本会発足の経緯と目的
 
 


バイオメトリックシステムセキュリティ研究会の活動期間:2003年4月から2009年3月

バイオメトリクス技術は、パターン認識技術の応用として研究開発が行われてきましたが、ユビキタスネットワーク社会の到来により、セキュリティを念頭に置いた技術開発が今後ますます重要になってくるものと考えられます。例えば、ユビキタス端末における小型指紋センサの開発、本人認証機能のセキュアな実装技術、あるいは認証プロトコルにおけるPKI(公開鍵基盤)との連携技術の開発などが挙げられます。一方、バイオメトリクス技術は、センサ、アルゴリズム、実装、システム構築、サービスまで広範囲にわたる技術領域に関連するため、境界領域を含む一つの研究分野としての確立も必要になってきました。こうしたことから、バイオメトリクス技術を扱う新しい国際委員会が立ち上がり(ISO/SC37)、精度評価、プログラムインタフェース、プロファイル(運用仕様)などの標準化も検討されてきています。
  バイオメトリクス技術に関する研究は、本学会の情報セキュリティ研究会、パターン認識研究会などで扱われてきましたが、ネットワークサービスのセキュリティを担う主要な技術として今後発展することが予想され、学会の場において関連する研究領域にまたがる総合的な議論が必要とされる時期にきています。そこで、通信ソサイエティの中に本研究会を設置することにしました。
  本研究会を通して、本分野に関係するハード実装、アルゴリズム、ネットワーク/システム研究者、技術者が交流、情報交換、相互啓発を行い、研究を促進するとともに、技術的な課題やプライバシー等情報通信倫理に関連する議論も進めたいと考えています。

 本研究会では、次のような研究分野を中心に研究討論を行います。

(A)認証アルゴリズム(Biometric Algorithm)
  ・画像認識アルゴリズム
  ・テンプレート保護
(B)バイオメトリクス認証ハードウエア(Biometric Hardware)
  ・生体検知
  ・センサ技術/性能評価
  ・認証アルゴリズムの実装
  ・耐タンパ実装
(C)バイオメトリクス認証モデル(Biometric Authentication Model)
  ・プログラムインタフェース
  ・データフォーマット
  ・認証アルゴリズム
  ・マルチモーダル認証
  ・公開鍵基盤PKIとの連携認証技術
  ・認証プロトコル
  ・キャンセラブルテンプレート
(D)バイオメトリクスデータの品質(Sample Quality of Biometric Data)
  ・品質評価基準
  ・セキュリティ共通評価手法
  ・センシングデータ品質
  ・テンプレートデータ品質
  ・データの完全性保証
  ・セキュリティ脆弱性
  ・なりすまし対策技術
(E)社会環境/社会倫理(Jurisdictional and Societal Aspects of Biometrics)
  ・プライバシー保護
  ・コンプライアンス
  ・国際標準
  ・技術用語の統一