第26回 回路とシステムワークショップ奨励賞受賞者ならびに受賞理由


An分科会

講演者
荒井 伸太郎(香川高等専門学校)
題目
カオスダイナミクスの分離を利用したノンコヒーレントカオス通信のための多値変調方式
受賞理由
本発表では,カオスダイナミクスの特徴を利用したノンコヒーレントカオス通信のための多値変調方式を提案している.カオスダイナミクスの分離,再構成を行うことで多値変調方式を行っており,新規性,有効性について高く評価でき,今後の発展も期待される.また,同氏のプレゼンテーションも明快であり,質疑に対する回答も的確であった.

As分科会

講演者
越本 浩央(産総研)
題目
半導体デバイスの耐圧計算に有効な初期解の計算
受賞理由
本発表では,収束が難しい非線形の強い耐圧計算に対して,理論的に安定する初期解を算出する手法を提案している.空間変数の尺度変換を伴う多重尺度法による摂動解析を用いる手法は,新規性,有効性があり,今後の発展が期待される.また,当日のプレゼンテーションはわかりやすく,質疑応答も的を射ていた.

Ba分科会

講演者
長井 崇浩(神戸大学)
題目
低電圧エネルギー・ハーベスティングに向けた0.27-V入力,効率75%,オンチップ・チャージポンプ回路
受賞理由
近年,環境問題への関心が高まる中,エネルギー・ハーベスティング技術が大きく注目されている.本論文では新規性の高いチャージポンプ昇圧コンバータを提案し,低電圧動作,負荷電流変動の課題を克服している.当日の発表では背景・目的,解決手法の有効性,チップ試作から測定,および考察について明瞭に説明されていた.質問に対する回答も適切であり,今後の発展も期待できる.

Bd分科会

講演者
藤田 隆史(京都大学)
講演題目
画像の圧縮センシングにおける画像内圧縮率の適応的変更手法
受賞理由
本発表では,画像の圧縮センシングにおける画像内圧縮率の適応的な変更手法が提案されている.提案手法は,シンプルかつ有効な手法であり,今後の発展が期待される.論文に提案手法が明確に記述されているとともに,発表がわかりやすく,質疑応答も丁寧であった.

C分科会

講演者
跡部 悠太(早稲田大学)
題目
ランダムオーダースキャンによるセキュアスキャン設計
受賞理由
近年のスキャンパスを用いた攻撃に対し,スキャンパス内のフリップフロップの順番を動的に変更することで,セキュリティを向上させる手法が提案・評価されている.提案手法の新規性と有効性が高いことが明確に示されており,聴衆からの質問に対する応答・議論も的確であった.加えて,論文自体も査読段階で高く評価されていた.

D分科会

講演者
松浦 隆文(東京理科大学)
題目
Soft Tabu Search for Solving Motif Extraction Problem
受賞理由
本発表では,組み合わせ最適化問題を解くための近似解法として広く用いられているタブーサーチを発展させたソフトタブーサーチを提案し,DNA塩基配列に対する共通モチーフ抽出問題に適用している.既存手法では最適解を得られなかったものに対しても最適解を得ることが出来たなど,提案手法が有効であることが示された.また,本発表で提案した手法は,他の問題でも有用性が見込める.発表,質疑ともに質の高いものであった.