所信表明

■ 飯田　尚志

通信総合研究所理事長

通信総研は，2001年に独立行政法人となり，2004年4月には，通信・放送機構と統合する予定です．一方，宇宙3機関の統合や国立大学の独法化が予定され，他方では競争的研究開発資金の増加や研究者の流動性の推進等が叫ばれています．このように我々を取り巻く状況は激動しています．本学会の運営の要には，産学官連携があると思いますが，上述の時代精神を反映させた新しい連携スキームを構築していく必要があると考えます．その鍵は，先導的な研究開発に対する政府資金の増加と国の科学技術政策への研究者の更なる関与、優れた研究開発の発掘・育成、ビジネスとしての研究開発と基礎的研究開発のバランスのとれた推進や，アジア地域との連携にあると思います。今後、学会としてどのような仕組みにすれば時代にマッチできるのか，皆様のご意見を伺いながら，意気が上がる改革を目指していきたいと思います．

略歴：1966年東大・工・電子卒． 71年同大学院博士了．工博．同年郵政省電波研（現，通信総研）入所．87年宇宙開発事業団出向．89年通信総研宇宙通信部長．同所長を経て，2001年より現職．前島賞，米航空宇宙学会航空宇宙通信賞受賞．本学会・評議員，通ソ副委員長，SANE研究専門委員会委員長，米コロラド大・電通大客員教授などを務めた．本学会フェロー，IEEE Fellow．