本時限研究専門委員会は,ネットワークが社会生活に深く浸透し,ありとあらゆるモノがネットワークに接続されるユビキタス社会において,これらのネットワーク化されたモノや情報を利用して創発的にサービスを構築し提供するための技術を明らかにすることを目的とする。特に実環境のデータを収集しそれを利用し新しいサービスを提供する実空間指向ユビキタスネットワーキング技術に焦点を当てる。このため本分野に関わる研究者に自由な意見交換の場を提供し,今後のユビキタスネットワーキングサービスやユビキタスコンピューティング形態のありかたとその実現に必要な技術に関して研究発表・討論・デモを行う機会を提供する。
コンピュータ技術の進展により,従来のデスクトップ型のみならず,ノートPC, PDAなどの携帯端末,腕時計型PCなどのウェアラブルコンピュータ,情報家電,RFIDタグ、建物や室内に埋め込まれた多数のセンサ,自動車内の情報機器などが日常生活のあらゆるところで使われるようになると予想される。また,インターネットの爆発的な普及に伴い、これらの多彩なアプライアンスがネットワークに接続され,相互に通信可能となり,ユーザはこれらを自由に利用できるオープンな環境が実現される。これらアプライアンスのコンピュータチップは,さらに周囲の実環境を自分でセンシングしたり,情報を発信する能力を持ち,無線技術によりネットワークに動的に接続され,ネットワーク上に広く分散(超分散)した情報やプログラムを活用しながら,協調して高度な情報処理を行うようになると考えられる。これによりネットワークを活用した多様なネットワーキングサービスやコンピューティング形態が動的に構築(創発)され,ネットワークが"空気"となったユビキタス社会が形成されることが予想される。
現在の画一的なサービス提供や集中型の複雑なネットワーク管理を前提としているネットワーク技術では,このようなユビキタス社会(来るべき情報流通社会)を実現することは困難である。ユーザ側がネットワークの状況に合わせるのではなく,ネットワーク側がユーザの置かれたコンテクストや刻々と変化するサービス要求に直ちに適応するネットワーク技術が求められ,新たなブレークスルーが必要となる。本時限研究会はこのような分野の研究を加速するために,インターネット技術研究者,モバイル技術研究者,無線通信技術者,ソフトウエア技術者, デバイス技術者のブリッジとなり,異なる分野の研究者間で実空間指向ネットワーク技術の議論の場を形成するとともに,両者のsynergy により,新たな概念,技術の創出を目指す。
本研究会が担当する研究分野は以下に掲げるとおりである。