IEICE B-Plus 編集委員会

地デジアンテナ自作コンテスト - 結果発表

はじめに

電子情報通信学会通信ソサイエティマガジンの企画による地デジアンテナ自作コンテストにご応募いただきありがとうございました.
大変長らくお待たせしていましたが、コンテストの結果をお知らせします。

応募総数:11件
審査方法:通信ソサイエティマガジン編集委員およびアンテナ・伝播研究会から審査委員会を構成。審査委員会にて、すべての応募作品の周波数特性(500MHz, 590MHz, 710MHz)およびアンテナゲインパターンを測定の上、各審査部門における作品をノミネートし、マガジン編集委員会で決定。

審査部門と審査基準は以下の通り

  • 性能部門:高性能を表彰
  • 工作部門:製作能力を表彰
  • 発想部門:新しいまたはおもしろいアイディア
  • 意匠部門:美しいまたはおもしろいデザイン
  • 経済部門:必要十分な性能基準を実現するためのコストと工数の削減


性能部門:高性能を表彰

受賞者:長崎大学工学部電気電子工学科4年 峰 一平 様

受賞のポイント:反射器、導波器が正しく動作し、単指向性となっている。3素子八木にしては利得が高い。

受賞の声:受賞できると思っていなかったのでとても驚いています。ありがとうございます。

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工作部門:製作能力を表彰

受賞者:相模原市立大野台小学校3年生 平部 香乃 様

受賞のポイント:丁寧に作られ、外観も実用上使用できるほどきれいな仕上がり。710MHzの利得が低いが、アンテナゲインパターンはきれいである。

受賞の声:賞を取れてうれしです。担任の先生からも評判がよかったです。色々なアンテナを作って実験しました。そして、最終的にこのヘンテナで映りました。次があれば、またアンテナを作って応募したいです。

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工作部門:製作能力を表彰

受賞者:長崎大学工学部電気電子工学科4年(田口研究室) 木田 拓海 様

受賞のポイント:反射器が正しく動作し、単指向性が得られている。500MHzではFB比15dB以上の性能を発揮している。

受賞の声:今回地デジアンテナ自作コンテストの工作部門で受賞でき、本当に嬉しく思います。私は、アンテナには研究室に配属されてから初めて触れました。研究を重ねるにつれて、アンテナが様々な汎用性があることがわかり、アンテナへの興味が非常に高くなっていました。そんな中、地デジアンテナを解析から試作まで行い、実際にテレビが映るアンテナを設計しました。自分の研究してきたものが、きちんと機能する喜びや、新たな改良点を感じることができる、とても良い経験をつむことができました。これからも、アンテナの研究及び制作を行って行きたいと考えています。

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発想部門:新しいまたはおもしろいアイディア

受賞者:秋田県立大学システム科学技術学部電子情報システム学科4年 飯塚 聖 様

受賞のポイント:薄く作られており、周波数特性が良い。

受賞の声:この度は通信ソサイエティマガジンの地デジアンテナ自作コンテストにおきまして、発想部門賞をいただき、大変嬉しく思います。このような賞をいただけたのも先生方、先輩方のご指導、友人の協力のおかげだと思います。就職活動との両立でとても苦労しましたが、本当に良い経験となりました。今回の受賞を通じ、アンテナに関する知識を学ぶことができたので、これを世の中に役立てていけたらと考えております。

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意匠部門:美しいまたはおもしろいデザイン

受賞者:仙台高等専門学校広瀬キャンパス アマチュア無線部の皆様

受賞のポイント:材料に割り箸を使うなど工夫がみられ、他に比べると利得は高い。本来の八木アンテナの指向性となっていないところが残念。

意匠部門に選んで頂き、ありがとうございます。このアンテナはエレメントに針金を使用し割り箸を用いて固定する点など、出来るだけ身近にある素材を用いて製作する工夫をしました。作り始めた頃はテレビに何も映らない日が続いた為に、初めてテレビに映像が映った時はとても嬉しかった事を覚えています。製作には大変苦労しましたがアンテナの仕組みについて理解を深めることが出来、良い経験になったと感じています。

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経済部門:必要十分な性能基準を実現するためのコストと工数の削減

受賞者:土佐女子高等学校1年生 森田 有絵 様

受賞のポイント:アンテナエレメントの材料にスナック菓子の空袋を使い、材料費はほぼ0円になっている。すべての帯域をカバーはできていないが、590MHzであればアンテナとして機能する。

身近なもので、安く作れないかと考えて製作しました。経済部門をいただけて嬉しく思います。

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最後に

通信ソサイエティマガジンにおける初めての試みである企画にも関わらず、11件の応募がありました。どの応募作品のアンテナも特徴があり、選定には大変苦労を要しました。最後に、応募していただいた皆様に感謝をいたします。今後も無線通信の要であるアンテナについてご興味を持っていただけると幸いです。