◆パネルセッション企画「移動伝搬研究の新しい流れと今後の技術分野」


日時: 2009年3月17日(火)13:00-17:00
    (2009年総合大会)

場所: 愛媛大学

提案者: 岩井 誠人(東北大学)

コーディネータ: 堀 俊和(福井大学)

発表件数:5件

参加者:50名程度


【提案趣旨】
セルラ移動通信、屋内無線通信環境、などを含む移動通信環境における電波伝搬について、現象解明やフェージング対策技術などの研究が旧くから継続的に進められ、多くの成果が得られている。これまでの電波伝搬の解析は、フィールド実験結果のフィッティングやレイトレーシングが代表的な手法であった。これに対して、近年、新しいアプローチにより伝搬現象を捉えようという試みが幾つかなされている。また、従来の伝搬研究は、その結果が主に通信回線のエリア設計や通信品質評価などに用いられてきたが、最近、電波を用いたセキュリティやユビキタス通信への応用など、電波伝搬特性を活用した新しい技術への展開が図られている。本パネルでは、このような移動通信における電波伝搬研究の新しい流れと今後期待される新たな技術分野について、将来の展望を議論する。

【パネラー】
(1) 新しい伝搬解析のアプローチ
九工大 市坪:スケールモデルによる伝搬解析
北大 大宮:FDTD による伝搬解析
東工大 高田:時空間サウンダによる伝搬解析
(2) 新しい伝搬応用技術
同志社 岩井:無線伝搬路特性を活用したセキュリティ技術
新潟大 山田:電波伝搬と位置推定

【開催報告】
新しいアプローチの伝搬解析手法の検討を進める3名のパネラー、および、移動通信伝搬をこれまでの通信以外の分野への応用を検討する2名のパネラーに講演およびパネルディスカッションを依頼した。それぞれ新しい考え方・応用分野を披露し、大変興味ある内容であった。これらに対して参加者から多くの質問が寄せられ、熱心な討議が行われた。これら発表・議論を通して今後の移動伝搬に関する研究を進めるという観点で参加者に有意義な情報を提供できたと考える。以上より、本パネルの目的は十分に達成されたと考える。