CCSについて

複雑コミュニケーションサイエンス研究専門委員会
(Technical Commitee on Complex Communication Sciences[略称: CCS])は、2011年4月、電子情報通信学会(IEICE) 基礎・境界ソサイエティ(ESS)「非線形理論とその応用」サブソサイエティ(NOLTA)の第2種研専として発足しました。そして2015年4月より、NOLTAソサイエティの下、常設研究会(第1種研専)として活動しています。CCSは、情報通信技術のすべての階層、それを取りまく情報通信環境、そして神経系や生物システム、さらには人間のソーシャルコミュニケーションをも含めた広範な研究対象を扱い、そこにある現実的問題の本質、限界、そして、それらの背後に横たわる普遍的特質を明らかにするサイエンスの創出を目指します。

非線形科学の進展を振り返ると、ソリトン、カオス・フラクタル、複雑系、シンクロ(集団同期)、複雑ネットワークといったトピックの研究が、順にそれぞれ10年程度のスパンで活況を呈してきました。最近の複雑ネットワークは、インターネットのリンク構造の全貌を把握しようとする研究が契機となっていますが、これは通信システムが新しいサイエンスを産み出した一つの例だと言えるでしょう。こうした例は、インターネットのみに留まりません。事実、近年加速している情報通信およびその環境の技術革新は、新たに多くの解決しなければならない複雑な事態を作り出し続けています。このような、いまだ定式化すらされていない現実的問題群は、より一般的に、情報伝達とインタラクションを行う神経系、生物システム、さらには社会システム等においても同様に解決されねばならない現実的な課題として、普遍的な特質を備えているのではないでしょうか。「複雑コミュニケーションサイエンス」という標語は、こうした実用的・実体的システムにおける情報伝達とインタラクションのリアリティーにこそ、豊かなサイエンスへと成長する多くの芽が潜在しているはずであるという、我々の科学的直観を反映するものです。

研究トピック
1) 通信システムの理論
2) 分散ネットワークと分散アルゴリズムの理論
3) 通信システムの基盤としてのパワー、エネルギー的側面に関する研究
4) 電力工学と通信システムの界面
5) 上記4領域と関連する実証的アプローチ、実システム上の諸問題
6) 通信システムの技術、知見から神経系、生体システムを捉え直す研究
7) 電磁波伝搬(フェージングの問題等含む)の理論・モデリングの研究
8) レーダー、トモグラフィーの計測分野で見られる非線形性、さらに信号レベルで現れる非線形ひずみ等の非線形性が本質となる諸問題
9) レーザー等の非線形デバイスと通信システムの界面