◆シンポジウム講演「最新の移動体・端末用スマートアンテナ」
日時:2005年9月21日(水)9:00〜10:15、13:00〜15:15
(2005年ソサイエティ大会)
場所:北海道大学・高等教育機能開発総合センター・E棟E308講義室
発表件数:5件(一般講演5件)
参加者:60名程度
【提案趣旨】
無線通信の高性能化や周波数利用効率向上のためにスマートアンテナ技術が着目され、既に実用化されている。これまでは、ビーム制御、カバレッジエリア最適化、干渉波除去などの機能を基地局側で実現するものが多かったが、近年では、無線通信システムの更なる高速伝送化に伴い、携帯端末や無線LAN端末、車などの移動体側に搭載するスマートアンテナの研究も盛んに行われている。例えば、端末側にスマートアンテナを搭載することによる干渉抑圧性能向上やエリア拡大、また、MIMO技術を適用することによる高速伝送化、更に、時速100kmを超えるような高速移動環境における良好な通信品質の実現などがあげられる。本シンポジウムでは、次世代移動通信や無線LAN、地上波デジタル放送などの無線システムにおいて、移動体や端末側に搭載するスマートアンテナに視点を置き、各種の研究課題やその解決方法について議論を行う。
【開催報告】
近年、アンテナ技術者が最も注目しているスマートアンテナ技術の、端末への実装を目的とした研究成果として、
・車載を意識し、エリア拡大や高速フェージング対策を目的とした地上波デジタル放送受信用スマートアンテナ
・無線LANや次世代移動通信で適用が確実なMIMO技術を端末に実装した場合のアンテナ構成、多重波伝搬環境とその場合の特性評価
・従来方式とは異なる変調素子を用いたアダプティブアンテナの方式提案
など、多岐にわたって興味のある発表があった。聴講者も多く、議論も活発に行われ、シンポジウムの目的は十分達成されたと思われる。