■3.　開発のコンセプト

　『ティップス先生』のサイト(表1)を開発するにあたって，三つのコンセプトを重視した．第一に，「成長する」というコンセプトである．オンライン上で情報を管理し発信することによって，内容の追加や変更が容易となり，このコンセプトの実現を可能なものとしている．そのため『ティップス先生』では常に新しい内容を提供することができる．『ティップス先生』自体がオープンエンドに成長していくのである．

　第二に，「名古屋大学版」というコンセプトである．名古屋大学の教員の教育改善を第一の目的にするという考え方である．開発の過程で，学内の委員会による報告書など大学が蓄積してきた資料を参考にした．対象を名古屋大学の教員に特定することで，きめ細かな情報提供が可能になったのである．

　第三に，「気軽に読める」というコンセプトである．『ティップス先生』では，架空の教員の授業日誌(図2)を綴ったパートを加えるなど，楽しく気軽に読めるということを重視した．また，必要な場合を除いて教育学の専門用語の使用を控えた．更に，教員がすべての内容を読むのではなく，必要な所をすぐ読めるような使い方もサポートしている．

（ｂ）「授業の基本」