Top page > 学会からのメッセージ > 電子情報通信学会からの提言 > 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部への提言

 
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部への提言

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長殿

社団法人 電子情報通信学会
会長 青木利晴

社団法人 情報処理学会
  会長 長尾 真

社団法人 電気学会
  会長 沢 邦彦

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部への提言
21世紀IT社会の健全な発展に向けて

インターネットを基盤とするIT(情報通信技術)は、情報に関わる様々な制約から個人を解放し、個人の価値観の形成にまで影響を与える極めて大きなポテンシャルをもつ21世紀を特徴付ける技術と考えられます。我々の学会は、ITの研究者・専門技術者の集まりであります。

IT分野の技術開発に責任を有する専門家集団として、21世紀の始まりにあたり、新たに制定された「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」に基づいて内閣に設置された、「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」に対して、IT社会の健全な発展に向けて、 @ 健全な情報環境の構築のための総合的な危機管理の充実、 A 健全な地球環境の構築のための環境調和型IT社会の実現、 B ITと社会システムの節度ある融合、の3点について提言をいたします。なお、先にIT戦略会議に対し、情報関連6学会がITの発展と普及のための提言をいたしました。今回は、更に踏み込んだ提言を直接関係を持つ3学会が貴本部に対して提出するものであります。

1.健全な情報環境の構築へ向けた総合的な危機管理の充実

(1)セキュリティ保全の出来る技術者のシステマティックな育成へ向けて、技術者認定制度の創設を要望いたします。

  • 我々学会は、これまでの日本技術者教育認定機構(JABEE)参加の経験を生かして、危機管理に対応した技術者認定制度の創設の議論・検討に貢献します。
  • 我々学会は、これまで進めてきました学生、社会人向けの技術者継続教育プログラムの実施、大学教育用の教科書/専門書の発行、などを更に強化することにより、IT技術者育成に協力いたします。

(2)IT技術の進展に対応する更なる法整備を要望いたします。

  • 我々学会は、今後のITに関連する法律の整備に関連し、その法律策定過程へ      積極的に関与したいと考えています。

2.健全な地球環境の構築へ向けた環境調和型社会の実現

(1)環境調和型社会実現のために不可欠なIT応用技術の育成強化への国家的な支援を要望いたします。

  • 我々学会は、環境調和型IT社会の構築と世界へ向けての発信を目指し、ITと環境の議論を中心とする研究専門委員会の設立など、これらの研究分野の活動強化を行って参ります。

3.ITと社会システムの融合へ向けての施策促進

(1)ITを有効にかつ健全に活用した社会システムの実現のためには、理工学・技術系と人文科学・社会科学系の交流促進が必須となります。これを促す施策、支援を要望いたします。

  • ITに関する理工系専門家と人文・社会科学系専門家が一同に会して議論をするシンポジウムの開催などを通じて、この問題に対する理解を深め、情報発信をしていきます。
  • 学会内外の情報通信関係者、法律専門家、倫理学専門家およびネットワーク管理者などでワーキンググループを形成し、大学・学校を中心にした"ネットワーク運用ガイドライン"の制定及び公開を行っていきます。

以上

本件連絡先  〒105-0011東京都港区芝公園3-5-8
      機械振興会館2階 (社) 電子情報通信学会 事務局長 家田信明
      TEL:03-3433-6691 FAX:03-3433-6659 E-mail:n-ieda@ieice.org

 

ページTOPへ