旧電子情報通信学会倫理綱領
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電子情報通信学会
[ 簡略解説
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基本理念
電子情報通信学会員(以下本学会員)は、電子情報通信技術の専門家として、各自の専門技術の研究、開発、実施を通じて、全人類社会の幸福と福祉に貢献するよう努力する。
1. |
本学会員は専門家および一人の個人として次の各項を遵守する。[基本方針]
(1) |
公正と誠実を重んじる。 |
(2) |
他者に危害を与えることを予防する。 |
(3) |
他者の権利の侵害が生じることを避ける。他者の権利には、所有の権利、プライバシーの権利等が含まれる。 |
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2. |
本学会員はその職務の遂行に当たって次の各項を遵守する。 [社会的責任]
(1) |
電子情報通信技術の進展とその成果が与える社会的責任を自覚する。 |
(2) |
電子情報通信技術の進展によって生じる社会的影響について、客観的事実を明らかにするよう努力する。 |
(3) |
上記の事実を社会に周知するよう努力する。 |
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3. |
本学会員は、その職務の遂行に当たって次の各項を遵守する。[社会的信頼]
(1) |
職務上知りえた秘密を他に漏らさない。 |
(2) |
職務上知りえた秘密を自分および他者の利益のために使用しない。 |
(3) |
業務上相互に合意の上取り交わした契約、了解事項、責任分担等の条項はこれを尊重する。 |
(4) |
現行の法制度(特に電子情報通信に関連する法制度)
についての知識を常に更新し、その学習に努める。 |
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4. |
本学会員は、その職務の遂行に当たって次の各項を遵守する。
[品質保証]
(1) |
電子情報通信技術から得られる成果の品質の保証に努める。 |
(2) |
電子情報通信技術の品質保証の目標を設定し、それに準拠して行動する。 |
(3) |
電子情報通信技術の品質保証の体制を作り、その維持向上に努める。 |
(4) |
電子情報通信技術の品質保証を可能にするための技術の向上に努める。 |
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5. |
本学会員は、その職務の遂行に当たって次の各項を遵守する。[知的財産権]
(1) |
他者の創意工夫を尊重する。 |
(2) |
著作権、特許権、その他の知的財産権を侵害しない。 |
(3) |
自己の知的財産の保護・利用についても注意を怠らない。 |
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6. |
本学会員は、その職務の遂行に当たって次の各項を遵守する。[ネットワークアクセス]
(1) |
ネットワークへのアクセスは、許されているプロセスあるいは資源に限定する。 |
(2) |
他者の管理するシステムに許可なく侵入しない。また他者の通信に不正にアクセスしない。 |
(3) |
ネットワークに対して情報を提供するときは、真正な情報のみを提供する。 |
(4) |
ネットワークから情報を獲得するときは、その結果について自己責任の原則を了承する。 |
(5) |
ネットワーク内における行動は、共創の精神に基づいて行う。 |
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7. |
本学会員は、その職務の遂行に当たって次の各項を遵守する。
[研究開発]
(1) |
電子情報通信技術の研究開発においては相互の立場を尊重し、自由な討論を行える場が作られるよう努める。 |
(2) |
電子情報通信技術の研究開発においては長期的視野に立ち、安全で信頼のおける国際的情報社会の建設を目指す。 |
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8. |
本学会員は、その職務の遂行に当たって次の各項を遵守する。
[実施基準]
(1) |
ネットワーク上での広報、発表における節度ある態度を保持する。 |
(2) |
相互啓発、相互評価体制を推進する。 |
(3) |
社会の反応を常に把握する体制の確立に協力する。 |
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9. |
本学会員が自己の所属する組織内において管理的立場にあるときは、上記項目を自分自身で遵守することに加えて、下記の項目を実施しなければならない。
[管理者基準]
(1) |
自己の管理下にある構成員に対してもその遵守を促す。 |
(2) |
品質保証、知的財産権保護、要員の教育訓練等の体制の整備および向上のための方策を設定し、人および資材の合理的配分に配慮する。 |
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付記
1. |
この綱領は平成10年7月21日から施行する。 |
2. |
本綱領の解釈および改廃は、必要に応じて委員会を設置して行う。 |
(以上)