◆ 第4回環境電磁工学国際シンポジウム(EMC'99/TOKYO)報告
(通信ソサイエティ ニューズレター第19号より転載)

 
 本年,5月17日〜21日,第4回環境電磁工学国際シンポジウムが中央大学駿河台記念館で開催されました.本シンポジウムは5年に一回我が国で行われている環境電磁工学の国際会議で第一回が1984年に東京で,第二回を1989年に名古屋で,そして第三回を1994年に仙台で行い,それぞれ500程度の参加者があり,成功裡に終えることが出来ました.

 今回も493名の参加者(内112名が外国人)があり,セッション会場,コーヒーブレークの場所とも活発な議論が行われ,成功裡に終えるこが出来ました.以下に,概要を紹介します.
1.発表論文数

  1)一般論文 196
  2)招待論文  20
             計 216(内86件が外国からの論文)
  3)APTS  22
APTSはAdvanced Products and Technology Sessionの略で動態展示,静態展示を伴うポスターセッションで第三回仙台のシンポジウムから始めた新しい形態のもので,実際の現象,あるいは実物を見ながらじっくりと議論が出来るのが特長です.今回も,APTSの会場ではそれぞれのブースで参加者の輪ができ,活発な議論が展開されていました.
 今回のシンポジウムでの特長はプリント基板関係の論文発表が非常に多く,セッションが行われた3日間を通して一会場が割り当てられました.プリント基板は機器やシステムの機能の中心的なものでありEMCと機能の関係が益々強くなっていることを感じました.今後ともこの傾向は続くものと思います.
 しかし,EMCにはまだまだ解決していかなければならないテーマが多いことも事実でで,発表件数が少ないあるいはゼロでもその分野の重要性が低いというものでは勿論ありません.その他では,Transmission Line関係が15件,ESD+Lightning関係が14件,Biological Effect関係が13件あり,現在のEMC研究の関心の中心がどこにあるかを垣間みることが出来たように思います.
尚,一般論文でProceedingsに収録された論文の国別の内訳は以下の通りです.
 日本:117,ドイツ:22,中国:14,ロシア:7,米国:7,イタリア:4,シンガポール:4,カナダ:3,台湾:3,フランス:2,イラン:2,韓国:2,ベラルーシ,ベルギー,香港,インド,イスラエル,ポーランド,スイス,英国,ウクライナ,各1
2.技術の資料集の発行

 38社より,資料をご提供いただき,参加者全員に配布しました.ノイズ対策,測定設備の設置等のお役に立てていただけると思います.
3.見学旅行

 NTT+首都東京に13名の,三菱電機鎌倉+古都鎌倉に30名の参加者があり,大いに楽しんでいただきました.
4.バンケット

 約160名の参加者があり,時間がきても会場から引き上げる人が少なく困るぐらいに話しの輪ができ,盛会でした.
5.その他

 今回,シンポジウムと並行して同じ会場でIEEEのBOD関連の行事(Standards Committee, Workshop, Party等)が行われ,このことが本シンポジウムの活性化に大いに貢献して下さいました.
終わりに,本シンポジウムの開催にあたり.多方面からいただいた御協力,
ご尽力に深く感謝します.有り難う御座いました.

(執筆者:仁田 周一 東京農工大学,EMC'99/TOKYO組織・運営委員長)