合には,AUVがアンテナ間にあった場合でも伝送特性への影響は少ない.一方,金属筐体がアンテナのサイズより大きい場合には,アンテナ電流により金属筐体に渦電流が流れることによりアンテナ間の伝送特性が劣化することが分かった.以上より,AUVに海中アンテナをつける際には金属筐体との大小関係や配置位置を適切に設定することで,小さなアンテナであっても比較的良い伝送特性を維持できる可能性を示した.
18 川本歩 九州工業大学
Development of Emulator Simulating Transmission of Undersea Radio Communication
著者らの研究グループでは,海中電波通信技術の研究開発に取り組んでいる.通信の高効率化を目標に,実験を行いアンテナの特性評価や通信システムの開発をしている.しかし,大掛かりな実験を行うには準備に時間や費用がかかるため手軽に行うことができない.そこで,海中の電波減衰を模擬する減衰エミュレータを作製することで大がかりな実験を簡易的に行うことができると考え検討を行う.本稿では,実測により得られた伝送特性の減衰エミュレータを作製し,伝送特性の比較と通信実験により通信性能の確認を行う.そして,作製したエミュレータの通信特性を評価した結果,搬送周波数の約85 % の帯域において1 dB以下の差で伝送特性を表現し.伝送速度を1 Mbps 未満の精度で模擬できることを確認した.
19 井上真雄 九州工業大学
Comparison of the Dependence of Wiring Lengths of Radiated Immunity of Harnesses Connecting Automotive Communication Equipment
In this paper, we compared the immunity characteristics of wiring harnesses connecting automotive communication equipment at different wiring lengths. The communication behavior of an automotive harness connected to an evaluation module equipped with automotive Ethernet and exposed to radiated electromagnetic noise was compared for different wiring lengths. The S-parameters were measured under the same wiring conditions, and the frequency characteristics of the amount of noise applied were derived and compared with the length of the wiring. A reverberation chamber was used for the evaluation. From the results of each evaluation, changes in immunity characteristics due to differences in wiring length were confirmed for each frequency of electromagnetic waves, but no correlation was observed between communication quality characteristics and the results of S-parameter measurement. On the other hand, the frequency characteristics of the amount of noise applied also changed with the difference in wiring length, suggesting that a stable evaluation is possible with longer wiring lengths.
20 川島拓弥 九州工業大学
高速通信機器のイミュニテイ評価のためのモード等価回路を用いた妨害波伝達量の解析
車載通信モジュールに対して同軸ケーブルから通信機器に侵入する電磁ノイズを,イミュニティの観点からモード分解等価回路を用いて評価し,モード変換のメカニズムを明らかにした.放射性イミュニティを考えると,印加される電磁界は同軸ケーブルのコモンモードを誘起し,それがケーブルを伝わってコネクタを介して筐体内部の信号線に伝搬する.基板内部の信号線をマイクロストリップ線路とすると,2つの伝送線路の平衡度の差によって,コモンモードからノーマルモードへの変換が生じる.さらに,平衡度の差が小さい場合はコネクタ部分のグラウンド接続間の寄生インダクタンスがモード変換に支配的であることを示した.また,それらを評価するために,理想変成器を用いたモード分解回路モデルを作成し,それらとモード伝送線路を用いた回路シミュレーションを実施した.
21 元村史龍 九州工業大学
Communication Speed Estimation of Undersea Wavelet-OFDM Communication under EM Noise Environment
As the marine business expands, there is a growing demand for real-time capturing of autonomous underwater vehicles (AUVs) status using radio frequency communications. On the other hand, electromagnetic noise emitted by AUVs can interfere with communications. To investigate the impact of electromagnetic noise in undersea Wavelet-OFDM communication, the author constructed an experimental setup that simulates the radio wave transmission characteristics of underwater antennas without the experimental environment in the sea and introduced external noise to assess communication speed. The authors compared the noise power induced in the receiver to the communication speed using the proposed evaluation setup. The results show that when the distance between the loop antennas was 1 m, communication was disabled by applying a -90 dBm disturbance. Additionally, the author proposed a method to estimate communication speed using transmission characteristics and measured electromagnetic noise. The communication speeds calculated using the proposed method agreed with the measured results with a maximum error of 1.65 Mbps. Improving accuracy remains a challenge for future research.
22 金子千明 神戸大学
CNTを用いたシート材料の電磁波吸収およびシールド性能の向上に関する研究
昨今の通信における電磁波の高周波化、また機器の高密度化によって、それに対応できる電磁波吸収材および抑制シートの開発が求められている。我々は近傍界吸収に特化した極薄いシート(約50 μm)の性能を評価し、分析を行った。シートは紙をベースにカーボンナノチューブ(CNT)を用いている。近傍界での抑制効果を評価するために、マイクロストリップ線路(MSL)を用いて測定したS11およびS21から伝送減衰率Rtpを算出した。さらに、近傍界でのクロストークノイズおよびシートの抑制効果を評価するためにアイパターン測定を行った。その結果、電磁波吸収性能は10 GHzから20 GHzの周波数帯で20 dBに達し、アイパターン測定では300 MHz付近で抑制効果が可視化された。これにより、ノイズ抑制に有効であることが示された。
23 武藤史弥 九州工業大学
機電一体の電動コンプレッサへのインピーダンスバランス法適用
パワーエレクトロニクス回路の電磁ノイズ対策としてインピーダンスバランス法があげられる.著者らの研究グループでは,先行研究においてインピーダンスバランス法を用いて,三相インバータ回路のコモンモード電圧の低減を確認した.しかし,三相インバータとモータが一つの筐体に収められた機電一体の電動コンプレッサにおいては,従来の手法を用いたコモンモード電圧の低減が困難であった.本報告では,機電一体の電動コンプレッサにおいて,インピーダンスバランス法を用いてコモンモード電圧を低減する手法について報告する.一つ目は回路に付加する調整素子の低インピーダンス化,二つ目は三相インバータとモータをつなぐ三相出力線の高インピーダンス化であり,それぞれの手法でコモンモード電圧の低減を実測で確認した.また,この二つの手法を組み合わせることで,低減効果のある周波数帯域が2 MHz から30 MHz まで拡大され,最大30 dB 程度のコモンモード電圧の低減を確認した.