委 員 会 活 動 報 告 (平成20年7月〜9月)

                                TC86:光ファイバ専門委員会
                            報告者 羽鳥 光俊


第106回(平成20年9月4日(木)開催、小委員会との合同)

   
1.対処方針審議

1) SC86A (光ファイバ・光ファイバケーブル関連)
a)
WG1[光ファイバ]の京都会合対処方針審議が行なわれた。OM4ファイバ規格の作成について、活発な議論が行われた。アドホックでの議論に参加し、日本として不利になることが無いよう動向注視する。プラスチックファイバ(A4)規格の変更については、これまで日本が主導的な役割を果たしており、アドホックでも日本のコメントが反映されるよう引き続き審議をリードする。定期改訂予定文書に関して多数のアドホックが作られた。適宜議論に参加し、動向注視する。
b)
WG3[光ケーブル]の京都会合対処方針審議が行なわれた。前会合で合意された、屋外用ダクト/直埋光ファイバケーブル(60794-3-10)の引張試験、側圧試験、温度試験条件等について、本文書の改訂を実施するとともに、関連する他の文書にも適切に反映させていく予定である。
新規文書については、ドロップケーブルに関するテクニカルレポートの作成に着手する予定であり、日本の実情が反映されるよう積極的に審議に参加する。その他案件についても、文書の発行、回覧が会合までに行われると考えられるので、その内容を確認し適宜対応する。

2) SC86B (光ファイバ接続部品・受動部品関連)
a)
WG4[試験、測定]の京都会合対処方針審議が行なわれた。今回審議予定文書は18件となっている。審議文書の懸案事項は無いが、日本提案の新規文書2件、レセプタクル型光コネクタ端面外観検査方法、及びMTフェルールランダムメイト接続試験方法においては、日本の実情が反映されるよう対処する。

b)

WG6[光接続部品、クロージャ&FMS]の京都会合対処方針審議が行なわれた。日本提案の光配線板用SF形光コネクタかん合標準(CD)の標準化を前進させる。SC形及びMU形光コネクタかん合標準改訂(CDV及びCD)も日本主導で前進させる。メカニカルスプライスの総則仕様書(CDV)及びカテゴリUに対する性能標準(CDV)では、日本の実情が反映されるように対処する。光コネクタ光学互換標準のPart3(フェルールレベルでの多心系光学互換:CDレベル)では、低損失グレードBの規格化のための検討が活発化しており、日本の実情が反映されるように対処する。日本意見の反映のため、JISでの光接続部品に関する標準化活動状況を報告予定である。

c)
WG7[光受動部品]の京都会合対処方針審議が行なわれた。今回、2件の総則文書、6件の性能標準文書、1件の性能標準テンプレートおよび信頼性文書が審議される予定である。その内日本担当は、5件である。いずれも、JIS光受動部品標準化委員会で調査した結果を主張する。

d)
WG4/WG6(ウイグル関連)京都会合対処方針審議が行われた。Wiggle特性に関する測定法が米国から提案されているが、マスタコードの定義、測定再現性等に技術課題があり問題となっている。これらの課題を解決するために日本から新測定法(45度引っ張り法)を提案しており、これら測定法の得失差を中心に議論が行われる予定である。日本からは具体的に提案方法の評価結果と要求特性についてプレゼンを実施し、提案方法の妥当性を訴求する予定である。

3) SC86C (光ファイバシステム・能動部品関連)
a)
SC86C/WG1[光ファイバシステム/サブシステム]の京都会合対処方針審議が行なわれた。既設マルチモードファイバケーブル設備の損失測定法、およびジッタおよびワンダの測定法のFDISへの移行、ならびにメンテナンス文書、および新規案件について審議が予定されている。審議内容に合わせて適切に対応する。
b)
SC86C/WG3[光増幅器]の京都会合対処方針審議が行なわれた。今会合では、既存文書・MCRに関する判断、回覧文章・投票結果に対する審議・議論と共に3件の新規文書案(ラマンアンプ・テクニカルレポート、4光波混合特性測定法、ノンテレコム通信用高出力アンプ)の議論が予定されている。各案件に積極的に議論に参加し、日本の意見が十分反映できるように対処する。
c)
SC86C/WG4[光能動部品]の京都会合対処方針審議が行なわれた。今会合では、1300 nm GE用トランシーバに関する標準化文書(IEC 62149-4)の改訂方針の審議、ならびに2件のパッケージインタフェース標準CDV文書、2件のパフォーマンス標準CDV文書、信頼性関連のDTR文書、NP 文書 各1件の計6件のコメント整理を行う予定である。またWiggle試験法に関する協議も行うことを予定している。

d)
SC86C/WG5[ダイナミックモジュール]の京都会合対処方針審議が行なわれた。総則手引書と信頼性・品質標準の審議を加速する。日本からはダイナミック波長分散補償器に関するSW/HWインターフェースのアンケート調査結果、およびダイナミック波長分散補償器のGDRラウンドロビン試験結果、MEMSを用いた光部品の動作中振動・衝撃試験の技術レポートドラフトの説明を行い、本分野に対する日本技術をアピールする予定である。
   
4)  
TC86/JWG9[光実装回路] の京都会合対処方針審議が行なわれた。フレキシブル光配線版性能標準に対する各国意見が審議される。また、光配線板測定に関する光ファイバの選定、光配線板性能標準総則、インタフェース規格総則、ロードマップ、並び光バックプレーン総則及び個別規格案を日本から提案する。議論には慎重に対処する。
   
5)  
TC86/WG4[光測定器校正] の京都会合対処方針審議が行なわれた。OTDR校正法及び波長計校正法に対する修正内容を確認するとともに、波長可変光源の校正法、波長計の校正法について日本提案文書を積極的に推進する予定である。
   
6)  
TC86/RCG[信頼性] の京都会合対処方針審議が行なわれた。今回のRCG会合では、RCGの担当文書の確認を行う。また、ケベック会合にてTC86議長から作成要請があった品質および信頼性に関するガイダンス文書も合わせて作成する必要がある。今回は、RCGメンバーの確認の他、これら文書の体系の整理の後、文書担当、スケジュールの議論を行う予定である。
   
7)  
各SC及びTC86プレナリミーティング・総会の京都会合対処方針審議が行われた。日本がコンビナを努めるTC86/RCGについてWGへの昇格提案を行う予定であり、これをサポートしていく予定である。また、今後のTC86ミーティングの開催頻度、期間などの方針について審議される予定であり、決議が行われる場合には国内委員会の意見を踏まえ対処していく予定である。
 
2.文書検討結果

SC86A、SC86B、SC86C/WG1、SC86C/WG3、SC86C/WG4、TC86関連文書について審査を行った。回答案どおり対応することで了承された。

3.その他

事務局より、TC86京都会合開催に関する準備状況の説明、京都総会に関する協力金の収支支出計画について説明があった。
4.次回予定

次回は平成20年11月28日(金)14:00からTC・SC合同で開催する。

以上

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