IEEE 1997 International Symposium on EMC参加報
(通信ソサイエティ ニューズレター第11号より転載)

(1)主催:IEEE EMC Society
(2)開催日:1997年8月18日〜22日
(3)会場:テキサス州オースチン コンベンションセンター
(4)セッション数:チュートリアル:10,オーラルセッション:19,ポスターセッション:1,ワークショップ:1
(5)論文数:オーラルセッション 102(アメリカ 52,イギリス,ドイツ各8,イタリー 7,日本 6,ベルギー 4,等),ポスターセッション 11
(6)参加国:上記の他,フランス,ブラジル,韓国,カナダ,スエーデン,中国,メキシコ,香港,インド,オランダ,スペイン.マケドニア,ロシア,イスラエル,トルコ,フィンランド
(7)展示出展件数:86
(8)主なトピックス

 毎年,お盆の時期に開催されるIEEEのEMCのシンポジュウムは展示会場の賑わいを含め,EMCシンポジュウムとしては恐らく世界で最大規模のものであり,本年も多数の参加者(1500人とも2000人とも言われる)を得てテキサス州オースチンで開催された.このシンポジュウムの特徴は,チュートリアルが多く,本年もEMC設計の基礎,FDTD,モーメント法,有限要素法,伝送回路網等の数値解析手法,測定の基礎,からNARTEの講習会,ヨーロッパの規制,装置レベルのEMC技術の展望等,盛り沢山の内容があり,各室とも多くの聴衆者を集めていた.オーラルセッションでは,Designと称するセッションで20件の発表があったが,内容はシールド関係5件,プリント基板関係10件,材料関係3件ほかで,主として解析例が多く,まだまだ,EMC設計のためのデータ提供的なものである.

 集積回路のEMCが独立したセッションとして設けられ,Emission4件,Suceptibility2件等の発表があり,また,Uncertaintyのセッション(3件)があり,これらの面への現在の関心が伺われた.

 このシンポジュウムでは.毎年,セッションと同時,あるいは昼食時にBOD meeting, Chapter Chair Luncheon, Standard Committee等が行われており,これも活性化の一翼を担っているものと思う.いつものことながら,オープニングセッションもなく,バンケットの挨拶もなく,会そのものが,さりげなく順調に運営されていて,実に爽快である.また,今回,Speakers Breakfastで発表者一人,一人にレーザーポインターがプレゼントされたり,同伴者には,首からぶらさげられるポシェット風のバッジが用意されて,ちょっとしたことへの気使いが感じられるシンポジュウムであった.

(執筆者:仁田周一、東京農工大学)