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電子デバイス研究専門委員会 委員長 
葛原 正明 (福井大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
「電子デバイス研究会の活動」
当専門委員会が電子デバイス研究専門委員会と改称されて今年で24年を迎える。この間、当該分野から数多くの電子デバイスの基本アイデアが提案され、業界の領域を超えた議論を経て、技術改良と応用検討が進められてきた。筆者は、この四半世紀に、電子デバイス専門委員会で議論された技術が、産業界で実用化される例を具に実見してきた。また、当専門委員会の活動を通して、立派な多くの若手人材が育成されたことを実感してきた。変化が絶えぬ昨今の産業界であるが、先人が築いた良き様式を後世に伝える役割の大きさを実感している。月例研究会と年大会という発表形態を柱に、学会の存在意義の維持発展に貢献された先輩方々に改めて感謝する次第である。
電子デバイス研究専門委員会が取扱う材料分野は、専門委員会の発足以来、V-X族化合物半導体とその混晶半導体ヘテロ接合に関する分野が中心であった。しかし、昨今のV族窒化物半導体の発展とともに、ワイドバンドギャップ半導体という材料分野が台頭し、シリコンカーバイドやダイヤモンドなどの半導体を用いたデバイス技術についても、積極的に当専門委員会で議論できるようスコープの見直しを随時行ってきている。月例研究会では研究テーマの固定化を嫌い、新規テーマを発掘する試みも積極的に行っている。毎年3月の月例研究会を特別ワークショップと題し、通常の月例会とは趣の異なる研究テーマを設定し、招待講演を含む意欲的なプログラム構成を意図的に企画している。過去のテーマ名の一部を紹介すると、量子情報処理、スピンデバイス、RFマイクロエレクトロニクス、MEMS、カーボンナノチューブのデバイス応用など。フレキシブルな発表形式に加え自由形式のパネル討論なども交え、本専門委員会でこそ企画できる新規の話題の拡充に努めている。
月例研究会の企画と開催は、専門委員会幹事を中心に、委員各位の熱意と献身に負うところ大である。しかし、これだけの努力を結集して開催される月例研究会であるからこそ、若手の探求心を刺激し萌芽研究を具体化する有効な議論の場として、研究会が多くの人々に歓迎され、その文化が伝統的に継承されてきたものと考えている。最近は、この伝統をアジアに広げるべく、当研究専門委員会とシリコン材料・デバイス研究専門委員会とが共同し、さらに韓国電子工業会を巻き込み国際合同研究会(AWADと呼んでいる)を毎年開催している。今年は6月25〜27日に韓国慶州で開催され、シリコンLSIを含む半導体デバイス技術の国際交流に貢献した。
最後に会員各位には月例研究会での議論に多数ご参加いただきたい。各種の研究会情報はウェブから入手できるはずである。ウェブ情報については、研究専門委員会の責任において一層の充実化に尽力することを約束するが、組織と世代の壁を越えた臨場感ある生の議論こそが、電子デバイス分野のさらなる発展の原動力であることに変わりはない。
略歴:昭和56年京都大学大学院電気工学専攻修士課程修了,平成3年工学博士,昭和56年日本電気株式会社中央研究所入社,昭和62年イリノイ大学客員研究員,平成16年福井大学工学部電気・電子工学科教授,現在,同工学研究科電気・電子工学専攻教授.化合物半導体電子デバイス,デバイスシミュレーション技術などの研究に従事.平成14年市村功績賞を受賞.IEEEフェロー.