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会長挨拶

電子情報通信学会
エレクトロニクスソサイエティ会長
小山 二三夫
(東京工業大学)
今年度エレクトロニクスソサイエティ会長の重責を仰せつかりました.電子情報通信学会には,大学4年で学生会員になってからお世話になっておりますので,早いもので32年になります.全国大会,研究会,論文誌などを通して研究を進めていく上で,学会からたいへんな恩恵を受けて参りました.また微力ながら,研究専門委員会委員・幹事・委員長,会誌特別編集幹事,ソサイエティ庶務幹事・国際担当幹事などを通して学会運営にも携わる機会を頂きました.
現在,エレクトロニクスソサイエティは会員約7,000人を擁しています.本会の会員数減少が問題になっておりますが,少子高齢化の波や,欧米の学会とのグローバルな競争もあり,また企業の研究開発部門の学会への参画がやや薄れるなど,今後大きな問題かもしれません.学会としては,いかに魅力的なサービスを会員に供与できるかが求められます.
全国大会(総合大会,ソサイエティ大会)は,最新の成果を発表し,分野全体の発展に大きく貢献してきたものと思います.小職の専門分野であります光エレクトロニクスでは,本学会と応用物理学会の全国大会は,分野の発展,実質的な産学連携推進の意味で大きな役割を果たしてきました.これからも,会員への利便性を高めつつ魅力的な大会作りが求められます.また,エレクトロニクスソサイエティには,分野がほぼ確立した第一種研究専門委員会として15,新分野,横断的な分野に対応する時限研究専門委員会として8が,活動しており,これら研究専門委員会が運営する研究会は,深い議論の場を提供する役割を果たし,分野の勃興期には特に大きな貢献を果たしてきたものと思います.今後は世界を先導するような新分野の創出を牽引するような役割が求められます.
学会からの情報発信として,ホームページ,論文誌の充実,会誌の電子化,研究会技術報告のアーカイブ化などの推進,ニュースレターなどの刊行物の内容の充実を進めるなど,さらに取り組むことが重要だと思います.今回,ソサイエティ執行委員会の担当委員各位のご努力で,ホームページの刷新,7月号よりニュースレターの内容充実化を進めることができました.
また,6年ほど前に本ソサイエティでは電子ジャーナルELEX (Electronics Express)を刊行致しました.迅速な出版,カラー化,動画可能などが特徴で,我が国における電子ジャーナルの先鞭をつけて,今年度からレター論文を統合する形で内容の充実化を進めます.同種の電子ジャーナルが今年度通信ソサエティからも発刊予定とのことで,電子情報通信学会の主要な論文誌として定着しつつあります.しかしながら,昨今は,インパクトファクターなどによる論文誌の評価も定着し,より内容を充実するためには,インパクトのある論文を集める不断の努力が求められます.
小職の専門分野であります半導体レーザに関しては,室温連続発振が実現されてから,約40年が経過し,光通信や光ストレージ用光源として大きく成長し,我が国はこの分野を先導してきました.モード制御,高信頼化,長波長化,可視光レーザ,波長制御,集積化技術,量子井戸・ドットレーザ,面発光レーザ,青色半導体レーザなど,新しい技術課題がその時代時代で克服され実用化をもたらしてきました.この分野の発展は,大会・研究会発表などを通じて,産業界と大学が緩やかな連携を通して進められ,成功を収めた研究開発のよい事例とも言えます.学術・技術分野の新展開には,活力あふれる若手研究者の力が必須であり,優秀な若手人材を収容する分野としての魅力を保ち続ける必要があります.我が国の将来の産業基盤を担う若手研究者育成にも,本会の大きな貢献を願う次第です.
