2013-2014年度

2013-2014年度 委員長

赤倉 貴子(東京理科大学)

電子情報通信学会には、「A:基礎・境界」「B:通信」「C:エレクトロニクス」「D:情報・システム」の4つのソサエティがありますが、「教育工学研究会」は、「D:情報・システム」に属しています。2007年には発足40周年となり、2014年現在、あと3年で50周年を迎えるという伝統ある研究会です。そこで扱われる研究は、教育に関わる課題に対して工学的に解決をはかる内容ですが、その大きな特徴は、「ヒト」に関わる学問であることです。研究会で発表されている研究の例として、例えば、学習をするということはどういうことか、具体的には数学の問題を解けるようになるとはどういうことかについて、学習者(ヒト)の特性、問題の構成等を分析し、学習に関するモデルを提案するような基礎的な研究、教材の構造や構成を分析してモデル化する研究、あるいは、そのモデルに基づいて学習者(ヒト)がより学習しやすい学習を支援するシステムを開発する応用的な研究、などの研究をあげることができます。

この50年の間、社会のさまざまな分野は情報通信ネットワーク基盤の整備が進み、教育分野においても例外ではありません。昨今、インターネットを活用したeラーニングが進み、時代に合わせて、大学設置基準や学習指導要領の一部が改訂されていることもご承知のとおりです。我が教育工学研究会で提案される学習支援システムも、新しい技術を応用したものが多くなっています。

ただ、先にも述べたように、教育工学は、ヒトと切り離せない学問分野ですから、単に新しい技術を追い求めるだけではありませんし、必ずしも新しい技術を利用することが好ましいとも限りません。教育学、心理学、社会学などの人文社会系学問分野から、情報工学、通信工学、電子工学といった理工系学問分野など、さまざまな立場での視点が必要な研究分野です。ですから、教育工学研究会では、こうしたさまざまなバックグラウンドを持つ人々がお互いに語りあい、切磋琢磨して研究の質を高めていく場として非常に貴重なものとなっています。

これから益々進展する情報化社会における新しい教育・学習をみんなで考えていきましょう。教育工学研究会へのご参加をお待ちしております。

(教育工学研究会第18代委員長)

委員長へのインタビュー記事のご紹介

情報・システムソサイエティ誌面(2014年2月発行)に委員長へのインタビュー記事が掲載されました。

【研究会インタビュー ソサイエティ 人図鑑】

 これまでの委員長

  • (第1代)  1969-1972年度 川上 正光
  • (第2代) 1973-1976年度 中村 元和
  • (第3代) 1977-1980年度 末武 国弘
  • (第4代) 1981-1984年度 阿部 善右衛門
  • (第5代) 1985-1988年度 宇都宮 敏男
  • (第6代) 1989-1990年度 清水 康敬
  • (第7代) 1991-1992年度 坂元 昂
  • (第8代) 1993-1994年度 伊藤 紘二
  • (第9代) 1995-1996年度 岡本 敏雄
  • (第10代) 1997-1998年度 磯本 征雄
  • (第11代) 1999-2000年度 渡辺 成良
  • (第12代) 2001-2002年度 福原 美三
  • (第13代) 2003-2004年度 米沢 宣義
  • (第14代) 2005-2006年度 永岡 慶三
  • (第15代) 2007-2008年度 横山 節雄
  • (第16代) 2009-2010年度 渡邉 豊英
  • (第17代) 2011-2012年度 中村 直人

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