◆ EMC Europe 2000 Brugge シンポジウム参加報告

4th European Symposium on Electromagnetic Compatibility
(通信ソサイエティ ニューズレター第24号より転載)

(1) 主催:the Technological Institute of Flemish Society of Engineers,
the KHBO (katholieke, Hogeschool Brugge-Oostende)
  共催:IEEE/EMC-S, URSI Belgian Committee, EUREL
(2) 開催日:2000年9月11日〜15日
(3) 会場:Old St.Jans Conference Center,Brugge,Belgium
(4) 参加登録者:375人(40カ国)
(5) テクニッカルセッション論文数:175件(口頭発表110件、ポスター65件)
(6) セッション数:チュートリアル6、オーラルセッション27、
          ワークショップ9、ポスターセッション9
(7)主要参加国(人数):イタリア(62)、ベルギー(43)、ドイツ(37)、フランス(26)、
              オランダ(26)、日本(24)、USA(21)
(8) 主なトピックス:
本シンポジウムは,第1回から第3回まではEMC Romeとして開催されており,今回はじめてイタリアから出てベルギーの水の都,北のベニスBruggeで開催された.投稿数266(採択175)参加国40と,チューリッヒ,ボルツラフとともにヨーロッパで開催される主要なEMC国際シンポジウムとして定着した.初日と最終日にチュートリアルが6セッション,中の3日に3会場並列でオーラルセッション27とワークショップ9,ポスターセッション3回9テーマが開催され,技術展示会も併設された.オープニングセッションでは、IEC TC77の議長D.Mohr氏から"United Nations for EMC" と題してTC77の活動が紹介され,EMC実現のための技術者結集の重要性が述べられたが,個別内容のなかで特に,TC77では放射性イミュニティ試験に関して電波暗室での試験とTEMセルによる試験の相関をとることは止めたというのが個人的には印象に残った.
 チュートリアルでは,ELF磁界の制御のほかは,自動車関係のEMC・チップレ
ベルEMC・EMC設計のためのシミュレーションツールなど,設計寄りのテーマが多く見られた。一般セッションでも,PCBとIC関係のEMCがオーラル4セッション・ポスター1セッションと多く,次いでケーブル3+1,シールド,生体影響,数値モデリング,電力系のEMC,電力系と雷,ESDとトランジェント,電磁環境が各2セッション,鉄道,通信のEMC,計測法,計測と標準,電波無響室,Reverberation Room,規格関係が各1セッションであった.
 なお,今年6月に逝去された先のIEEE Trans. EMC 編集長・神田元久博士(NIST)のメモリアル表彰としてベストペーパー賞とベストポスター賞が各1件選ばれた.次回開催は,2002年9月9-13日にイタリアのソレント(Sorrento)で開催される.

( 執筆者: 和田修己 岡山大)