[[大会企画一覧>taikai]]
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* 2006年ソサイエティ大会 [#h6893c79]
&aname(S2006S);
** シンポジウムセッション「最新の広帯域・マルチバンドアンテナ技術」 [#ya1e91d3]
- 日時: 2006年9月21日(木)13:00~17:35
- 場所: 金沢大学 角間キャンパス 総合教育棟 C5講義室
- 発表件数: 13件
- 参加者: 100名程度(延べ人数)
- セッションオーガナイザ: 藤元美俊(福井大)
*** 提案趣旨 [#d6cd17a3]
 近年のワイヤレスシステムの高速化にともない,アンテナにおいても広帯域な特性が要求されている.また,たとえばIEEE802.11a/b/gのように複数の規格において共用可能なマルチバンドアンテナに対する要望も高い.ただし,利得,指向性,効率および形状など,すべての面において理想的な広帯域・マルチバンドアンテナを実現することは難しく,システムあるいはアプリケーションごとに適切なアンテナを設計しているのが現状である.~
 このような背景を踏まえて,本シンポジウムではアンテナの研究者のみならず高速ワイヤレスシステムの研究者が一同に会し,広帯域アンテナおよびマルチバンドアンテナに関する現状の課題及び今後の技術展望について多角的な討論を行う.

*** 開催報告 [#bfccd03a]
 「マルチバンド」あるいは「広帯域」に関する一般投稿論文を含め,合計13件の発表講演で構成した.最初に,法政大学の中野教授より広帯域アンテナのスパイラル形状を基本とする各種広帯域アンテナから最新のメタマテリアルを応用したアンテナ等に至るまで幅広く解説していただいた.続いて,携帯電話内臓アンテナに関する講演2件,UWBシステムへの応用を念頭に置いた講演5件,地上デジタル放送への応用を念頭に置いた講演2件,その他3件の講演が実施された.特に,実際の端末に搭載されている各種実用アンテナに関する発表(SB-1-2,ソニーエリクソン)などは新鮮な情報として注目された.~
 近年,広帯域・マルチバンドアンテナに関する投稿論文数が非常に多く,今大会でも2日間にわたりセッションが構成されていた.その一部をシンポジウムとして企画し,延べ100名程度,常時60名程度の聴講者があり活発な討議か交わされた.シンポジウムとしての目的は十分達成されたと思われる. 

* 2006年総合大会 [#q42e9114]
&aname(T2006G);
** チュートリアル講演「メタマテリアルの特性とアンテナへの応用」 [#a4bbc969]
- 日時: 2006年3月25日(土)13:00~15:45
- 場所: 国士舘大学 世田谷キャンパス 6号館6302教室
- 発表件数: 4件
- 参加者: 120名程度
*** 提案趣旨 [#ra22966a]
メタマテリアルとは,新たな電磁波現象を実現する人工構造の総称であり,起源は1968年にVeselagoが理論的存在可能性を指摘した負誘電率・負透磁率を有するDNG(Double Negative)物質とされる.その後2001年,Shelbyらのマイクロ波帯負屈折率媒質の実験的検証に至り一気に注目を浴び,現在,EBG/PBGなどの周期構造をも含めて,「メタマテリアル」として欧米の電波関係者を中心に盛んに研究されている.しかしながら,啓蒙書・専門書が未刊のため一般技術者にとっては「興味はあるが,手が出しにくい」というのが国内の現状と予想される.そこで非専門家向けの,基礎概念,原理,アンテナへの適用例,研究動向などを中心としたチュートリアル講演を企画し,国内研究の活性化を図りたい.
*** 開催報告 [#adc46c84]
以下のプログラムで開催した.座長はコーディネータ 宮下裕章(三菱電機)が担当した. 

AP研委員長挨拶 安藤 真(東工大)~
BT-1-1 メタマテリアルとは何か(60分) 真田篤志(山口大)~
BT-1-2 メタマテリアルのアンテナへの応用(30分) 中野久松(法政大)~
BT-1-3 メタマテリアルと電磁界解析(30分)宇野 亨(東京農工大)~
BT-1-4 メタマテリアルの研究開発動向とアンテナ応用への期待(30分) ○三須幸一郎・井幡光詞(三菱電機)

まず真田氏より広い意味でのメタマテリアルの定義,歴史,基本特性などが紹介された.続いて中野氏よりEBG上のアンテナの特性,左手系媒質による小形アンテナの放射効率改善など,興味を引くアンテナへの応用例が示された.さらに宇野氏よりDNG媒質解析における多価関数の分岐の取り方の初等的説明,波動伝播のFDTDシミュレーションによるアニメーションなどが披露された.最後に三須氏より関連分野論文投稿・特許出願件数等の推移,国際会議における企業からの発表の紹介,今後のアンテナ応用への期待等が述べられた.聴講者も多く、議論も活発に行われ、チュートリアルの目的は十分達成されたと思われる.