『基礎・境界ソサイエティ大会』の開催に当たって
基礎・境界ソサイエティ会長 坂庭 好一

 間もなく中秋の名月という秋たけなわのこの時期,場所は加賀百万石の城下町金沢,金沢大学の皆様をはじめとする関係各位のお蔭で,『基礎・境界ソサイエティ大会』開催のお膳立ては完璧なまでに整いました.
 今回のソサイエティ大会では,ソサイエティ特別企画として,有本卓先生(立命館大学)による『人間の手の巧みさ(dexterity)は数学で演出できるか?』と題する特別講演を用意してございます.またこの他に,最近のホットな話題に迫る,パネル討論1セッション(5講演),チュートリアル講演3セッション(16講演),シンポジウム講演4セッション(33講演)が企画されております.勿論,基礎・境界ソサイエティの研究活動の中心にある,16の第一種研究会(回路とシステム,非線形問題,VLSI設計技術,信号処理,ワイドバンドシステム,情報理論,情報セキュリティ,技術と社会・倫理,信頼性,応用音響,超音波,コンカレント工学,思考と言語,ITS(高度交通システム),安全性,スマートインフォメディアシステム)ならびに第二種研究会(センサネットワーク,イメージメディアクオリティ)による一般講演17セッション(230講演)もございます.
 基礎・境界ソサイエティは電子情報通信学会の中の謂わば『中央研究所』であり,『電子・情報・通信』という三つの研究分野の境界領域を掘り起こし,学会の新しい研究領域を創生することが期待されております.そのための基本は,自由な研究の発揚とその発表の場を提供し,電子情報通信の基礎・境界分野の学問の発展に寄与することにある,と考えられます.学会がソサイエティ制に移行して10年余が経ち,昨年度からソサイエティ毎の独立採算制が始まりました.ソサイエティ独自の自由な企画や施策の実施を許す代わりに財政面も自分で責任を持ちましょう,ということです.論文誌電子化の経済効果も期待され,むしろ活性化のために必要な資金を有効に活用していく方策を考案していくことが肝要と考えられます.本ソサイエティでは『活性化WG』において検討を重ね,ソサイエティの活性化に資するために資金的な援助をする『活性化活動費(仮称)』の制度を本年度よりスタートし,皆様に有効に利用して頂くことを始めました.また,会員皆様から直接にご意見・要望等をお聞かせ頂くシステムの構築も考えて行きたいと計画しております.
 この大会では,10名のソサイエティ会員に対するフェローの授与,ソサイエティ活動に貢献された方々に対する功労賞や感謝状の贈呈式も行なわれます.本ソサイエティ大会が,皆様にとって,様々な発想に触れ,ご自身のアイデアをより一層飛躍させる有意義な機会となると共に,新たな仲間作りの場となることを切に願ってやみません.
ソサイエティ会長挨拶
通信ソサイエティ会長 井上 友二
 平成18年度のソサイエティ大会開催にあたり、ご挨拶を申し上げます。
 まず、本大会の企画・準備をいただきました金沢大学ならびに関係者の皆様の力でこのような活発な大会を開催することができることを感謝いたします。
 通信ソサエティ関連では特別企画1件、パネル討論5件、チュートリアル講演2件、一般講演ならびにシンポジウムでの1044件の最新研究成果の発表を予定しております。今回の企画のキーワードは「ユビキタス実証実験」「次世代ネットワーク・IP放送」「モバイル&ワイヤレス」であり、各々のテーマに関する関連技術分野の最新動向や技術課題を幅広く取り扱っています。是非、いろいろなセッションに参加して多くの技術や考え方に接してみてください。様々な角度から刺激を受けることにより、新たな飛躍のきっかけになれば幸いです。
 また、今大会では通信ソサイエティ総会での特別講演として、NECの広崎さんに、グローバル企業として広く世界で活躍されている立場から次世代ネットワーク実現に向けた取り組みについてお話していただきます。次世代ネットワーク関連のセッションとあわせて聴講いただけば、より興味深いと思います。
 通信ネットワークやサービスが多様化するにつれ、情報通信に関する技術分野は急速に拡大しています。このような状況の中で、通信ソサイエティの会員は、先端的な要素技術や将来の通信ネットワークの実現に向けたアカデミックな活動だけでなく、技術の応用やシステム開発、標準化など、社会における通信やIT分野の発展において様々な役割を担っています。ソサイエティ大会は情報通信技術に関し多面的に課題設定し議論できる場となるよう企画していますので、この機会を活用して会員相互の活発な議論と連携を拡大してください。そのことにより、各々が通信技術のプロフェッショナルとしての技術や知識を高めるだけでなく、全体として未来へ向かう大きな力が生まれると信じます。
 最後になりましたが、この大会では、17名の会員に新たにフェローの称号が、ソサイエティ活動に貢献された方々に感謝状や賞が授与されます。また、通信ソサイエティでは今年度より新たにソサイエティ論文賞を設け優秀な論文に対してソサイエティとして表彰いたします。これらの皆様にお喜びと感謝を申し上げます。今後のソサイエティの発展は会員の皆様のお力に支えられています。今後ソサイエティ活動が更に活性化し、数多くの方が立派な成果をあげ後に続くことを期待します。
エレクトロニクスソサイエティ大会の開催にあたって
エレクトロニクスソサイエティ会長 保立 和夫
 エレクトロニクスソサイエティでは独立採算化へ向けた取り組みを進めており、その一環として、新たな運営体制の試行を進めております。当ソサイエティの運営は、これまで、「運営委員会」において一括して行われてきました。本年度からは、論文誌の編集出版を主担当とする「編集出版会議」、研究会や大会を主担当とする「研究技術会議」、会計や新企画を主担当とする「企画会議」にそれぞれの権限が委譲されてクイックな運営が志向されており、これらを取りまとめるために「執行委員会」が設置されております。
 今回のソサイエティ大会は、この新体制のもとで実施される初めての大会となります。
 一般講演とシンポジウム講演の合計は約430件に上り、最新の研究成果が発表されます。ソサイエティ特別企画、パネル討論、プレナリーセッションも企画されました。プレナリーセッションは9月20日(水)午後の開催予定であり、ソサイエティ賞、レター論文賞、ELEX最優秀論文賞の受賞式ならびに記念講演とフェロー称号の授与が行われるとともに、新体制となった本ソサイエティの活動近況をご報告させて頂くことになっております。
 エレクトロニクスは、物理現象の解明から、材料・デバイスの作成、そしてシステムの構築までを包含する厚みのある技術領域であり、これら各レイヤーでの新技術の創成と融合によって、通信や情報処理等の機能を提供してきました。そして、これらを基盤にIT技術と産業が開花して、我々の社会と生活は大きく変貌を遂げました。この中で、わが国のエレクトロニクスが世界からどのように見えるかに関しても、変化が生じております。
 情報ネットワークを基盤としたソフト主体の技術と産業の開拓が活発ですが、科学技術創造立国を標榜する我が国において、「尊敬される科学技術」を発振し続けるためには、やはり、「ハードウエアへの回帰」と「独創性へのこだわり」が不可欠です。21世紀は、従来の技術領域の枠を超えて、領域融合に立脚した新たな機能の創造が求められる時代です。この融合によって実現される、安全・安心、環境保全、健康、等々を社会は望んでおり、これを追い風にして新技術の創成を進めたいものです。今回の大会が、技術領域の融合と新たな機能の創成に繋がるよう、皆様方の積極的なご参加をお願い申しあげます。
 最後に、今回の大会開催にあたり多大なご尽力を頂きました、エレクトロニクスソサイエティ大会運営委員長ならびに各研究専門委員会委員長をはじめとするご関係の皆様方に、深く感謝申しあげる次第です。