The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers


若手会員へのエール

副会長 池田 博昌

 近年の電子情報通信技術は,とどまることを知らないほどの展開をみせてお り,そのペースもますます急速に進展してきている.このことは,これからの 高度情報社会が発展していく上で,本学会がますます大きな役割を果たさなけ ればならないことを示している.

 このような環境のもと,研究分野の多角化に対処し,分野ごとの特長を生か した研究活動を活性化するため,グループ制を経て,平成7年からはソサイエ ティ制がスタートした.論文誌の充実により掲載論文数も年々増加の一途をた どっている.これに対して,会員数は平成6年度末までは順調な伸びをみせ 4.2 万名にまで達したが,その後は減少傾向に変り,平成9年度末には 3.9 万名となっている.会員の年齢分布を見ると,20 歳代 21%,30 歳代 32%, 40 歳代 23%,50 歳以上 24% である.この分布から若手研究者が研究発表 の場として積極的に活躍しているものの,ある時期からは次第に熱意が冷め, 退会していくのではないかと懸念される.学会の更なる活性化に向けては,若 手研究者の学会への参画意識を高めて,これからも急速に展開する新技術を, 多くの会員が幅広く理解し,吸収していく場としても認識してもらい,長い期 間学会員として活躍して頂くことが重要となってくる.

 この観点から,正員へのサービスとしては,学会誌では特集号を積極的に企 画し,先端技術のトピックスをタイムリーに取り上げるようにしている.また, 学生員については,ソサイエティ制への移行に伴い,大学院在学生も申請すれ ばすべて学生員となれるようにし,入会時期も年に4回と加入しやすくした. 更に,学生会活動を,学生がより活発に活動できるよう,地域活動と密着でき る支部を中心とした活動に切り換えた.また,大学卒業または大学院修了によ り学生員から正員に切り換ると,年会費が突然多額になるので,若手の会員の 中には研究組織以外に就職したような場合には退会してしまったり,就職によ る連絡先の変更手続きが遅れることなどで会費未納により自然退会となること などが懸念されてきた.

 学生会連絡会では,これらの事情を深刻にとらえ,会費面では学生員から正 員に移行した際2年間は半額にすることを提案し,理事会で承認された(博士 後期課程修了者は除く).これにより,これからの高度情報化社会に必要とな る新技術,新知識の情報源を確保し,併せて学会員としての特典も引続き享受 することができる.このことは,学生員各位には特別に冊子を作って周知した ところであるが,広く会員各位にも御認識頂きたく,敢えて述べる次第である. また,就職後のメンバーシップ継続について,弾力的な運用ができる方策も検 討中である.会員各位はこれらの施策を十分に認識し,学会の活性化と発展に 御協力頂きたい.


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