2015-2016年度

2015-2016年度 委員長

松原 行宏(広島市立大学)

本研究専門委員会は1967年11月に発足し(当初は「教育技術研究専門委員会」,1985年4月から「教育工学研究専門委員会」),間もなく50年を迎えようとしています.歴史と伝統のある研究会であり委員長も私で第19代目となります.これまで教育,学習の場における様々な理論や支援技術を開発して研究会の場で発信し,多くの成果を教育の分野に還元してきました.

教育工学研究の特徴としてヒト(学習者や教授者)を含めた系でシステムを設計することが重要であり,その点が研究の面白さでありまた難しさでもあります.ヒトの行動や振る舞いは必ずしも一貫しておらす,不安定な系だからです.また同一のヒトでも学習行為に伴って当然ながら変化(成長)が生じ,振る舞いが変化します.これらの変化に追随したシステム設計なりモデルの同定が必要となるわけですが,その難しさこそが研究の意欲をかき立てる源泉だと感じています.

さて本会の基本的な活動は,年8回~9回の研究会を企画して開催することです.ほぼ毎月のペースで日本各地を回って研究会を実施しております.各地域に密着した教育工学分野のホットなテーマ(例えば,学習データ蓄積,e-learning実践,プログラミング教育,モバイルユビキタス技術の教育応用,身体知やスキル学習,クラウド技術と教育活用,学習支援のユニバーサルデザイン,先進的演習支援,知的学習支援,特別支援教育など)が設定され,毎回活気のある議論が展開されています.また過去5年間を振り返ってみますと,年に117件~146件の研究発表があり,安定した研究会活動が展開されていると思います.今年度も9回の研究会を予定していますので皆様がたの最新の研究成果を発表いただき更に研究を発展していただければと思います.

 また本会では,特に,若手研究者の育成に力を入れています.他学会の関連研究会や研究グループと協力して若手奨励企画を実施しています.今年度は11月下旬に若手奨励企画の研究会を開催しますし,またその研究会に連動した若手育成プログラム(教育システム若手の会の企画)も計画されています.多くの学生諸氏,若手研究者にこの分野に興味を持ってもらい,仲間になっていただきたいと思います.

50周年に向けてこれから様々な企画を予定しています.多くの皆さんとともに盛り上げていきたいと思いますのでご支援の程をお願い致します.

(教育工学研究会第19代委員長)

これまでの委員長

  • (第1代)  1969-1972年度 川上 正光
  • (第2代) 1973-1976年度 中村 元和
  • (第3代) 1977-1980年度 末武 国弘
  • (第4代) 1981-1984年度 阿部 善右衛門
  • (第5代) 1985-1988年度 宇都宮 敏男
  • (第6代) 1989-1990年度 清水 康敬
  • (第7代) 1991-1992年度 坂元 昂
  • (第8代) 1993-1994年度 伊藤 紘二
  • (第9代) 1995-1996年度 岡本 敏雄
  • (第10代) 1997-1998年度 磯本 征雄
  • (第11代) 1999-2000年度 渡辺 成良
  • (第12代) 2001-2002年度 福原 美三
  • (第13代) 2003-2004年度 米沢 宣義
  • (第14代) 2005-2006年度 永岡 慶三
  • (第15代) 2007-2008年度 横山 節雄
  • (第16代) 2009-2010年度 渡邉 豊英
  • (第17代) 2011-2012年度 中村 直人
  • (第18代) 2013-2014年度 赤倉 貴子

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