委 員 会 活 動 報 告 (平成20年7月〜9月)

         SC3D:電子部品のデータ要素委員会
                       報告者 南野 典子


 この期間、国内委員会1回、国際会議1回が開催された。国内委員会は、8月29日に、国際会議はジュネーブにて9月16日〜18日、IEC CO-SC3D幹部workshop for IEC CDD IT インフラ会議が行われた。SC3D国内委員会からは、SC3D議長が出席。


  1. CR C00017

 IEC CDD(IEC電気電子分野の製品概念辞書)の辞書要素(クラス、プロパティ)の変更提案は、CR(Change Request:変更要求)として提案され、ISO/IEC専門業務用指針 補足 IEC固有の規則で定められた共通データベースプロシージャに従い、VT(Validation Team)で審議され更新される。

IEC CDDの辞書要素の定義の書き方はIEC61360-1で定められているが、十分とは言えず、これまでのWG2で定義の書き方について議論、拡充を行ない、WG文書(Frankfurt convention)での発行を行ってきた。同時にPart1改定版が審議中であるため、Part1にもFrankfurt conventionの内容を反映させた。現在、CDV投票可決が終わった状態である。

CR C00017はFrankfurt conventionに従ってオランダから提案された30弱のプロパティの定義改良提案であり、日本は賛成票を投じる予定。ドイツ関係者からはPart1がまだISでないことを理由にこのCRを止めようする動きがあるが、Part1が既にCDV可決、例えFDIS投票があってもEditorial変更にとどまることから、実質の内容は変わらないとして、このまま進める方向で各国のVT代表は動いている。


  2. IEC CDDインフラ機能アップ

 現状のIEC CDDを管理しているシステムはIECが独自に開発したもので、他のデータベース規格と基本部分は共通のものを用いている。そのため現在でも、バリデーション機能の不十分さ、版管理、入出力フォーマット等の問題が生じている。また、データモデルであるIEC61360-2が最近改定されることから、その改定への対応も含めた機能アップが求められている。9月ジュネーブでの調整会議には、SC3D議長(日)、幹事(独)がIEC COが出席し、ISO/TS13584-35(スプレッドシートによるデータ交換形式、日独でISO TC184/SC4に提案。ISO TC184/SC4はSC3Dとはダブルロゴ規格を開発するなど、深いリエゾン関係にある。)をIEC CDDのDB構造の基礎とすることが決定された。ISO/TS13584-35は、現在、IEC SC3D国内委員会、JEITA、JEMAなどの工業会の協力を得て、経済産業省の再委託事業「スプレッドシートによるデータ交換形式の標準化」プロジェクトでIECへの規格化提案を進めている。


 3.製品オントロジーに関する欧州標準化戦略の(平成20年度 経産省)委託調査

 IEC SC3D国内委員会のタスクフォースではないが、この調査の対象がIEC SC3D、およびIEC SC3DとIEC61360-2規格をISO13584-42規格として共有し、密接なリエゾンを組むISO TC184/SC4を中心とし、特にDIN、DKE、および民間の標準化コンソーシアムeCl@ssの製品オントロジーあるいは産業用メタデータのサーバ管理に関する標準化戦略の調査を行うために、SC3Dの議長である村山氏に調査依頼があり、SC3D-Jに併設する形で別にタスクフォースを設けて調査を実施している。この分野の日本の活動も調査の一部に含まれているため、必要に応じて協力を行う予定。

 なお、本委託調査の期間は平成20年8月1日から平成21年1月30日まで、委託金は150万円である。


 4. 今後の予定

2008年10月6日〜9日    TC3、SC3D、SC3D/WG2    チェコ・プラハ
2008年10月or11月     SC3D国内委員会
2009年2月           SC3D/WG2             オランダ・アイントホーヘン

以上

 
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