The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers


学会の活動

総務理事 下村尚久

 学会には研究者に研究討議を通して情報交換を行わせ,論文誌へ 論文掲載をさせるなどの本来の役割のほかに,広く一般会員の要望 に答えることが期待される.

 学生時代大会で講演をし,直接面識のなかった著名な先生方から それとなく質問してもらい,激励されて実にうれしかったことや, 当時ようやく広まりつつあった計数形電子計算機に関する学会主催 の講習会を聴講して新しい世界が開けたように感じたことがなつか しく思い出される.

 現在電子情報通信学会は4万名を越える会員を擁する大学会とな っている.若い会員にとって本学会はかつてと同じように親しみや すいものであろうか.学生会活動を支部に移したのも,この点で役 立つことを期待したい.

 一方,昔は自分の年ぐらいの人を随分年寄だと思っていたが,自 分はまだまだ若い,学会活動にももっと参加していきたいという人 が増えている.シニアメンバーにも十分開かれた学会でなければい けないことは当然だ.

 このような状況のもとで,ソサイエティ制がスタートし,今年は その試行期間に当る.分野ごとのコンパクトな四つのソサイエティ と1グループが発足した.ここではより会員に密着したきめ細かな 活動が期待され,活動の若さが維持できることが望まれる.

 会員には毎月発行される学会誌だけで学会とつながっている方も たくさんおられ,この方々は学会の経済基盤の安定化に大きく貢献 している.この会員にソサイエティはどのようなサービスを提供で きるだろうか.各ソサイエティの工夫が期待されるところだ.

 学会を運営の側面からみると,ソサイエティ制になり各ソサイエ ティが多様な個性ある活動を行うようになると,必然的に事務量が 増大することは避けられない.これは単に学会事務局に押し付ける だけでは解決できない問題だ.

 学会は元来学問を志す同好の人々のボランティア的な集りである. ソサイエティ制を定着させ,所期の目標を達成するためには,関係 者がもう一度このボランティアの原点にたちもどってみることが必 要である.

 ソサイエティ制に試行で,学会の活動がより活発,多様に展開す ることに夢がふくらむ.会員各位が積極的に学会活動へ参画される ことをお願いする.


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