■4. データ収集とデータの利用法

 ここで,現在我々が手掛けている野球中継のサポートシステムを中心に,実際どのようにデータを収集し利用しているのかを紹介したい.現在我々は,局に送られてくる試合の中継画面を見ながら,スコアシステムを使って一球ごとに入力し,このデータをサーバに入れネットで各ポータルサイトにリアルタイムにデータを送っている.これがナローバンド上でユーザが試合をデータで見るシステムである(図1).




(a) 野球




(b) サッカーなどの団体競技

図1 入力画面の例

 


 現在我々の持っているすべてのシステムは,データから映像が呼び出せることができるが,野球について説明するとスコアシステムは,一球ごとの独立したディジタルデータをリアルタイムに作り出し,更にそのデータと映像がリンクしていて自動的に映像を呼び出すのである.例えば,巨人の清原選手が中日の野口投手から打った第25号ホームランの球種と映像というように条件設定をすれば,自動的にそれらのデータから映像が表示されるのである.更に,同じ対戦で三振をしたときの球種と映像を呼び出せば,打てたときと打てなかったときをデータと映像で比較することも可能なのだ.現在は選手のパフォーマンスを高めるために役立っているが,ブロードバンドの世界ではユーザが自分でこのような条件を設定して好みのデータと映像をサーバからネット上で取り出せるのである.また,我々は今年からアメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)のデータ収集するために,ニューヨークメッツにシステムを提供している.メッツは,相手チームのデータ分析等でリアルタイムにデータを入力し利用している.また,シアトルマリナーズの試合データをリアルタイムに収集してポータルサイトへ試合情報として提供し,またデータのリンケージを図り“プレーバック”のように過去の試合を第一球目から再現できることを生かしたデータ提供もしている.ここでシステム構成と各種のアプレット図を図2に表現する.



図2 システム構成




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