SBRA2019


SBRA2019のホームページを立ち上げました.
https://www.ieice.org/~biox/sbra2019
2019年度のSBRAもどうぞよろしくお願い申し上げます。

開催報告


SBRA2018は,おかげさまで大盛況のうちに無事終了致しました. ご参加いただいた皆様,ご発表いただいた皆様に厚く御礼申し上げます. 是非,来年もまたご参加ください.


SBRA2018実行委員会一同

開催案内

第8回バイオメトリクスと認識・認証シンポジウム in 東京 11月20日〜21日

<お知らせ> 本ページの下部に基調講演,招待講演情報を記載しました.ぜひご覧ください!

SBRA2018へようこそ!

「第8回 バイオメトリクスと認識・認証シンポジウム(SBRA2018)」にご参加くださりありがとうございます.SBRAは,バイオメトリクスと認識・認証に関わる様々な領域の研究者,開発者,利用者が一堂に会し,人的交流,情報交換,相互啓発を広げる場を提供することを目的としています.今回,第8回目となるSBRA 2018では,バイオメトリクスと関連する幅広い研究・開発・社会応用テーマのより一層の拡充と融合を図るため,1件の基調講演と4つの領域からなる8件の招待講演を企画しました.また,ポスターセッションには,実行委員会が世界的に注目度の高い研究成果を選定して発表を依頼するハイライト発表5件を含む50件以上の発表が集まりました.講演者,参加者の皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます.本シンポジウムが皆様にとって実り多きものとなりますことを心よりお祈り申し上げます.

SBRA2018実行委員長 山崎 恭(北九州市大)

バイオメトリクスおよび関連研究領域を対象とした会合であり,バイオメトリクスの進展と研究動向を知る上で重要な研究討論の場であります.多くの方々の積極的なご参加・ご発表をお願い申し上げます.

日時

2018年11月20日(火)〜21日(水)
※受付時間は9:10からとなります。時間前の受付はできません。

懇親会

11月20日(火)18:15~20:00

会場

KDDI飯田橋駅前ビル(ベルサール飯田橋駅前)
(東京都千代田区飯田橋3-8-5)
会場へのアクセスは,こちらをご参照ください.

締切

参加登録料

※ 参加申込のキャンセルは,事前参加登録締切日までとします.
※ 事前登録を行ったにも関わらず,当日不参加の場合は,後日,参加登録料を振り込んでいただきます.
※ 参加登録料は当日受付にて現金でお支払いください(その場で領収書を発行させていただきます).

講演の主題

SBRA2018 では,注目すべき4つの領域を以下のように設定しました.

SBRA2018では,バイオメトリクスのホットトピックを,研究者,開発者,利用者の皆様に提供するため,株式会社センスタイムジャパン代表取締役 勞 世竑氏による基調講演をはじめ,上記4領域の第一線で活躍されている講師の方々による招待講演を企画しました.

※講演のタイトル等は今後変更になる可能性があります。

主催

電子情報通信学会 バイオメトリクス研究専門委員会 (BioX)

協賛

一般社団法人 電子情報通信学会 情報論的学習理論と機械学習研究専門委員会(IBISML)
一般社団法人 電子情報通信学会 パターン認識・メディア理解研究専門委員会 (PRMU)
一般社団法人 電子情報通信学会 情報セキュリティ研究専門委員会 (ISEC)
一般社団法人 電子情報通信学会 MEとバイオサイバネティックス研究専門委員会 (MBE)
一般社団法人 電子情報通信学会 信号処理研究専門委員会 (SIP)
一般社団法人 電子情報通信学会 音声研究専門委員会 (SP)/一般社団法人 日本音響学会 音声研究委員会 (SP)
一般社団法人 情報処理学会 コンピュータビジョンとイメージメディア研究会 (CVIM)
一般社団法人 情報処理学会 音声言語情報処理研究会 (SLP)
一般社団法人 情報処理学会 コンピュータセキュリティ研究会 (CSEC)
一般社団法人 日本自動認識システム協会 (JAISA)
一般財団法人 ニューメディア開発協会
一般社団法人 日本光学会情報フォトニクス研究グループ
IEEE Signal Processing Society Tokyo Joint Chapter

SBRA優秀発表賞

参加者からのご投票により,下記2件のSBRA優秀発表賞が選出されました. おめでとうございます.

・物真似タレントと素人による声真似攻撃が話者照合に与える影響の分析
○岩野 公司(東京都市大学),堀畑 拓斗(東京都市大学)

・DendroNetを用いた顔属性推定手法とその精度評価
○河合 洋弥(東北大学),伊藤 康一(東北大学),青木 孝文(東北大学)

基調講演

顔検出・認識技術の現状と展望~ビッグデータの威力

勞 世竑
株式会社センスタイムジャパン

照明、顔向き、表情の変化によって、顔の見え方が大きく変わることがあるため、 顔認識技術のロバスト性の向上は長年の難しい課題であった。経年変化の対応が 必要な場合は、更に難しくなる。近年、ディープラーニングを応用することで、 これらの難題を一気に解決し、人間の顔認識能力を超える顔認識技術が開発された。 大量の顔画像をディープラーニングで学習させることによって、顔認識の性能 飛躍的に向上できることが分かった。顔認識の性能が人の認識性能を超えたことで 応用が広がり、金融機関の本人認証やアクセスコントロールにも使えるようになった。 本講演では、ビッグデータがもたらした顔認識技術の革新の実態と最新の応用事例を紹介する。

招待講演

SDGs16.9実現に向けた認証技術への期待

遠藤 剛
日本ユニセフ協会

現在、五歳未満の世界の子どもの3人に1人が出生登録されていません。こうした子どもたちが集中する途上国では正確な人口を把握できず、自国民に対しての適切な公共政策の推進が難しくなるだけでなく、出生登録されていない子どもたちは年齢を証明できないために、兵士としての徴用、性的搾取、人身売買、児童婚、就学機会の逸失等多くのリスクにさらされています。その上、紛争、経済不安、気候変動等により現在5千万人以上の子どもが住む家を追われています。本講演では、「2030までにすべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する」をターゲットとするSDGs 16.9を達成する上で、こうした子どもたちの実態、就学状況の把握や保護に大きく貢献する可能性のある生体認証技術への期待をお話します。


途上国の住民登録と人口動態統計実現に向けた認証基盤の可能性

金子 聰
長崎大学熱帯医学研究所/熱帯医学・グローバルヘルス研究科

国際社会は、2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現する事を目指し、 「持続可能な開発目標(SDGs)」として、17の目標と細分化されたターゲット 指標を設定している。それらの目標の幾つかにおいては、その達成度の評価に 社会的基礎情報となるべき人口や出生、死亡、婚姻、移動などの動態統計情報が 必要とされるものの、多くの途上国においては、その整備が遅々として進んでいない。 その原因の一つに、個人の識別とIDの問題がある。途上国では、個人情報が曖昧であり、 登録情報との突き合わせが困難なことが多い。本講演では、アフリカでの経験を紹介しつつ、 バイオメトリクス応用の可能性について紹介する。


知覚できない刺激による誘発脳波を用いた個人識別

中西 功
鳥取大学

バイオメトリクスは、従来のパスワードやIDカードのように覚えなくても 持たなくても良いという特長から本人認証手段の切り札として着目されたが、 十分に普及が進んでいない。その理由の一つとしてパスワードやIDカードで 事足りてしまうということがある。そこで、パスワードやIDカードの代替でなく、 バイオメトリクスでしか実現できない応用を目指す必要がある。その一つが 利用者管理である。それも利用開始時に一度だけ認証を行うのでなく、 利用中常に認証を行う、継続認証である。ただし、利用者管理での継続認証を 行う場合、すべてのバイオメトリクスが適するわけではなく、無意識に提示でき、 なおかつ、利用者の作業の妨げにならないものでなければならない。その一つに 脳波が考えられる。本講演では、現在進めている知覚できない刺激による誘発 脳波を用いた個人識別の研究を紹介する。


MEMSセンサを使った生体信号計測

下山 勲
東京大学

適切な計測原理に基づく微小なセンサを使うと、寸法効果のために、測定対象に対する 影響を小さく し、かつ、微小な信号がとれる可能性がある。われわれは、シリコン半導体のピエゾ抵抗効果を利用 して、変位や力や振動数が計測できる、分解能の高いセンサを研究してきた。変位などの計測では、 結晶構造の変形がピエゾ抵抗変化をもたらすので、面積にも依存する容量変化型に比べてピエゾ抵抗 変化型が小型化に適している。さらに、歪に対するピエゾ抵抗変化は、金属の抵抗変化に比べて2桁 ほど高い感度を有している。ピエゾ抵抗効果を利用したセンサによって、歩行時の足裏に働く力の分 布や、筋肉が力を出すときに発する筋音や、細胞が発生する力や、血管の脈波伝播速度などが計測で きることなどを例に、生体信号計測の可能性を示す。


AI技術と情報セキュリティ技術の相互依存性について

松浦 幹太
東京大学

機械学習を含む人工知能(AI)技術の応用が広がり、多くの産業にインパクトを与える可能性が高まっている。ただし、AIを騙すなどの悪意ある目的で生成されたデータが脅威として指摘され、AIに対する攻撃とそれに対する防御の研究が進展している。即ち、AI技術における情報セキュリティ技術利用の流れが生じている。一方、認識・認証がそうであるように情報セキュリティには分類問題として定式化できる課題が多いため、情報セキュリティ技術におけるAI技術の利用は従来から盛んで、20年以上の歴史がある。こうして相互に依存する両技術の関係を概観し、具体例として匿名通信システムを取り上げて理解を深め、両技術が高め合っていくために何をすべきか考察する。


組込み機器でのディープラーニングを指向したモデル軽量化技術とFPGA上での専用回路の実現法に関して

中原 啓貴
東京工業大学

ディープラーニングはその統計的な性質から重みの大半を削減することができ、 また、前半層で低ビット精度で畳み込み演算を行い、後半層で高ビット精度演算を 行う混合精度を導入することで認識精度を維持しつつ大量のパラメータを削減できる ことが明らかになってきた。 FPGAはその書き換え可能性を活かすことで、アルゴリズムの進化に対応しつつ、 低消費電力かつ高性能なディープラーニングを実現できるデバイスとして注目を 集めている。 本講演では講演者らが開発している3状態ディープラーニング設計ツールの 最新バージョンであるGUINNESS DREIの紹介とFPGA実装した事例を報告し、 ディープラーニングのアルゴリズムの実装事例を紹介する。


秘密計算の安全性~プライバシーを保ちつつどこまで計算できるか

岩本 貢
電気通信大学

複数の参加者が持っている個人情報を入力とし,それらの関数値を計算することを考える. 参加者の入力に関するプライバシーを最大限保ちつつ,関数値を計算する暗号技術として, マルチパーティ計算(Multi-Party Computation, MPC)が永年研究されている.MPCは例えば, ビッグデータから情報を抽出する際のセキュリティを論じるために重要な枠組みである. 本講演では,MPCの簡単な例を説明しつつ「プライバシーを最大限保つ」という気持ちが どのように定式化されるかを述べる.MPCのプライバシーを幾つかの側面から眺めることで, プライバシーを理論的に捉える面白さが共有できればと考えている.


オンラインペルソナと匿名でいられる権利

喜多 千草
関西大学

心理学者のパトリシア・ウォレスが初版の『インターネットの心理学』 (原著1999, 翻訳2001)で、ネット上に形成されたアイデンティティを 「オンラインペルソナ」と呼び、視覚的識別性が欠けているために自由に 設定されることを指摘し、その功罪を論じた。 本講演では、現在のネット環境におけるこのオンラインペルソナの形成の 功罪について、初期の議論の背景となっていた事例とともに、近年の 新しい事例をもとに検討する。そしてそのよい面を享受する権利としての、 ネット上で匿名で活動する権利についての議論を整理し、そうした活動の 基盤となる匿名性を支えるセキュリティ技術への社会的要請についてまとめる。